せっかくだから彼らを追ってみることにした。そろそろ他の場所も見回らなければいけないからね。断じてストーカーなどではない。

「はるちゃんまこちゃん!トリックオアトリート!」
おお…すごいな…私が一年生の頃はそんな簡単に上級生の教室に乗り込むとか出来なかったのにな…
「やっぱり来たか」
彼らが来る事は簡単に予想出来たらしい。あっさりポケットからお菓子が出てきた。
「さっすがまこちゃん!」
まこちゃんと呼ばれた彼はあとの一年生二人にも同じようにお菓子を渡していた。定番のやり取りであるトリックオアトリートは聞こえない。
「あ、かわいい!ちゃんとハロウィンの柄なんですね!」
「あれ、ホントだー!」
「気付いてなかったんですか渚くん…」
なぎさくん食い意地張ってるな…中身にしか興味ないのか。
「弟たちがたくさん買ってきたみたいで」
「じゃあまこちゃん家今日はパーティーとかするの?」
「パーティーはしないけど…そういえば母さんが今日はかぼちゃ料理にするって言ってたな」
「いいなー…うちもそういう平和なハロウィンだったらいいのに」
「渚くんもしかして昔ハロウィンに乗じてお姉さんに無理矢理仮装させられたりしたんですか」
「よく分かったねれいちゃん!いつもは全然違う予想とかするのに」
「大体分かりますよ」
身内ネタはよく分からんな、と思っていたらスピーカーからチャイムが鳴りだした。思ったより面白い事は起こらなかったけどまあいい暇潰しにはなったかな、と自分の教室に向かって歩きだした。





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