◆任務初日

　　ルミナスメイズの森　魔女の森先

……大変失礼致しました、アカネ様が。

！！！？？
私は悪くないぞ！！！

善悪の問題ではないです。
礼を欠いているんです。

礼を重んじるべき相手か。

お相手は真摯に対応されています。
現実を見ましょう。

いいや、こちらこそ、誤解を招くような……
ミリアちゃんの件、お帰しするつもりで参ったのですが、こちらとしても早急に本来の要件をお伝えしなければと思い……

またいつの間にか寝てたしな。

ほかほかあったかいから！
ねむたい……！

そろそろ帰る時間だから、ちゃんと起きておこうな。

ん……！(ほっぺつねる)

ミリア、なんで外に出たんだ？

おひゃんぽー！(つねりながら)

……はぁ。

ミリア様がこれだけ気を許しているんです。
あなた方に悪意が無いのは分かります。

ミリアちゃんにはやはりそういう力があるんですね。

はい。
ミリア様はまだ幼いですが、数少ない人の感情を感じ取れる力の持ち主です。
私たちの外との交流を断っている理由をカバーできる力ですから、皆さんこの子に期待を寄せているのですが……

そうか、いなくなってしまってさぞ驚いたでしょう。

ミリア、1人で出歩くのはダメだ。
心配するだろう。
俺も心配だ。
ママはもっと心配してるぞ。

……んー、ごめんなさい……

ママにもちゃんとごめんなさいしような。
約束だ。(小指出す)

やくそくー(ゆびきり)

よし、偉い。(なでなで)

えへへぇ、えらいー！

懐きすぎだろ……

皆様方がどのような方かも含め、きちんと代表にお伝えさせていただきますので、暫くお待ちください。
結果をお持ち致します。

よろしくお願いします。

ミリア！！
何かあったらフレデリシアが助けてくれるからな！！
怖かったらちゃんと助けてって言うんだぞ！！

ばいばーい！

全く怖がってないな(笑)

にに！にに！
あっちのににもだっこ！

にに？
キーウェン？

エッッッ(ﾋﾞｯｸｩ)

おっきい！
たかたかして！

キーウェン、お望み通り抱っこくらいしてやれ。

え、ぇええええ、い、い、い、いや、その……ッ、俺は……

ほんと怖がりさんね。
大丈夫よ、ミリアも暴れたりしないし、胸の辺りで乗れる場所作ってあげるだけでいいのよ。

そ、そうかもしれないけど……
こ、怖がらせてしまうかも……ッ

怖がらずに、ミリア可愛い〜って思っておけば、ミリアが負の感情を読み取ることもないし、怖がったりなんてしないわ。

……う、うぅ……

にーに！
にーに！(わくわく)

ど、どうぞ……(手を差し出す)

きゃーっ(嬉しそう)

わ、わ……っ(ど緊張)

落ち着け。
ミリア、どうだ。

にによりたかーい！

お、落ちない、ようにね……

！(じーっとキーウェンを見つめる)

えっ、な、なに……

じゃんけん！
……ぽ！(チョキを出す)

え？チョキ？
……じゃんけん……パー(パーを出す)

きゃーっ、あははっ、ふふっ、おてておっきぃー！
まけちゃったぁ！

えっ、お、俺の負けだよ……！

だっておっきいもんっ、チョキチョキきれないよぉ〜！

あっ、そ、そっか！

ににもみーちゃんのことみえるのすごーい！
えへへへっ(楽しそう)

あっ、忘れてた……！

ふふっ、やば、可愛い……

こんな状況だけどめちゃくちゃ和んでしまうわね……

にに、おっきいね〜
これふわふわしてる〜(上着のファーを触りながら)

うん、ふわふわ気持ちいいよね。

きもちーねぇ〜

……。
ど、どうしようトウヤ……

何が。

可愛い……

ふっ(笑)

ちっちゃいのに……俺のこと怖くない？

にに、みかんだもん！

オレンジ色は優しい人だよな。

うん！

う、、、うぅ……
嬉しい……泣きそう……

キーウェンww
すごく感動してるな。

だって……っ

なかないのー！
よしよし〜

うっ……ありがとう、元気でたよ。

わーい！
みーちゃんねっ、みんなげんきがいい〜！

ミリアちゃん良い子……(泣)

泣くなってwww

　　ルミナスメイズの森　魔女の森代表マリアの部屋

マリア様、今申し上げた通り、ミリア様という保証もあります。
少なくとも私は彼女らを信用したいと思います。

私は信用しません。
外の人間は全て悪だと。
善人面していても、陥れられるのがオチです。

……。
マリア様、万が一にも危害を加えられるようであれば、即刻退場させます。
どうか彼女らの言葉を聞いていただけないでしょうか。

……。

一刻も早く家族を取り戻したいと、ただその一心です。
外の者と関わりを持ちたくないという考えに変わりはありません。
ですが人を捜すことを特筆できる者が、軍にはいると。うちの者を外へ出す必要が無くなるのは、好都合ですし、何より、そういった事案に長けているはずです。
軍としても、情報さえ手に入れば、あとは捜すだけ……
必ず見つけると……軍の代表であるイーリス殿は仰いました。
私は、軍を頼っても良いのではないかと思います。

……。

マリア様……！

マリア様、わ、私も……っ、私もお願いします！

エカ様？

私の、私のひとり娘……っ、あの子が死んでしまったら……っ、私、生きていけない……！
お願いします、なんでも、なんでもいいです、だれでも、だれでもいいのでどうかあの子をお返しください……っ！！！
罰なら、私がお受けします、みんなみんな、私が悪いんです……っ、うぅぅ……

エカ様、落ち着いてください……
マリア様、フレデリシア様も仰っておりました、外に出て捜すにも人手も足らなければ、捜すための力も乏しいところ、限界を感じていると。
早く手を打たなければあの子の命は……

いや……！
お願いよぉ……っ、セナ……っ

ティグノリア、エカを部屋へ連れていきなさい。

！
はい、マリア様。
……ほら、エカ、泣いて帰ってくんなら私も泣くよ。
しんどいだけだから少し落ち着いて待っとこうな。

うっ、うぅ……

……。
事態は一刻を……

セイル。

！
はい。

あなたが代わりに軍に情報提供しなさい。

……私が、ですか。

あなたの考えの通りに動きなさい。
それと、軍の代表をこちらに連れて来なさい。

！
承知しました。
それでは。

……。
セナ……。

　　ルミナスメイズの森　魔女の森先

軍の皆様！

セイル！
どうだった？

軍の皆様に捜索依頼をさせていただきます。
私が一任されました。
これから情報をお渡しします。

さすがセイルね。

いえ、マリア様のご意向です。
加えて、イーリス殿にはマリア様の元へお連れするよう申し付けられましたので、中へお越しください。

！
了解。
よし、聞こう。




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