「ハル」
「なあに、リョウちゃん」

ソファーに座ってテレビを見ていたら後ろからリョウちゃんがひょっこり顔を出した。
髪、暑くねえか?と髪を横に流され首に腕を回される。

「そうされる方が暑いよ」
「ちょっと目瞑って」
「何?」
「いいから」
「変なことしたら怒るよ?」
「しねえっつーの」
ほら、と促されて大人しく目を閉じる。
テレビの音に混ざって、ジャラっと音がした。
その後に少し首が擽ったくなってひんやりとした感触。

「目開けていいぜ」
首にはネックレスがあった。
「どうだ?」
「いきなりどうしたの?」
「いや、なんていうか…妊娠記念?」
「嬉しいけど、そんなのいいのに」
節約しなきゃ、そう続けようとすれば、リョウちゃんの胸元にも同じものが光っているのに気付いた。

「ペアなんだぜ!あんまり高いのじゃないけど…」
少し照れたような、申し訳なく思ってるような、嬉しいような複雑な表情で笑った。

「いつか子供達が大きくなった時にさ、お前達が生まれた証なんだぞ、これ。ってプレゼントしようぜ」
そう言ってお腹に当てられた手のひらはとても暖かくて、ああ幸せだなと思った。



2012.11.22



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