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魔女の森任務17


◆任務初日

  ルミナスメイズの森 魔女の森 マリアの広間


確か、第三部隊の、シンゲツだったか。
どうしてここに?

総隊長からの命でございます。(懐からゴツイ斧を取り出す)

な、何する気だ?

このカビゴンの腹を開きます。

な、何で!?

先程この者が襲っていた女性の脚が残っていれば持ち帰ろうかと。

……?????

そのイカレ野郎と話をするな。

……んっ?
ナンバー!?
な、何がどうなってる?
……って、その抱えているのはセイルじゃないか!?

ここに来る途中に見つけた。
あのカビゴン野郎に左脚齧られてたから持ってきた。

せ、セイル!!
生きてるか!?

……イーリス……様……、申し訳ありません……
結界に入れられたと、聞きました……

そんな事はどうでもいいよ、血を止めないと……!
ナンバー、病院へ……!

んな暇あるか。
そこのババアにでも言や直せるだろ。



そうだろ、代表さん。

……。
フレデリシア。

はい。
……連れてきてくれてありがとう。(セイルを抱える)
イーリス、心配しないで。
直せるから。

……。
すまないセイル、守ってやれなくて。

お気になさらず。

……胸糞悪いほどお人好しだなお前は。
あいつが弱ぇから食われたんだ。

彼女たちを守るのも私の仕事だ。

……はぁーあ。
んじゃもっと完璧に守り切ってみせろ。
そうだな、お前は口が達者だったよな。
口先だけの女か。
こんなに体に傷付けといてあいつ1人戦闘不能にできないなんてな。(イーリスの傷付いた頬を撫でる)

すまない、言うまでもないが私にあいつを制圧できる力は元から無かった。
力では敵わないと分かっていたから粘るしか無かった。
正直君が来てホッとしたよ。
助けてくれるんだよな?

総隊長がお前の手助けをしろと命じたんだ。
嫌でも助けるしかねぇ。

こないだの説教、根に持ってるのか?

誰が。

ガシャン

もう最悪だよ。
なんで君が飛んでくるわけ?
そしてなんで腹を捌かれてる?
もー、怪我しちゃったじゃん。
頭から血が流れるよ。(起き上がる)

バンギラスだな。

毒がもう回ってるはずだから俊敏性は無くなってると思う。

種族値だけの脳筋が、調子に乗ると痛い目を見るぞ。

はぁ?
調子乗ってんのはそっちじゃん。
可愛いお耳つけたうさちゃんが僕に勝てるわけないでしょ。
せっかくイーリスちゃんと楽しんでたところなのに超邪魔だよ!

煽り合ってる……

んじゃさっさと済ませようじゃねぇか。
何人もイカレ野郎の守りなんてする気はねぇんだよ。

ナンバー、私も……

邪魔だ、いらねぇ!
手ぇ出すなよ絶対!
シンゲツ!
抜けた技の処理しろよ、漏らしたら殺すからな!!

かしこまりました。(先の小さいハンマーを取り出す)

ぶち殺してやる。

殺すなよ……!
あとだいぶ口が悪くなってるぞ!

……、うるせぇ!!
黙って見てろクソアマが!(腰につけていた武器を2本取り出す)


警棒か……!
両手で……

僕にそんなおもちゃ効くわけないよ!
体の岩を鋼のように硬質化できるからね!

舐めすぎだろ、雑魚キャラが。
事前に言っといてやる。
今すぐにその硬質化とかいう悪あがきでもしてろ。
これからこれで殴ってやるから精々受けきって見せろ。
行くぞ!(一瞬で間を詰める)

うわっ、速いっ(硬質化した腕でガードする)

オラッ死ね!(右手の警棒で殴る)

……いだぃっ(ガードした腕が砕ける)

どうした、もっと固くなんねぇのか?
これじゃ全身砕けちまうぞ?(左右の警棒で殴り続ける)
情けねぇ声出してんじゃねぇよ!
活きのいい煽り聞かせろよ、なぁ!?

いっ、いだっ、いだいっ、いだい!!(ガードした部分から砕けていく)

……うわぁ……一方的だ……

はっ、つまんね、話にならん。
1分待ってやるからその分だけ固くなってみろよ。
俺は俺で楽しむわ。(警棒をしまう)
ここで固くなっとかねぇと、俺の力に絶対勝てるわけないもんな、分かるだろ?

いだ……ぃ……(体の表面がほとんど欠けたまま全身を硬化させていく)

シンゲツ、ショットガン出せ。

ショッ……!!???
えっ、そんなものが……

かしこまりました。(懐からショットガンを一丁取り出す)

あるんだ!
あ、こ、殺すなよ……!?

殺すつもりは無いが、あいつが自ら生きることを放棄するなら俺の知ったことじゃないな。

お、お前〜!

さて、そろそろ1分だ。
こっちも痛いだろうよ。(ショットガンに弾を込める)
ただ殴るだけじゃつまらねぇからこっちで遊んでやる。
殺す気は無いから、死にたくねぇなら必死に足掻くことだな。

いぃ……い……(顔まで硬化していて喋れない)

それが最高硬度か?
いいんだな?
さあ、何が残るか。(ショットガンで連続で打ち込む)

ギァアアアアアッ(叫び声と同時に体の砕けた部分が飛び散る)

ちょ、ちょっとナンバー!
やり過ぎじゃないか!?
殺してしまう!

こいつは何人も殺してるぞ。(リロードしながら撃つ)

……!

まだこいつは死んでないしな。
1回くらい死んでもいいだろ。

お前こんな時にふざけるんじゃないぞ……!

ギャアアアッッ(前に倒れながら膝をついた瞬間、地面から岩が無数に突き出してくる)


まずいっ、マリアさん!
離れてください!

あのババアの心配なんてする必要ない。(イーリスを抱えて警棒で岩を砕きながら避ける)


……シンゲツ、あの小さなハンマーで岩を全部砕いていってるのか……?

(無言で岩を砕き続ける)

奥へ流れたものの対処は全部あいつがやる。

……もしかしてお前より強かったりする……?

んなわけあるか。
俺がやれと言ったらあいつはやるしかないんだよ。

……な、なんだそれ……?
どんな関係なんだお前ら……

知らなくていい。
よし、あのクソバンギも虫の息だ。

よし、じゃないんだよ……
そんなに圧倒的なら瀕死に追い込むんじゃなくて拘束できるんじゃないか……?

お前マジで言ってんのか?
あいつが本当に遊んでたからお前は死んでないんだぞ?

それを言われると……。
命令でもお前が来てくれて本当に感謝してる……ありがとうな。

……。
…………。


どうかしたか……?
……あと、もう降ろしてくれてもいいんじゃないか?
技も止んだし……(抱えられたまま)

……帰る。

えっ?

シンゲツ、こいつら拘束して持って帰れ!

かしこまりました。

あ、え、か、帰るなら降ろしてくれ??
お疲れ、助かった、それじゃあな?

お前も一緒に帰るんだよ。

いや、ちょっと待ってくれ、私は帰れない。
まだ私がすべきことがある!

……は?
何をするって?
またお人好しでもするのか?

お人好しじゃない。
ここの森の人たちの未来がかかってる。

……俺たちが関わることを望んでないんだろ。
お前のエゴだ。

私を汲んでくれる子もいる。
それにこれは、総隊長の意向だと思ってる。


……。
……前は外交部だったか。

ああ。
今回私たちに課せられた任務は大きく2つ。
1つは行方不明となった子を見つけること。
もう1つは、この森の子達と外の世界を繋げること。

……やっと重い腰を上げたか。
……。
……俺がここに遣わされたのは、こいつらを捕らえるためだ。
こいつらは数年前にこの森を破壊、放火した。

こいつらが……。
というか、知ってたのか!

総隊長から聞いた。
総隊長の耳にも入ってたが、ほとんどの人間は知らないだろう。
第三部隊の限られた人間だけが、ここを襲った奴らを捜してた。
目撃情報が入ったこと、本部に侵入してきたやつがコイツらについても吐いたことで、ここが襲われることも分かった。
だから俺とシンゲツで確保に来た。
こいつらは数人で各所を襲い、「遊んでる」んだとよ。

……。
胸糞悪い。

行方不明の件もこいつらの仲間がやってんだ。
現在の生死までは分からないが、目的があるならガキは生かして俺らを釣るのが効果的だ。
生きてる可能性は十分ある。

……!
……ありがとう。

は?

あぁ、いや、何となくお前がそう言ってくれて心強いなと思って。

……。
生きてるとは言ってねぇぞ。
可能性があると言っただけだ。

それでもな。
今、必死に捜索に当たってくれてるやつらがいる。
成果を出して、無事女の子がこちらに帰ってくることを願う。

……。

グオオアァァッ

!?
うわっ、カビゴン野郎、腹が開かれたまま覚醒したのか!
立ち上がろうとしてるぞ!?グロいな!

シンゲツ!
腹くらい閉じとけよ!

かしこまりました。(カビゴンの男の頭を1発殴って気絶させて医療用ホチキスで開いた腹を留めていく)

容赦な……

ゴミに容赦なんていらねぇ。

お前たち2人ともそうだが、相手を制圧することに容赦なさすぎて一般人は絶対に引くぞ。

知ったことじゃないな。

いや、現に奥から見てた子たちめちゃくちゃ引いてるぞ?
戦闘が落ち着いても誰一人として表に出てこないし?

耐性がねぇだけだわ。
こんな箱ん中閉じこもってるようなヤツらには興味がねぇ。

まさに箱入り娘……いや、私はこの子達に外に出てもらおうと思うんだ。
まさか出る前から恐ろしい洗礼を受けるとは。
逆にお前を克服すれば他に何も怖くないんじゃないか?

勝手に練習台にすんじゃねぇよ。
ったく、よく喋る女だな。

お前と話ができるいい機会だと思うとペラペラ出てしまったな、すまんすまん。
また機会を設けて話をしよう。

……却下。
てめぇと話すことなんかねぇわ。
帰る。
こいつら確保したんだ、俺の仕事は終わりだ。

またこっちからでも誘うよ。
よろしくな。

てめぇ話も聞けねぇのか???



……ころしてやる……(ナンバーに向かって岩を伸ばす)




ナンバー、危ない!!

……。

バキンッ




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