「フフ…フフフ…」
お察しの通り
その日の黒羽快斗はすこぶる機嫌が良かった
本日、スターサファイアなる宝石の下見日なり
予告状はとうに中森警部に伝わっているだろう
さらには依頼人の手によって毛利迷探偵へ、
そしてそこに居る――
「工藤新一も、見てんだろーなぁv」
今は事情があって小さくなっている彼
俺と対等に張りあえる
数少ない好敵手の一人だ
「怪盗キッド」としては
1番良く話し、
行動する人物かもしれない
(じーちゃんを除けば、だけどな)
「〜〜♪」
ドライヤーをかけながらニヤニヤしてまう
あのいつも冷静に、
しかもサディスティックに追いつめてくる彼の
驚く顔が目に浮かぶからだ
(ぜってー驚くぞ!"コイツ"!)
なんたって今回の変装の目的は
動きやすい云々以前に
彼の驚く顔が見たい
という方が大きいくらいだ
(叫びだすかなー?
ビックリしすぎて声も出ねーかなー?)
それから
フフ…フフ…と笑いながら
ひたすら鏡の前で
「真実はいつも〜」
とか
「推理に勝ち負けなんて…」だとか
ブツブツ言っている姿は
寺井を心配させるには充分だったそうだ
○
(…きた、来た、キタ…!)
ビルの薄暗い廊下で
彼はまたもや頬を緩ませていた
しかしそれも一瞬のこと
「入りたまえ」と
馴染みのある声がかけられると
きりっとご自慢の
ポーカーフェイスを張り付ける
一回浅く深呼吸
光が漏れだす部屋まで
あと三歩
(Three…)
ふかふかのカーペットが足音を吸収する
(Two…)
マスクをつけていない肌を空気が撫でる
(One…!)
――さぁ驚け?名探偵
そうして悪戯好きな怪盗は
明るい室内に足を踏み入れ
余裕たっぷりに言ってやったのだ
「どうも、工藤新一です」
===================
絶対こんなことしてた
と思うのは私だけですか
あの「怪盗キッドだ!」発言後のコナンを見る顔!
してやったり顔!
そんだけで妄想出来たよどうしよう!
うめこうめ