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再編成後の初仕事の終わり


◆各隊再編成日の翌日

  ガラル軍 治療棟 待合室


失礼します。

ああ、エリオスさん、ちょうど見えたので、もう少しお話うかがえますか?

……!

あなたが……

オトギと共に化石の研究をしていたエリオスと言います……!
あなたが、オトギの最期を看取った方ですか?

その1人です。
トウヤと言います。
化石を軍に提供するために運んでいたと聞きました。

そうです。
私たちは幼馴染といいますか、昔から化石が好きで、研究者になるのが夢でした……
そして小さな研究所を建てたのですが……、研究は行き詰り、化石も数が無くなった……
だからもう、研究を諦めようと。
軍なら信用できると思い、提供を決めたんです。
……そう、運ぶだけだったのに……どうしてこんなことに……

……。
彼に親族は?

……他地方になりますが、両親が健在です。
先程連絡したので、遺体の引取りはご家族でされます。

彼の死因について聞かれましたか?

……ええ、私も本人確認の際、致命傷になるような怪我などは全く無かったことを確認しました。
それと、診ていただいたドクターには、エスパー系の技で脳を攻撃された可能性があると……

俺もそう聞きました。
エスパータイプの人間に恨みを買ったりとか、攻撃されるような心当たりは無いですか?

……私が知る限りは、無いと思います。

……そうですか。
……野生のポケモンに襲われた可能性も拭えませんが……
彼は最期に、化石の復元を願っていました。


……ええ、彼の一生の夢でしたから……

あれ程大切にし、復元を懇願したのに、カバンに入っていた化石はほとんど砕けてしまっていました。

そ、そんな……!
ひとつも、ひとつも残っていなかったんですか!?

申し訳ないが、俺にはどの程度残っていれば復元可能なのか判別がつかない。
ひとつというのがどれ程のものかも。
ただ、彼の願い通り、うちの研究室に復元を依頼しておいたので、見てくれているとは思います。


……そうですか……!
……ガラルの化石は、2つで1つです。
頭部のみ、体のみの化石が発見されているんです。
その遺伝子の研究もしていたのですが……それらの化石の遺伝子の配列は似た部分があって……
あ、すみません、勝手に話して……っ
情けない話、私たちの研究ではその程度しか解き明かせなかったのです。

とんでもない。
俺には知りえないことです。
参考に、研究室の方には伝えておきます。

よろしくお願いします。
……しかし、なぜ砕けてしまったのか……
オトギは化石を何よりも大切に扱うと思います。
万が一にも不注意で砕いてしまうなんて、有り得ないと……

……エスパー系の攻撃による脳の損傷からも、狙わなければそうはならないでしょう。
意図を感じます。
人による攻撃の可能性が高い。
そうなれば化石を狙った可能性もある。
恐らく、しばらくは彼が発見された付近で捜査等行われるはずです。
……あなたにもう一度話を伺うこともあるかもしれません。
そのときは、協力願います。

ええ、もちろん、協力させてください。
オトギの無念を晴らせるならいくらでも……

今日はお話いただきありがとうございました。
あとはさっきの者に替わります。
もし気づいたことがあれば、俺でもいいです、情報を頂ければと思います。
それでは。

あの、ありがとうございました……!
オトギを救い……、オトギの望みを叶えていただき、ありがとうございました……!

……いいえ。
できるなら、命も救いたかった。


……救うことが俺の存在意義なんだから……、救えなければ、生きている価値がない。





  ガラル軍 トウヤとイーリスの部屋


おお、おかえり、トウヤ。

……。
ただいま。(おかえりか……久しぶりに言われたな……)

……どうした?

……いや、何でもない。
……さっきの、遺体の確認をして来たが、身元の確認が取れた。
名前はオトギと言うらしい。
友人のエリオスという男が、オトギと連絡が取れないため軍を訪ねてきた。
オトギは化石を軍に届ける途中だったようだ。

そうだったのか……!

志半ば、研究を続けることが困難になったため、軍に化石を提供しようとした矢先の事だったらしい。
遺体をドクターに見てもらったが、エスパー系の攻撃で脳の一部を破壊されていたと。

なるほど、外傷が無かったからな……
そうか……もしかしたら、その犯人がまだ近くにいたかもしれないな……

まあそれはまた別班が捜査するだろう。

……そうだな。

巡回結果まとめられたか?

おお、書いてみた、見てくれるか?

……。
……ああ、問題無い。

良かった。

じゃあお前は、今日の業務終了だな。
飲みの準備でもしてな。
俺はさっき聞いた話をまとめてから終わる。

了解。
じゃあ先に休む。





  ガラル軍 ロビー


おっ、ちゃんと来た!!!

お前が来いって言ったんだろ……

ドタキャンするかと思ってたぜ〜!

今からでもできるが?

だめだめだめ!!
もう予約してるし!
絶対帰さねえからな!(手握る)

やめろ手を繋ぐな、ちゃんと行くから……!

……。
なんかキャッキャしてるな。

仲良しだね。

トウヤは飲み会が嫌いだから……
いや、どっちかって言うとデッドラッドの飲み会の騒がしさが嫌いらしくてな……

それじゃご本人が誘っても行くはずないよな(笑)

そういうことだ。
しばらく断られ続けてる。
だから今回は誘って、来てくれるってもんだから嬉しくて仕方ないんだろう。

健気か(笑)

なんだかんだ、トウヤはデッドラッドのことはよく気にかけてるからな。
というか、可愛がってるって言えるのはトウヤくらいだよ。

へー(一応デッドラッドの方が歳上なんだが……?)

あいつもトウヤには、懐いてる、って感じだしな。

そうなのかー(半殺しにされたのに懐いてる……?)

俺もデッドラッドも明日仕事だからそんなに長いこと話し込まないとは思うが、面倒くさくなったら帰ればいいぞ。

まあでも、一応私の歓迎会名目でやってるわけだからな、私が帰るのもなぁ(笑)

ああ気にするなよ、どうせ最初だけだからさ、その名目。
たぶん乾杯したらいつも通りの飲み会だ。

ほんとに最初だなwww
ふふ、まあいいよ、あいつが話したいんなら好きにさせてあげよう。

イーリス、あいつと話したんだろ?
よく付き合えるなぁ。
ま、俺が言うのもなんだけど。

ほんとだよ、トウヤも言ってたが、よくデッドラッドと同室でいられるなって。
常に喋ってそうだしな。

まあ、想像通り、常に喋ってるな。

わー(笑)

本人がただただ楽しいだけの内容だから聞き流しても問題ないぞ。
俺はたいてい聞き流してる。
内容覚えてなくてもあいつ絶対怒らねぇから、気にする必要ないぞ。
覚えてないって言ったらたぶんもう一度みっちり教えてくれるだろうけど。

メンタル強い〜(笑)

否定しないなんて、理解のある隊長さんで良かったねぇ。

デッドラッドなんていい子じゃないか、素直で。
あ、実際年上にこんな言い方するのもどうなんだろうな。

精神年齢低めだからいいんじゃないか?

あいつにとって年相応の態度って何だろうな。
おじいちゃん?

不老不死だから一生おじいちゃんにはならないだろうな。

ふふっ、確かに。

おーい、遅いぞー!
今日はこの店!早く来いよー!

はしゃぐ小学生だな。

わんぱくに育ったな〜






  ガラル軍 トウヤとイーリスの部屋 飲み会から帰宅後


大丈夫か?

大丈夫……
久々に盛り上がってしまった……酒も結構飲んだ……

よくあれだけデッドラッドの話に付き合えるな。

酒の効果もあるが……話自体は面白いぞ……?
ただ、話題が尽きないなぁって……

喋るのはあいつの趣味だ。
他人の趣味に無理に付き合う必要は無い。

ははは……
お前みたいにきっぱりそう思えたらいいけどな……

俺は飽きが早かっただけだ。
お前もいずれ、話初めで耳が痛くなる。
……こっちでの初仕事だし、疲れてるだろ。
今日はもう早く寝て、明日はゆっくりするといい。

……そうだな。




(コンコン)

トウヤさん、いらっしゃいますか?




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