あー、カラオケに行きたい。
なんて考えながら、ドリンクを作っていると、光がやって来た。
ああ、今日も耳のピアスが太陽反射してキラキラしてる。



「光〜」

「汗で服透けてますよ」

「はっ!? ええっ?!」

「嘘っすわ」


ああ、神様。今日も部活の可愛い後輩は憎たらしいです。ごくごくドリンク飲んでる姿は可愛いくせに。


「ねー光。カラオケ行こう」

「あ、謙也さん転んだ」

「カラオケーっ」

「あ、謙也さんにボール当たった」

「カーラーオーケー」

「あ、謙也さんネットに突っ込んだ」

「かーーーらーーー」

「あ、謙也さんが……」

「お前は謙也の彼女かあああっ」


先輩、だいぶ煩いっすわ。
なんて言いながら、光がドリンクを飲む。あー、また作らないと。
でも、マネージャーだから仕方ないかな。

嗚呼、何だかんだ言ってもマネージャーって本当に疲れる。一番疲れる原因は、ファンからもめちゃくちゃ言われることだろうけど。
なにが「私の白石君に近づかないで」よ。馬鹿か。あいつはモノじゃねえよ馬鹿。

だから、カラオケ行きたい。
叫んで、ストレス発散したい。


「ねえー、光歌って。恋愛サーキュレーション歌って」

「そないことなら、部長誘えばええやないですか。きっと歌ってくれ……」

「却下!!!!」

「なんでなん??」

「あの人、この間、謙也と私とカラオケ行った時、何歌ったと思う?!」


光の目線は、全く私に向いてないなあ。謙也か!?もしかしてまた謙也かっ?!あんたたち本当はできてんのかっ?!
……まあいいか。
そう、無駄に色っぽい声でノリノリで歌ったのは。


「射手座午後9時ドンビーレーイトっ」

「…………エクースターシこーがしーてよー」

「光がエクスタシって言ったあああああああっ!!!」

「先輩煩いっすわ」


うあああああ。
エクスタシーがすごく素敵な台詞に聞こえたっ。これは、録音しときたかった。そして、携帯に入れて、朝昼晩聞きたかった!

ドリンクを空にした光がさっさとコートに戻って行ったのを、見ていたら、なんだかカラオケなんて良くなった。だって。だってだって。


「光のエクスタご馳走様」


しばらくはカラオケも行かなくていい、と思ったある日。



『ご馳走様でした』


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白石愛好家の友人が射手座…を聞けば楽しいと言っていたので。
可愛い光にえくすたしーこがしてます←






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