boy meets girl



欲しいものが在れば
力ずくで奪えばいい

いつもそうしてきた

力があればなんでも手に入る


『ちょ…、何ですかアナタ』

それは地球で見つけた綺麗な華

『え?何してんの?離してよ!』

そう簡単には折れそうもない
強かで可憐な珍しい華

『離せって言ってんの!聞こえないの?』

『聞こえないな』
その華にニッコリとびきりの笑顔をくれてやると

返ってきたビンタ
綺麗な花には棘があるとはよく言ったもんだね

いいよ、そうゆうの
ますます気に入った

『君のこと、気に入っちゃったんだ。だから…』

傘を持たない方の手で軽々と彼女を肩に担ぎあげ

『連れていくことにするよ』

『ハァ!?ちょっとォォォッ!何してんの!?降ろしてよッ!』
ジタバタ暴れたって意味はない
痛くも痒くもない可愛い抵抗だ


『団長ォ、正気か?連れてくったって何処に』

『何処にって、決まってるだろ?船にだよ、阿伏兎』

阿伏兎からは聞きなれたため息だけが返ってきた

『やだ、あたし、拉致されるの!?誘拐?身代金なんて期待できないですよ!』

だって天涯孤独の身だから

『だったらちょうどいい、僕の船で暮らせばいい』

『いや、船って…アンタたち…』

『というか、もう決めたから。君には強い子たくさん産んでもらうからね』


えええええええっ!?

彼女の悲鳴は月夜に木霊した



恋に落ちた兎



『…一目惚れってやつ?団長がねぇ』
阿伏兎が後ろでなにやら呟いていたみたいだけど、聞こえないふりをした
 


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