プロポーズ




元々は「提案する」「申し込む」という意味で


日本では俗に
結婚の申し込みを指す






そんな辞書のような解説を、脳内でして数十秒



ようやく思考回路が繋がった







「――えっ!?」




人間の首ってこんなに早く回るんだな


と思うくらいの勢いで快斗を見ても



柔らかい笑顔は、
笑顔なのにやっぱりいつになく真剣で


驚きと感動とでパニックになる




「な、だ、て、オメー」



全身が熱い


胃の裏側の1番深い所にも、
何か熱い物が込み上げてる気がする




そんな俺を楽しそうに見ながら

白い歯を浮かべて快斗は言った





「歳だってまだだし、性別の壁だってあるけど

俺はずっと新一に傍に居て欲しいんだよ」





駄目?と首を傾げる仕種は何だか子供っぽくて



目の前の人物は快斗なんだと
当たり前の事を再確認する



それくらい混乱していた





それでもこの気持ちはちゃんと伝えたくて


壊れたラジオのように
ゆっくりと小さく呟く






「……だ、駄目じゃねぇ」
普段の事件現場での饒舌さはどこへ行ってしまったんだろう




もっと何か言いたいのに



けれど人間
嬉し過ぎたりすると

何も言えなくなってしまうのかもしれない







「…ほんと?」




「……………」





自分で聞いたくせに
きょとんと瞳を丸めた快斗が尋ねてきたから


首を小さく縦に振る







「ホントにホント?」




もう一度



今度はしっかりと

一度だけ振って言った






「……俺ので、良いんならな」






暗闇でも、自分じゃ見えなくても解る



今、俺の顔は

かつて無い程赤いんだろう





恐る恐る快斗をうかがうと

しばらく固まった後
大きく息を吐き出した






「――良かったぁ…」





身体中の力を抜くように

黒い空に向かって息を抜く




その姿を見て

コイツがポーカーフェイスの下で
どれだけ緊張してたかが解った




不思議なくらい冷静に見えたのに。





やはりこういう所が快斗らしい







「あ、何笑ってんだよ新一!」



「悪ぃ悪ぃ…
何か、お前も緊張してたんだなと思ってさ」




そう笑うと、目の前の顔が少し拗ねた










「当たり前だろ?
断られたら立ち直れそうにもないし…」




珍しく弱気な快斗が新鮮で、
また嬉しくもあった





「…快斗」



「ん?」





良かったぁ、としゃがみ込んだ肩をトントンと叩く





「もういっこ、プレゼントやるよ」



「――――っ!」





反射的に上を向いた顔の、唇に一瞬口づける




今日だけの大サービスだ







「…新一ぃ!」



「さーて、んじゃ帰るかー」






全力で跳びついてくる快斗を無視して
来た道を歩き始める





きっと今顔を見たら

発狂しそうなくらいの恥ずかしさに襲われるだろう








「あ、そうだ」





慌てて追いかけてくる快斗が

後ろで何か思い出したように呟いた



足を止めて振り返る











「今度、新一の指のサイズ教えてねv」




「……っ!」










これからも甘い生活を送るであろう二人を祝うように



あの日と何も変わらない

鐘の音が一つ響いた




















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ハッピーバースデー快斗\^0^/!!




もう結婚すれば良いよ。心内結婚。なにそれ


これからも幸せに生きていって欲しいです^ω^




お目通しありがとうございました*°






うめこうめ
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