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魔女の森任務10


◆任務初日

  ルミナスメイズの森 魔女の森先


トウヤ、軍へ伝達よろしく。
気を付けて。

了解。
お前も、向こうの代表に捕って食われないようにな。
……そんな目で見るな、冗談に決まってるだろ。

……じゃあ真顔で言わないでよ。

すまんコイツほんと紛らわしいよな。

まあ、ほぼ真顔でミリアをあやしてたから分からなくもないけど……

先に言っておくが、森の人間に恨みなんてひとつも無い。
……こないだ森に近寄った時はだいぶ迷わされたが。

悪かったわね。

必要なだけ人を連れてくる。
とりあえず、さっき言っていた、少女の消息が途絶えた地点に捜索員を降ろす。
手掛かりを元にすぐに捜索を開始する。
開始次第俺は戻ってくるから、話が終わったらお前も加われ。

了解。

キーウェンはさっき言った通り、その地点に先行してくれ。

了解。
……ちょっと、心配だけど、イーリス。

ん?

1人で……
代表に呼ばれたとは言え、外の人間をよく思ってない人達ばかりの真ん中に立たせることになるのは……

ふふっ、心配なのは私もそうだよ。
ただ、ここからが重要なんだ。
私は軍を代表してこの場に立っている、腰が引けてちゃ面目無い。
背負って立たなければならないなら、堂々とすべきだ。
命の危険はあるかもしれないが、私は死なない。
私がここで殺されてしまえば、彼女たちが人を殺す恐ろしい魔女という存在が確立してしまう。
それは彼女たちの将来のためにも避けたい。
そもそも私だって死にたくはない、上手く立ち回るさ。
お前は私のことは気にせず、セナちゃんを捜すことだけ考えてほしい。

……イーリス……

イーリス、すぐ戻ってくるからそれまでちゃんと生きてろ。
お前を守るのも俺の役目だ、人を守るのには自信がある。
俺がいない時に死ぬなよ。

おお、了解。
そこまで言われると安心感ある(笑)

じゃあ行ってくる。(飛ぶ)

速いわね、もう見えなくなった。

急いでくれてるね。

さて、私たちもそれぞれすべきことをしよう。
……ってことで、ミリアちゃんは私たちとおうちに帰ろうか〜

寝てるね。

んむ……むにゃ……、にに……、あぇ、にには……?

トウヤはちょっとだけおうちに帰ったよ。

……またくる?

また来るよ。
ミリアちゃんがににに会いたいって言ってたって、伝えておくからね。

うん……

ミリアちゃん、おうちに帰ろう。
ママが心配してるはずだ。

……ん!(手を広げる)


……もしかして、だっこ?

ん!
ねね、ねねもだっこして〜!

……あ、ああ、いいぞ!(キーウェンから抱きとめる)
ごめんな、ににみたいに大きくないから落ちないようにな。

ん!
ぎゅーっ

ふふっ、そうそう、ぎゅっとしててね〜(可愛い〜っ///)
男にしか頼まないのかと思った(笑)

そんなことないわよ。
ミリア、みんなにだっこしてもらって嬉しいね〜

ん〜、うれし〜!

じゃあ俺は先に行ってるね。
……あの、フレデリシア、何かしてほしいわけじゃないんだけど、その……

なに?

……イーリスの味方でいてくれたら、それだけでいい。
森の人と、軍の、どちらの意見も理解してくれる人で、いてほしい……

……もちろん。
私は外に出たい派よ、変わらないわ。
私は私でできることを判断して動いてあげるから。

よろしくね。
じゃあ、行ってきます。

また後で!

セイル、ここはよろしくね。

承知しました。

それじゃあ行きましょう。

うん。






  ガラル軍 総隊長執務室


なるほど、じゃあお前のとこのデッドラッドと、新人だが捜索に長けてるラピートを連れていくといい。
他も見繕っておこう。
出せるものは出すから、向こうで指揮は適当に出してやってくれ。

了解。

どう、イーリスは。
情報もらってきたんだからまず褒めてやらないとな。

……まだ、これからが本番だ。
この情報が聞き出せたのは、イーリスの彼女たちに対する正直な感情が理解されたからだ。
代表はどうか知らないが、外側にいた彼女の頭が柔らかくて助かった。

そうなのか。
……でも、理解されたのはイーリスのその素直さと、話術があったからじゃないか?
相手の情に訴えかけるのも1つの技だ。
お前じゃ簡単にはいかなかったかもしれない。

……まあ。

お前のポーカーフェイスは周りを誤解させることも多いからな。
もうちょっと柔かーい表情を作ってみてもいいんじゃないか?
俺みたいにさ。(にっこり)

(無視)……ただ、少し心配なのは……

ん?

……。
アイツは意外と悲観的だ。

悲観的?

魔女に殺されたらあとはよろしくと。
覚悟した上で望むのは、悪いこととは言わないが……

最後に諦めてしまいそうで怖い?

……。

お前に似てんじゃーん。
いや、お前は親の後追いか。
危うさは同じだ。

……。

じゃあさ、お前が、彼女が諦めてしまう前に、いや、諦めようかと考えに至ることがないように守り抜けばいいだろ。

簡単に言う……

それがお前の役目だろう。
お前がエイジンと似てると思うのはお前が思い込んでるだけだ。
俺はそうは思ってない。
お前が親父の死に様に合わせる必要は無い。
お前はお前がやりたいことをすればいい、思いのままにしていい。
お前の倫理観は俺が保証する。

……ただの放任じゃないと?

放任だよ。
でも正す時は正す。

余談だが、ナンバーの態度はああでいいのか?

放任の範疇だ。
俺からすれば可愛いものだ。

あーそう。

お前はいい子に育った。
いい子すぎる。さすがエイジンの子。俺が育てた子。

アラサーになった子をそんな褒め方するもんじゃない。

アラサーだって可愛い子には違いない。
素直に喜んでくれればいいのになぁ。

あんまり親面するな。
もう独り立ちしたつもりだ。

お父さん寂しい。

うるさい。
あんたは俺の上司、俺はあんたの範疇の中で好きにさせてもらう。

お好きにどうぞ。
イーリスをよろしく頼む。
俺が任せたんだ、死なせちゃ困る。

あいつの力を見るいい機会だ。
適度に力添えする。

ああ、頼んだ。

おう!!とーや!仕事!!!??(ドアバン)

デッドラッド……

おー元気なの来た〜ドア壊れてない?

総隊長、俺行っていいんだよな!

いいよ〜、良かった、壊れてない。

よっしゃ!
とーや乗せてって!

そのつもりだ。
あとはラピートを連れていく。

らぴ?

知らないだろ。
パルスワンの新人だ。

知らね。

俺も面識は無いが、そいつともう1人くらい乗せて行こう。
人捜しだ、誰がいい。

えー、俺そんな他の隊のこと分かんねぇ〜
ジャックくらいじゃね〜?

ジャックは森で見かけたぞ。
ついでにミカヅキも……

ああそうそう、第三部隊はジャックとミカヅキを出してる。
帰ってきてないから仕事終えて、今は帰路かもな。

もし帰ってきたら捜索の支援に出してくれ。

はははっ、行ったり来たりだ。

向かう途中で見つけたら声かける。

ああ、そうしてくれ。

じゃあこの部屋出て1番最初に会ったやつを連れてくってどう?

迷惑な話だ。
とりあえず、人出しは総隊長に任せる。
呉々も選抜には気を遣ってくれ、彼女らは過敏になってる。
俺が信用してるやつで頼む。

どんな頼み方だよ。
OK、お前の信用してる奴なんて誰からも信用されるようなやつだ。
ああ、ちゃんと送り込む。

捜索開始地点はさっき説明したとおり、付近まで行けば分かるようにする。

分かった。

よし、行くぞデッドラッド。(部屋を出る)

おう!(後に続く)

……。
……ほーんといい子に育っちゃってさ。
俺もしっかりしねぇとエイジンに怒られるなぁ。




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