「はい。ってことで、ここが美化委員で育ててる屋上庭園」
何が「ってことで」なのかは私には全く分からなかったけど、とりあえず『はぁ、なるほど』とだけ答えた。
だいたい、この間の「ゆっくしっかり」発言からしても意味が分からないし。なにその言葉。流行ってるの?意味わからない。そもそもどうしてこの人が私に関わってくるのかが皆目検討つかない。そんなことを思いつつも、庭園の花に目をやる。
「花は好きかい?」
『……普通です』
「そう」
あっさりと答えた彼がなんとなく寂しそうな顔をした気がした。気のせいだと思うけど。正直な話、花は別にそこまで興味を持っているわけじゃない。だけど。
『だけど、ここまで綺麗に育ててるのは、その、すごいと思う、です。あのさ、えっと、花って手間暇かけて、たくさん大変なことあったりしてやっと咲くから、さ。気持ちがこもってるから、素敵な花が咲くんだろうし』
私は高確率で枯らしそうだし、と付け足す前に見えたのはやけに目を見開いた幸村君。
『え、あの、あー、すいません。別にゴマすってるわけじゃ』
「うん。……やっぱり、俺は間違ってないみたいだ」
『いや、その、会話がずれてるんですが……』
何でもないよ、なんて微笑みながら私の手を引く幸村精市君は、あまりにも幸せそうにも見えた。
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幸村誕生日おめでとう\(^o^)/
04
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