8時。お気に入りの目覚まし時計に起こして貰い、隣で眠る翔ちゃんの顔を見てベッドから出る。
翔ちゃんは昨日、遅くまで仕事だった。帰ってくるのは日付を越えた後になると聞いていた。何時に帰ってきたのかは分からないけれど起こすわけにはいかない。
本当は一日一緒に居たかったけれど。行ってらっしゃいって言ってもらいたかったけれど。
スケジュール帳を開いて今日の予定を確認する。
帰って来られるのは明日だった。

ベッドルームを出て、トイレや洗面所、それから自分の部屋に寄ってからリビングに行く。昨日帰りがけに買った新発売のパンは確かテーブルに置きっぱなしだったはず、とドアを開けまず目に飛び込んできたのはパンではなく可愛らしい袋だった。翔ちゃんのかな、と手に取ってみれば袋があったところに那月へ、と書かれたメモがあった。


直接渡せそうにないから置いとく。誕生日おめでとう


「翔ちゃん…」

嬉しいなあ、と思いながら袋を開ければ袋の可愛さから想像した通りの期待を裏切らない小物が色々と入っていた。

「ふふっ僕も用意してるんですよ?」

部屋に隠しておいたそれをテーブルの上に乗せて別の机にあったメモ帳を取って手元に置いた。
メッセージはパンを食べながら考えよう、とパンのパッケージを開けた。

おめでとうとありがとうをたくさん込めたメッセージにしたいなあ、と朝からたくさん頭を動かした。




Happy Birthday to you & me!!

2013/06/09



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