「うわ、これ懐かしい…」

年末だからと普段手をつけないところまで掃除をしたはいいものの、物をしまうスペースが無く、押し入れの中も整理しようと中の物を出してみれば小学生の時に着ていた服が出てきた。

「なんか捨てるのもったいないなあ…」

確か中学時代にも同じ事を思ってここにしまったのだと思い出した。

「うーん…」

暫く考えた結果、結局こうしてまた数年後に悩む事になるなら捨ててしまった方がいいだろうと思い切って捨てる事に決め下の階に袋を取りにいく事にした。


袋を持って部屋に戻ると携帯電話がメールの着信を知らせていた。

「真琴先輩?」

メールには、江ちゃんも来る?と一文があって画像が添付されていた。そこには真琴先輩以外の部員の面々と真琴先輩の妹弟が写っていた。
遙先輩と怜くんはゲームのコントローラーを持っていることからゲーム中だという事が分かる。渚くんは蓮くん蘭ちゃんとジェンガをしているようだ。
蓮くんと蘭ちゃんとは大会の時に顔を合わせて以来会っていないから久しぶりに顔を見た。

「ん?あ、そっか!」

どういう状況ですか?と打ち掛けたメールを消しカメラモードにして足下に広がるそれを撮り再びメール画面を開く。
蘭ちゃんこういう服好きですか?と打って先程撮ったものを添付して返信。
数分後に返ってきたメールには好きだって、とあった。それに、じゃあこれいります?と返信。
その後も、「くれるの?」「お下がりになりますけど良ければ」「ありがとう」「じゃあこれ持って行きますね」とやり取りが続きそうして真琴先輩の家にお邪魔することになった。

「掃除は…帰ってきてからかな」

留守にしている間に親がこの部屋を見たらきっと帰宅した途端、何なのあの部屋と指摘されるに違いないと思いながら服を紙袋に詰め、外に出る準備をした。




年末大掃除の末

2013/07/26



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