「遥!」
近くまで行き、たいが君を下ろすとすぐに遥に駆け寄った。
『良かった…ごめんね、たいが君』
ぎゅーっと小さなたいが君を遥が抱き締める。
火は鎮火され、軽傷の人は数人出たものの大事にはならなかった。
「良かったな、遥。今度ははぐれんなよ」
二人の頭を撫でて 戻ろうとした時
防火服の裾を掴まれた。
「たいが!ありがと!」
小さなたいが君が笑顔を向けた。
『た、大我くん…ありがとう』
自分に向けられたものだと分かって恥ずかしくなった。
じゃあな、と走る。
いつも以上に身体が熱いのは
気のせいじゃなかった。
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