あー、なんで俺ってあかりのことこんなに好きなんだろ。本当はもっと可愛気のあって俺にべったりな清楚系おしとやか女子を彼女にするって小学生の時は心の中で決めてたのにさ。あの時は、結構スタイルとかもこだわりがあったんだよね。絶対ボンキュッボン推進派だっから。小学生の頃なんて、とりあえず胸があれば誰でもよかったんだろって言われても否定出来ないな。でも、それもちょっとだから。思春期だけだから。今は断然清楚系が好きだ。……あーそう考えると、確かにあかりは清楚かも。決してギャルって部類には分類されないからね。だけど、おしとやかな子か、って聞かれたらちょっと迷うかなあ。喧嘩する度に大きな声で怒るし。
スタイルも、別に完璧ってわけじゃないよね。足もそこそこだし。あ、でも俺的には膝枕が最高級に気持ちいから、嬉しいんだけどね。でもさ、そんなの抜きにして俺に愛されてるんだから、あかりは絶対世界一幸せものだよね。絶対そうに決まってる。だからさ。


「いいかげん……泣くなよ」
『っく、だ、って……』


顔を上げたあかりは、涙でぐっちゃぐちゃ。うわ、ブサイク。でもこの顔が何より好きなんだから。



「だから、俺と結婚しよう」
『っく、ひっく、わ、たしっで……』
「いいの? なんて聞いたら抱き締めながら噛み付くよ。あはは、うそうそ。噛みつかない。だからさ」


泣きながらでもいいから、頷いて。

そう囁いた瞬間に頷いてくれたあかりを一生愛していく自信は有り過ぎて恐いくらいだ。ふふ、誰が一番幸せかって、そんなお前をあいつから奪い取ってまで俺に惚れさせた俺に決まってるだろ。




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