※Not夢



昨日も今日もそして未来もエクスタシー!
みな、おおきに。四天宝寺中学の部長の白石や。

やっと授業が終わって、今からテニスタイムやから、俺もテンションが高いって話なんやけどな。
やっぱり、聖書と呼ばれる俺が、そない浮き足だったら、他の部員に示しもつかへんやろ?

やから、今日もこの心の中に燃え滾るエクスタシーを、ひそかに燃やしつつも、テニスコートの中に……。


「まやくやあああああ!!」


突然響いたのは、金ちゃんの叫び声やな。なんや!?
麻薬って声が聞こえた気がするのは絶対気のせいやないな!
あかん、俺の大切な部員であり、可愛い後輩の金ちゃんが、なんやよう分からんけど、麻薬に襲われてまう!

これは、エクスタ侍の助けが必要にきまっとる!


「金ちゃんっ!!!!」


今、俺が助けてやるからな!
俺に、まかせて……。


「まやくやあああああ!!」


……え?今、金ちゃんに避けられた気がするねんけど。
っていうか、俺のこと見て麻薬言うた気がするねんけど!!
おかしいやろ。確かに、この包帯は毒手なんて教えてもうたのは俺やけど、一度も麻薬なんていうことは教えてへんで!!

と思ったけど、一歩近づけば一歩離れる金ちゃん。その様子を見とった財前がその映像を携帯でぱちりしとったけど、それは後や!!


「き、金ちゃん!なんで避けるねんっ」

「いやや、わいまだ死にたくないっ」

「きょ、今日は毒手せえへんで?」

「いややっ!白石は麻薬やったんやああ」


あかん。なんか、誰か知らんけど、これは、純心無垢な金ちゃんに変な事教えたに違いない。
あかん。ショックや。
確かに、ゴンタクレの金ちゃんを制止するために毒手を使ってきたけど、さすがに麻薬はありえへん。これは、へこむ。
なんでや。なんでや。
っていうか、麻薬ってなんやねん。なんで、俺の顔見ていきなり麻薬やねん。俺から避ける金ちゃんを涙目になりながらもおっとったら、ぽん、と肩に手が置かれた。


「ん?どないしたん白石」

「謙也っ! もしかして、金ちゃんに変なこと教えたんは、お前かああ!」

「な、なんの話やっ」

「よくも俺の金ちゃんをっ、おぼえとれよっ」

「お、おおお、落ち着けっ」


スピードスピード言うとるお前に、落ちつけ言われても説得力無いわっ! と、ツッコミが口から溢れる前に。


「そうや、謙也さんも麻薬やな」


ぼそりと呟いた財前は、何かをぼそりと金ちゃんの耳元で囁き……。


「いやあああ!!謙也も麻薬やあああ」

「な、なんでやっ!」

「よっしゃあ!どうや、おあいこやで謙也っ」

「嬉しないわっ!」

「謙也も白石も怖いー! 麻薬やあああ」

「ちょ、財前、お前説明しいや」


俺、関係ないっすから。と企んだ笑みを浮かべた財前君を、今日は照っててきに指導してやろうなんて思った練習前。
なんとか、金ちゃんに説明して、俺たちは麻薬やないと説き伏せたものの、金ちゃんの目線が痛い。

なんでや。なんで、そないことに。


「やって、今日習ったんや」

「……何を?」

「麻薬の中にはな、『エクスタシー』とか『スピード』言う名前の麻薬があるっておっちゃん言うとったんや! 四天は、麻薬のチームって言われてしまうやんっ」

「いや、誰もそないこと言わへんよ金ちゃん」

「でも、白石、クスリ飲んどるから、いつも『エクスタシー』って言うとるんやろ?」


なんやその、根拠の無い話。
ありえへんやろ。
というか、自称健康オタクの俺が、そないものに手を出すわけない。


「だ、誰から聞いたん?」

「財前」


よし、やっぱり財前を今日はしっかりしごいたろ。そう思ったとある日の頃。



『四天で楽しい薬物のお勉強』



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衝動的に書いたにも程がある小説。
話ばらばら。
言いたかったのは、ただエクスとスピードって話や←


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