「で、付き合ってんの?」
「…付き合ってはねぇ。」
「家に呼んで、ご飯作ってもらって、それってもう付き合ってんじゃねぇの?!あ、もしかして付き合ってないけど手とかは出しちゃいました的な感じ?」
「誰が出すかクソ野郎1回黙れ!!!!」
すっかり恒例となった男子飲みは盛り上がりを博していた。相変わらず週刊誌にすっぱ抜かれた上鳴だが自分のことは棚に上げて爆豪の話題で盛り上がっていた。
「ウゼエ、帰る。」
「料理上手の彼女が待ってるもんな。今日こそ決めちまえよな爆豪」
「今日はいねーわクソ!!!!」
「おいみんな、爆豪がさみしがってる、レアだ!」
「いっぺん歯ぁ食いしばれやアホ面」
そういいながら、爆豪はお札を何枚かおいて本当に出ていってしまった。もともと付き合いのいい男ではない。顔を出しただけましだったのかもしれない。
「爆豪のやつ、相変わらずだな。」
「…で、だ。切島。その子のこと、知ってんだろ?どんな子かしりてぇんだけど。」
「たしかに!俺も知りたい!写真ないの写真、」
上鳴と瀬呂が囃し立てるが、写真はないから諦めろと切島は諭す。
「…実際よ、爆豪は好きなんだろ?」
「だと思うけどな。」
「で、相手の…なまえさん、もきっと爆豪が好き、」
「おう、少なくとも嫌ってはないと思うぜ。」
切島鋭児郎は考える。
なまえと爆豪。
2人がお互いを思う気持ちは並々ならない。大切すぎる故に、2人して足踏みをしている。どうやらなまえが爆豪の家に度々訪れているらしいが、それっきり進展はないらしい。爆豪は手を出さないし、なまえもそれ以上の関係を望んではいないようで。
その割には、爆豪と付き合えばとそそのかした時に顔を真っ赤にしていたなまえの顔を思い出して、絶対そういうことだろと心の中でツッコミを入れる。
「…もう俺は余計な世話焼かねぇからな。」
切島はひとつ、ため息をこぼした。それを聞いていたのか、瀬呂がどうしたとたずねるが返事は核心に触れるものではない。
「たまには何もせずじっと見守るのも男だよなって話。」
「ふーん。良く分からんけどお前は彼女とかつくんねーの?」
「まぁ、いい人がいればな!」
みんなが集えば、あの頃と同じ空気感。だけど、やはり昔と同じではいられない。ゆっくりと、男達の夜は更けていく。