静まり返った教室内




何故か?






それは今が5限目だと伝えれば解ってもらえるだろうか




お腹も満たされ、陽射しもうららかな時刻




そう、生徒の大半が睡魔に誘われて
夢の世界へ旅立つ時間だ



そんな中、俺は熱心に携帯に向かっていた









(コナンちゃんは今
何の授業なの?…っと!)




ちゃんと可愛いらしく絵文字も付けて送信すると
江古田から帝丹小へと電波が飛ぶ


あちらでも同じように
俺の為に携帯に向かってるコナンが居る
と思うとにやけてしまう


子守唄のような古典の教師の声が耳をすり抜けていく



窓に目を向けると快晴で

この空もコナンと繋がってるんだなぁと思えば、やっぱりまたにやけてしまう




(あ、きたきた!)




ポケットが小さく震え、受信を知らせた


パチリと小気味よい音がして開く







”国語”






たったその2文字の言葉だが、俺は歓喜に奮えた



と言うのも、この様に返信してくれる事自体
コナンにとって数少ない事だからだ



さっそく返信を打ち込む





【俺も国語…っていうか古典だよ!
っても、周りほとんど寝てんだけどね笑】



返事がくる






”へぇ”







気にせず打つ







【俺もちょっと眠いけど、
コナンちゃんからのメールで眠気覚めたよv】






また返事がくる








”うぜぇ”








めげずに打つ






【今日の放課後迎えに行くから、夜ご飯でも食いに行かねぇ?】






返事がくる








”行かねぇ”









ここでめげた








(うう…強い…)



絵文字も顔文字も一切無し

10文字あったら奇跡だろうなと思わせる程の短文



誰がどう見ても一方通行なやり取りな事は明らかだった

しかもさりげなくデートも断わられたし。



机に突っ伏して長く息を吐く



そりゃコナンらしさはひしひしと感じるが

ちょっとくらい恋人らしく、
”好きだよ”とか”俺も”とか…

そんな甘いメールだってしたいじゃん!



ダンッと机を打ち付けると
教師と何人かの起きてる生徒の注目を浴びた






















(…また来やがった…)



所変わって帝丹小学校



光彦が音読をしているのを聞きながら、ブルブルと震えた携帯を開く


他愛のない言葉に、デートの誘い


今日はおっちゃん達と三人で外食する予定だから、とも書かず

ただ”行かない”と書いただけ。




我ながら不器用だなとは思いつつ、メールを開く



ディスプレイには泣き顔の絵文字と共に

【俺とのメールきらい?】

と表示されていた



はあっとため息をつく


アイツが江古田で、どんな顔をしているか大体解るから。



そもそも落ち込むならメールしてこなきゃ良いのによ、
なんて小さくぼやきながら思案する


顔が赤いわよと灰原に指摘され、うるせーとぶっきらぼうに言った




しばらく考えた後
また短い文章を打ち込んで送る






「じゃあ次は江戸川君読んでくれる?」



「はぁーい」




子供らしく返事をして

平仮名ばかりの文章を読み始めた




















「何…これ?」



一方江古田で首を傾げていたのは快斗



てっきり”ああ”とか
”当たり前だろ”だとか


そういった類の返事だと思ってたのに





実際は全く異なるモノだった






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14:35

受取:江戸川コナン
件名:Re
添付:なし


本文:fbg゛





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(えふびーじー濁点…?)




不器用な恋人を持った快斗は


古典より解りづらいその意味を解いた時

嬉しさのあまりもう一度机を強く叩いて
再び皆の注目を浴びたとか。


























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高校生かっぷるが
授業中にメールやり取りしてるのって可愛い^^
江戸川は小学生だけどね!



fbg゛は私の携帯だけかもしれませんが
”好きだ”をアルファベットのまま打つとそうなります^ω^つんでれだよ!




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