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魔女の森任務27


◆任務2日目

  アラベスクタウン東


あちらに見えるのが、フードの人物です。

アラベスクで何をしていたんだ?

特に何もしていません。
アラベスクの隅々まで歩き回っていました。

……何がしたいんだ。

み、見回りみたいだね。

……声をかけてみるか。

えっ、あ、うん……!







ちょっとよろしいですか?

……。

ガラル軍です。
あなた、ここで何をしていらっしゃる?

……。

応えてください。
ここでお話ししにくいなら、近くの軍施設にでも場所を移しますか?

……。(フードをとる)

……。

……イーリス?

……身分証を確認します。

……。(取り出して見せる)

観光ですか?

……。(頷く)

おひとりで?(尾行され)

……。(首を振る)

連れは、はぐれたんですか?

……。(頷く)

一緒に捜しますよ。

……。(首を振る)

そうですか。
必要であれば、付近の軍施設に声掛けください。
夜も遅いので、出歩くのも程々に。
それでは。

……。(立ち去る)

……。
……ゼロイチ君。

敬称はいりません。

先程のフードの人物はこれ以上詮索しないでくれ。

何故ですか?

あれは同業者だ。
というか、第四部隊の隊員だ。

そ、そうだったんだ……!

ああ、だから仕事の邪魔をすべきではない。
私が確認した、そういうことだとジャックに伝えてくれるか?

お伝えはします。

さっきの会話、観光で来て友人かとはぐれたみたいな会話だったけど……

詳しくは言えないが、仕事中かどうか確認するための会話だったんだ。

え、そうなの?

盗聴されてるとまともに話ができないから、第四部隊用の会話の流れが作られてるんだよ。
よく知ってる子だったから、仕事にトラブルが無いかだけでも確認しておこうと思ってね。

そう、なんだ……第四部隊は未知の世界だ……

お前も入ってみれば分かるよ。
入らない?

……お、俺はこの背ですごく目立つし……秘匿性の高い仕事には向かないと思う……

あははっ、それは確かにあるかも。
ひと目でお前って分かるだろうな。

うん。

順調に仕事をこなしているようだったし、心配いらないな。
よし、私たちもトウヤとデッドラッドの方へ向かおう。

了解。

ゼロイチ君、案内頼むよ。

敬称はいりません。
了解しました。

  




  ナックルシティ北 ヨノワール邸内


人か?

どうかしたか?

……いや……。
……ああ、正しくは、魂が見える。

……ヨノワールか。

……分かんね。
ただ、量が多いぞ。

量?

パッと見、10以上はある。

……。
人の気配は感じるが、物音はしない。
十数人の人間がいるなら何か物音がしてもいいはずだ。

ああ、さっきから物音1つしねぇ。
こっちに気付いて身を潜めてんのか、それとも……

それとも?

肉体が無い、ただの魂か、だ。

……。

……ヨノワールが魂を操作できるなら、取り出した魂が保管されてる可能性もあるな。

まだヨノワールと決まったわけじゃない。
他にもそんな力を持っているやつがいるかもしれん、気を付けろ。

ああ。とりあえず、その魂がある部屋へ行ってみっか。




こりゃやべえな。

ああ、やばいな。
棚一面に心臓や脳ミソの入ったビンが並べられてる。
……ここの棚のビンは空なのか?

いんや、ここにゃ魂が入ってる。

……。
……俺には見えない。

にゃははっ、そうガッカリすんなって!

本当に空に見える。
……ただ、結構違和感がある。
人の存在というか……

肉体が無いだけだ。
お前だって、体は容器で、本体が魂だ。
人間の本体がここに集められてる。
人を感じるのも当然だ。

……集めて何をするつもりだ。

さーな。
抜き取れるなら他のモノに入れられるんだろ。
それで誘拐された子供は別の人間の魂を入れられた。
ってこたぁ、ここにあるもんも、誰かからか抜き取って、これから何かに入れるつもりなんじゃねぇの?

何のために。

イカレ野郎の考えなんか分かるかよ〜。
価値があるから抜き取って保存しようっつっても、魂が見えるヤツにしかその価値の有無なんて判断つかねぇだろうし。
ああでも、お前の鋼を創る力が、お前の魂を抜き取って入れることで奪えるってんなら、そういう手段をとることも考えられるかもな。

……。
なるほど。

そうそう魂に合う器が見つかるとも思えねぇけど。
……案外お前の魂がその辺のポッポにでも適合したら面白そうだけどな。

アーマーガアの能力を持ったポッポ?

ギャハハッ!ウケる!
ポッポ界隈でモテそう!

ふっ。
……気を抜くなよ、ここは敵の腹の中だからな。

ほいほい。
……なんか動いた。(構える)

ここに来るか?(盾と剣を構える)

……来ると思う。
ヨノワールかどうか分からんけど。

手下なら、ヨノワールに伝達される前に拘束したい。
ヨノワールに気付かれれば、逃げられるかもしれん。

おう、とりあえず、声ひとつ上げさせずに落としゃいいんだな?

そういうことだ。







コイツ、ガキンチョの言ってた、全身をベールで覆ったヤツ?

……それっぽく見えるな。

……どう見ても、子供だよな。

ああ。

……。
こいつも魂無理やり入れられたんかな。

俺には分からん。

……そりゃそうだ。
まあいいや、気にしたって仕方ね。

……ああ。(頭撫で)

んー、やめろォ。

念の為、子供はこのまま拘束しておく。
別の部屋に行ってみよう。

んあ〜。

  




  ナックルシティ北 ヨノワール邸内


ジャックのところの。

ゼロロクです!
イーリスさんとキーウェンさんですね!

ああ。

あちらに見えるのが、ヨノワール邸になります!
これから入られますか?

そうだな。
トウヤたちの後を追おう。

ストップ。


……ジャックか。
どうした、軍に戻ったんじゃなかったのか?

戻りましたよ?
戻って早々、うちの隊長に跳ね返されまして。


どういうことだ?

お嬢を中に入れるなって命令されましてね。

は?

命令なんで、あんたを中に入れたら俺が怒られるんで、中に入らないでもらえます?

いやいや、なんでナンバーにそんなこと言われなきゃならないんだ。

いえいえ、言われたのは俺ですよ。
あんたは何も言われてないんで自由にすればいいんですけど、入られると俺が困っちゃうんで、どうですか、俺のために中に入らないでもらえませんか?
……あ、お前は対象じゃないからさっさと入れよ。

え、えぇぇ……

……なんでナンバーはそんなことを……

なんか、中は危険だから、だとか?
ヨノワールは結構危険らしいですよ?
うちの隊長も普段より真面目な雰囲気で言ってたんで、本当に危険なんでしょ。
もっと行動隊として慣れてから臨むべき案件だと。

……。
帰って「君に心配される筋合いはない」と伝えてくれるか?

……で、入らないでもらえるんです?

……約束はできないな。

じゃあこちらもその話は聞けないですねぇ。

私も入る。

止めます。

力ずくで

止める。

……仕事の邪魔をしないでくれ。

俺も仕事なんで。

なんでそんな仕事引き受けたんだ。

断る理由もないでしょ。

無いか?

俺は思い浮かびませんでしたけど。

私が入らないわけにはいかないだろう。
……キーウェン、手伝ってくれるか?

……お、俺は……

イーリスが入ったら、死ぬと思うよ?

……!

止めろと言ったのは、イーリスに対してだけだ。
それは何故か。
他のやつが死んだってナンバーにとってはどうでもいいからだ。

……なんで私なんだよ。

気に入られてるから。

マジでわけが分からんぞ。

分からなくてもいいけど、とりあえず俺はあんたに入ってほしくないんで止めますね。
さ、お前はどうぞ、中へ。

キーウェン、手伝ってくれ。

い、イーリス……ちょっとだけ待っててくれる?


キーウェン……

ご、ごめん!
ナンバーの考えは理解できないこともあるけど、仕事上の判断は信用してる。
万が一にもイーリスが死ぬなんて俺は嫌なんだ。だから……

お前な……私は信用ならんか。

し、信用も、信頼もしてるよ。
ただ、危ない目に会うには早いって……思うだけで……
ほ、ほんとにごめん、ここで待ってて!(ヨノワール邸に向かう)

……はぁ。
全く……、本当に、力ずくで押し通してもいいんだな?

……うーん。
できますかね。

……。




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