正直に言うと、君の中で俺がどれほどのものだったかなんてわからない。分かろうとしなかったのかもしれないけど……。あの日語りあった日々自体がもしかしたら夢だったのかもしれないし、俺が作りあげたちっぽけな空想だったかもしれない。

「だけどね、これだけは迷わず言えるんだ」


俺は、君を深く愛していたよ。
他人に、俺の愛は恐ろしいほど醜く歪んでいると言われるほどにキミを深く愛していたんだ。傷つけ、深く苦しめてしまったキミの涙を何よりも尊く思っていたんだ。俺のことを思い、俺の名前を呼びながら泣く君に誰より恋い焦がれていたんだ。
そうだね。確かに俺は歪んでいる。
君に幸せになって欲しいと願う反面、君を幸せにするのは俺だけでいいと思ってた。
馬鹿だと笑ってくれてもかまわない。阿呆だと罵るのも構わない。
おかしいよね。君は誰のものでもないのに。

でもね、君が俺じゃあない他人と幸せそうに笑いあってるのを見て、笑っていられるほどオトナじゃないし、かといって、キミの側で君を幸せに出来る自信もない。


「こんな俺が、君に触れることは許されないのかもしれないね」


君を愛し過ぎたこの指は、君を傷つけてしまうかもしれない。だけど、出来ることならもう一度、君に触れたい。この想いを伝えたい。


「もう一度、俺に向けられる笑顔を見つめていたい」


笑って。
俺を支えてくれたその笑顔を忘れないで。
俺が君を苦しめるほど愛していたことをどうか忘れないで。俺が、どれほど君の幸せを望んでいたかを覚えていて。
君の愛を受ける資格はもう俺にはない。それほど君を傷つけた。
羨ましいな。君の愛を与えられる人が。
君の側にずっといれたら、少しは俺も君の笑顔も優しさも独占できたのに。だけどもう、叶わないのかな?

それでも、君にまた会いたいと望む俺の愚かさを許してくれ。俺の歪みきった口からは、綺麗な言葉は出なくて、かといって素直に君に伝えることも出来ないから、俺は風に囁く。

「ありがとう。君がいてくれたから、俺は乗り越えられたんだ」

上に立つプレッシャーも、痛みも、君がいたから耐えたんだ。

誰よりも愛おしいキミが。
誰よりも俺を支えてくれていたんだ。


「会いに行くよ。この空を超えて。必ず会いにいく。……君は、困るかもしれないけど」


必ず、会いにいく。電話だってメールだってする。だから、だから。
君が、君の愛おしいと思った人と幸せになれることを祈っている。


「ありがとう。愛おしい君」


俺の弱い心を支え、微笑みを与えてくれて。誰よりも俺の痛みを受けとめてくれて。
ありがとう。


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ブログにのせていたもの。
心の友である貴方に捧げます。




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