※とても中途半端…かもしれません(何)







おんなじソファでのんびりゴロゴロ。

俺にとって、こんなに幸せな事は無い



たとえ隣の新一が
くだらなさそうにテレビを見て

俺が全く視界に入っていなくても

それは俺なりの幸せなのだ






「……………」





とは言っても



やっぱり無視されれば
ちょっかいを出したくなるのは男の性で



無意識に指が新一の柔らかい頬へと伸びる




「…………」



ぷにぷに




「…………」



ぷにぷに




「…………」



ぷにぷ


「だああっ!!何だようっせーな!」





三度目の突撃で
ようやく反応してくれた新一に顔が緩む



鬱陶しそうに見つめる顔も可愛い




でも指が動くままにちょっかいを出したから

何か用か、と問われれば
得に何も、と応えるしかない。



けれどそんな事を言えば

この短気な恋人が更に不機嫌になるのは目に見えていて。



うーん、と首を傾げる





「あ、そうだ」




浮かんだのは
意外に暇を潰せて
単純かつ頭も使う遊び




「ね、新一!しりとりしよう!」



そう



最後の文字を繋げていく例のアレだ




「……は?」


「だから、しーりーとーり!!」


「それは聞こえてんだよ!
何でしりとりなんだって聞いてんだ!」



ガキか!と理不尽に頭を殴られても屈しない



この黒羽快斗



やると決めた事はやる
有言実行男なんだから





「一人でやってろ」


そう言ってチャンネルに手を伸ばす新一の横顔を見ながら

どうやったら彼をその気にさせるか思案する



新一のようなツンツン俺様タイプには
泣きつく手段は効果が薄い




今までの経験を思い返せば

泣きつけば無視され
明るく誘えば無視された




要はどちらも無視されてる訳だ



一人でくじけそうになりつつ
新一に1番効きそうなテを打つ




「…へぇ、新一
逃げるんだ?」


「…………」



予想通り


ピクリと眉毛が動いたのを見逃さない



プライドの高い新一の様なタイプを引っ掛けるのに

1番効果的なのは『挑発』




「あーあ
新一に勝とうと思ったのに不戦勝かぁ」


「……………」

「まぁしりとりと言えど、
IQ400の奴から勝負持ち掛けられたら恐いよねぇ?」


「…上等じゃねぇか」



(よし!!)



見上げる不機嫌そうな顔を見てニヤリと笑う



たかがしりとり


されどしりとり




子供じみた遊びの方が

普段事件で頭を使っている新一にはちょうど良さそうだし。

自分も小学生以来の久々のしりとりに
何だか楽しくなった



「じゃあまずはやっぱりー…しりとり!」

「リャド」



と思ったら
初っ端から出鼻をくじかれた



「と…都市名はちょっと」

「何だよ、やんねーぞ」

「嘘です何でもないですはい」



新一の機嫌を損ねないためなら

ローマからニューカッスルまでOKにしなければならない



「じゃあドーナツ」


「鶴岡」


「ちょ、誰それ!?」


「俺のクラスメイトだよ」


「……………」




当然のように言い切る新一は
明らかにまともに取り合ってくれてないけれど


ぶすっと唇を尖らす様が
犯罪級に可愛いので良しとしよう





「かー、か…
あ!怪盗!」


「鬱陶しい」



「ちょっと!それ繋げたら
”怪盗鬱陶しい”
になるじゃん!
明らかに嫌味じゃん!」




絶対わざとだろ!と抗議すれば

新一の仏頂面がくしゃりと崩れた



その子供の様な笑顔に
ついつい抗議の声が萎んでしまうのは、
惚れた弱味と言う奴だろうか

「しりとりなんだから良いじゃねーか
ほら、イだぞ」


「もー…”イ”ねぇ…んー…イタチ!」


「血」


「生々しい!新一が言うと生々しいから!
…あと一文字ってズルくない?」



「っせーな!ち、だからオッケーだろ?
細けー事気にしてんじゃねぇよ」


「…いや、まぁ…はい」




二回目になるが
新一の機嫌を損ねないためなら


一文字だろうが多少生々しかろうが
OKにしなければならないのだ



「またチかぁ。
んー…じゃあ

チュウ!」




我ながら良い言葉を思いついた、と思いながら

すかさず新一の頬にキスする




「…なっ…何すんだよ!!」

「不意打ち〜v」




真っ赤になる新一


これは中々良いかもしれない




(そうだ…もし”み”が来たら……)






快斗の唇がニヤリと歪んだ



それに気づかず、
赤くなった顔を無視して真剣に考える新一


どうやらそろそろ楽しくなってきたらしい





「ったく……う?
…うー…浮輪」

「ワニ」

「んじゃ、肉」

「クマ」

「まぬけ」

「化粧」

「また”う”かよ…

…っていうかお前すげぇスピードアップしてねぇか?」

「そーお?」




新一が驚くのも無理は無い


あることを閃いてからというもの
俺の応える間隔は1秒以下になっている

異常ににこにこしている俺を怪訝な目で見た新一も

また天井を見て考え出した




「うー……海?」




きた!と




「みみ!!」




”み”が来たらしようと思っていた
「耳にキス大作戦」を決行する



「あ…!バッ!!」



案の定油断していた新一は

俺の突然のウィークポイントへの攻撃を防ぎきれない



「…ッばっ、ろ…!んっ!」



身体をピクリと震わせる新一に
気をよくした俺は

キスを止め耳に軽く甘噛みする



つぅ…と尖らせた舌で周りをなぞると

甘い声と共に押し返す腕の力が弱まった



「っ…!離せっ!」




なんて言っても、
切羽詰まったその声と
敏感な耳への愛撫で蕩け始めた表情は

「やめないで」
と言っているようにしか見えない




「だーめ、新一もこんなんなってるし」

「っ!」



ズボン越しに柔らかく握ったソレは


ほんの少し耳をイジめただと言うのに膨らんでいた

あまりにも可愛らしいその姿に
完全にスイッチが入った俺は

ズボンを降ろしながら優しく耳元で新一を昂める

「下着濡れちゃいそうだね、どうする新一?」


「バッ…ンな…き…くな!」



下着越しにやわやわと亀頭を揉みこみながら聞くと
頬にサッと朱が差す



何度行為を重ねても
新一は初々しい反応をして可愛さは尽きない




「ごめんごめん、いじめたくなっちゃって」



困り顔を真っ赤にした新一に笑いながら謝罪し
もぞもぞと下に移動した




「新一は脱がせた方が気持ちいいもんね?」



「うっ…せーな…っ!ぅあっ!」




新一が怒り出すより先に下着を降ろし

いきなり快感の源にむしゃぶりつく



「あっ!!あ…ッや!」



布越しの愛撫から
直接舐められる刺激に悶えた新一に、
ゆるく髪を掴まれる。


徐々に口内で質量を増す果実を舌でくすぐりながら

裏筋をなぞり、弱いカリを舐めまわす



ときどき先端をちゅうっと吸い上げると

堪らないと言ったように頭を振る姿が愛しい



「〜〜〜…っ!」




視線だけ上を向くと
薄く快感の涙膜を張った瞳とぶつかった



恥ずかしいのか、新一は
口をしっかりと片手で覆ったまま俺を見下ろす



くわえ込むのを止め

見せつけるように硬くした舌先で裏筋を抉るように擦ると

髪の毛を掴んでいた手に力がこもる




「っ…かいとッ…やぁっ、ぁ、あっ!」




一際甘い声を上げるカリ首を小刻みに擦りつけた



先端から溢れる蜜が一気に増し、舌に絡みつく
うわごとの様に俺の名前を呼ぶ新一が可愛くて
いつまでもこうしてたいけど


そろそろオレの下半身が限界




そっとサイドテーブルから潤滑剤を取り出した




くちゅくちゅと音を立てて新一を扱き上げながら


そっと滑りの良くなった指を
内腿へと挿し入れる




「んっ!」




何度しても
あまり良い物ではないこの瞬間的な異物感に

新一は少しだけ顔を歪めた




しかしその異物感の奥にある快感を知っているから

蕾は少しずつ緩んで綻び始めるのだ




「ん…ん、ふ……っ」



狭い中は熱くて溶けそうで

本当にもぐもぐと指を飲み込んでいるみたい




少しでも快感を高めるために
同時にとろとろのモノを擦り上げる。




「あっ、くっ…あ、あッ!!!」




ふと
感触の違う場所を指が掠めた時

新一の腰と甘い声が一際跳ねた




「ん、ココ?」


「ぁ、やぁあッ!ひッ!ん!」




指先で捉えた前立腺を
ゆるゆると擦ってやる


指を増やして前立腺を挟みこみ
くるくると回すように弄ると


コリコリしたその場所が
どうかなるくらい気持ち良いからか、

新一はいやいやをするように頭を横に振る




凶悪なくらい、可愛い





「んッ!は、ぁあっ…!かいっ…ぁ、も…むりっ…!」





いつもの強気な瞳ではなく

快感に捕われた欲情の瞳に懇願され
自身は痛みすら訴えてきた




「ん…俺も、もうムリ」



指をゆっくりと引き抜き、新一に覆いかぶさる



一瞬新一の不安そうな顔が見えて、
唇に軽くキスをする



「もっと気持ち良くしたげるね」



少し汗ばんだ顔で微笑むと

カッと可愛い顔が燃えて、勢いよく逸らされた



「だ、誰もそんなこと…っ!」



この期に及んで強がるところが
新一らしくて大好きだ



頭を抱き寄せて、グッと身体を密着させる




その瞬間、近づいた新一の唇が
耳元で小さく呟いたから

俺はもう一度口づけた
















「……お前がしりとりしたいって言ったくせに…」




結局若さに身を任せて三回も励んだ故に


すっかり疲労した二人が頼んだ出前が届いた後



新一がボソリと漏らした





「だって新一が可愛いんだもん!」


「黙って運べ変態コソ泥ヘタレ乙女野郎が」


「…その羅列ひどくない?」



顔をテレビに向けたままの新一に
落ち込みながら蕎麦を運ぶ



しかし先程の囁きで

快斗は何度でも復活できる




「ねえ新一?さっきの言葉もういっかい言って?」




ほら、挿れる前の、と朗らかに言うと

新一の口からお茶が飛び出しそうになった





「ッバーロ!食事前に何言ってんだ!」


「いいじゃん!ね?
言ってくれるまでお蕎麦食べさせねぇから!」


「あ!テメッ、どこやりやがった!」




ぽんっと音を立てて蕎麦を消すと


新一は観念したように
小さく小さく呟き始める









「…離れんなよ、”快斗”」






拗ねた子供みたいな新一



その可愛い命令に
続ける”しりとり”は一つだけ


さっきと同じ様に
恥ずかしそうに目を反らす新一に

快斗は満面の笑みで言った








「”当然”!!」









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9000hitキリリク
「しりとり快新(にゃんにゃん有)」でした!

華南様ありがとうございます!)^o^(


しりとりなんだから最後は「ん」で終わろう終わろう…と思って書いてたら

無意識に最後が「ん」になってた快新ミラクル

新ちゃんは捻くれたしりとりをしそうだな…という偏見です

華南様楽しいリクエストありがとうございました!



うめこうめ
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