Vと幼女
僕の太ももあたりに、ぎゅうっと抱きつく小さな女の子。ぱっちりとした瞳に、子供特有のふっくらとした手やほんのりと紅潮した頬。どこをとっても可愛らしいこの女の子なまえは、僕の大事な友達である遊馬の従妹にあたる。
初めて出会った時はずっと遊馬の背中に隠れて、僕をジッと見つめていただけだったけど、回数を重ねるごとに僕にも笑顔を見せてくれるようになった。今では、遊びに来て帰る時間になる度にまだ帰りたくないと駄々をこねるくらいだ。僕も僕で、兄弟の中で末っ子だからずっと弟や妹に憧れていたせいか、どうしてもなまえに甘くなってしまう。
まあ、今はそれは置いておこう。


「なまえ、なまえ」
「……なあに、みはえる」
「もう約束の時間だよ」
「む…やだ!まだかえらないもん、みはえるといっしょにいる!」


と、こんな感じだ。
普段はとっても素直で、約束ごとはきちんと守るし、正直言って遊馬よりもしっかりしている。けど、うーん、嬉しいって思っていいのかわからないけど、僕とお別れするときは大抵嫌がって僕にくっついてくる。そのままお泊りコース、なんてのもよくあることだ。
僕は当然構わないけれど(多分父様や兄様も全然気にしない)、遊馬のお姉さんやお婆さんに心配をかけてしまうことは良くないこと。なまえも、そのことについてはよくわかってるはずなんだけど…。


「みはえるは、いやなの?」
「そんなわけないよ。…うん、わかった。父様と、あとなまえの家族にも聞かなくちゃね。またお泊りしていいですかって」
「!ほんと?やったぁ!」
「まだ泊まれるって決まったわけじゃないったら」
「みはえるといっしょー!」


ああもう、可愛いなぁ。
僕はまだ僕の太ももにくっついていたなまえを優しく抱き上げて、父様の元へ向かった。

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