君の為にできること



『あたしも、闘えるのよ』

小さくてかわいい子猫ちゃん

彼女は武器を手にしたらたちまち豹かチーターみたいに鋭く研ぎ澄まされた殺気を纏う

『スゴいね、こんなに華麗に武器を操る女の子なかなかいないよ』
俺の言葉にはにかむようにエリカは笑う

エリカの持っていた武器は今まで見たことが無い
『これは何?』
小さなナイフの様な小さな刃
接近戦ではナイフみたいに斬り付けたり、狙いを定めて放ったりと多種多様なおもしろい武器だ

『コレはクナイっていうの、忍び特有の武器だよ』
エリカは指先で遊んでいたそれを一瞬で握り直し、壁際に置いてあった空き缶に狙いを定めて静かに投げた

クナイは綺麗に缶を突き刺した

『スゴいな、なかなかやるもんだね』
パチパチと手を叩いて賞賛した
正直、女の子をこんなに誉めたことはない
さすが俺が興味を持った女の子


『戦えるんなら、戦場に君も行ってみる?』

女を戦場に誘うなんてどうかしてる
阿伏兎がここにいたら間違いなく言ってただろうね


『…行っても、いいの?』
エリカの思いもよらない反応に誘った自分が驚いた

そんな嬉しそうな顔されるなんて夢にも思わなかったから

『エリカってほんと面白いネ、戦場に誘われてフツー喜ぶ?』
可笑しくて声をあげて笑った

エリカは言った

『あたしでも少しは神威の役に立てる、ってことでしょ?こんなちっぽけな腕でも必要としてくれるなら…』


こんなに嬉しいことはない


無理に役に立とうと戦わなくたって君の居場所はここにあるよ

でもそれは言わないでおいた


戦うエリカが見てみたいと思ってしまったから


『阿伏兎、次の任務はなに?いつ?どこ?』

『団長ォ、いつになくやる気じゃないの。おじさんは嬉しいよ』


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