5限にスイッチ、6限にヒメコがいなかった。具合でも悪くなったんだろうか。
とりあえず荷物を部室に置いてから保健室を覗きに行くことにした。




部室のドアをガラガラと開ける。
「え」
室内は折り紙で飾られていた。保育園の時に見たような、そんな光景が広がっていた。
色がついたティッシュみたいな薄い紙を重ねて造った定番のあの花とか、折り紙を切って輪っかにして繋げたアレとか。
あとは暇な時によく作ってた折り紙の作品もところどころに置いてあった。

「あー!ボッスン!」
誰もいないのかと思えば、廊下から声を掛けられた。

「すれ違いになってもーたんやなあ…せっかく脅かそうとしたのになあ」
『空気読んで出てってくれれば良かったんだがな』
「せや、はいこれ」
何から口に出したらいいか考えていたら、ヒメコに何か渡された。

「何コレ」
「何って見たら分かるやろ!」
渡されたそれは、どう見てもただの紙くずにしか見えなかった。いやホントに何なんだこれ。

「…テストの答案か?」
「なんでや!どう見てもケーキやん!」
「どこがだよ!」
「ここにイチゴも乗っとるやろ!」
白い丸まった紙に赤の丸まった紙が乗っかっているのはなんとなく分かった。
「つーか、なんで本物じゃなくて紙なの」
『今日は折り紙の日だからな。因みにオレも折り紙ケーキ作ったぞ』
「おお、フツーにケーキだ!つか折り紙の日ってなんだよ!」
『ggrks』
「教えてくんねーのかよ」

『まあオレは11日といったら中野梓の誕生日だと思うがな』
「知らねーよ!」
『ジャンプでいえば、ゾロ、自来也、ノイトラ、古市だ』

スイッチが語りだしたのをスルーしてテレビゲームの電源を付けた。
今日も依頼はくる気配がなさそうだ。



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