類は友を呼ぶ



『いや〜、まさかエリカがエリザベスに変装してたとはなぁ』

『だってエリーさん変装しやすいから』
だってかぶるだけだもん

『しかしエリザベスも指名手配の身、逆に危険では無かろうか』

『あたしは顔が割れて自由に江戸を歩けなくなる方が嫌だもの』

こうして真選組の包囲網を掻い潜りどうにかこうにか逃げ延びたあたしたち

幾松さんのラーメン屋の二階に身を潜め桂さんの傷の手当てをしていた

『しかしエリカのお陰で助かった、感謝しているぞ』

『いいの、楽しかったから』

攘夷志士として桂さんと行動を共にしてからというもの…退屈はしなくなった

身の危険は有るにせよ、目的のため駆け回る日々にある充実感に満足していた


『今日はずいぶん派手にやられたみたいじゃないか』
店に顔を出せば幾松さんが呆れたようにも見える笑顔で迎えてくれた

『あんなバカとつるんでちゃ命がいくつあっても足りないんじゃないかい』

『確かにそうかも、でもあたしもバカだからね大丈夫』
冗談めかして答えるあたしに幾松さんはため息をついた

『あたしは心配してんだよ』

あたしは一人っ子だったからわかんないけど、お姉ちゃんが居たならきっとこんな感じだったんだろうな

ありがとう幾松さん

でもね小太郎さんの日本を思う気持ちは本物だと思うの

真っ直ぐすぎてバカだけどそんな小太郎さんと日本の夜明け、見てみたくなっちゃったあたしもやっぱりバカなのね


『分かってる、言って止められるとも思っちゃいないよ』

ゴトッと音をたてて置かれた丼
正油ラーメンだった


『ただ…、気を付けなってことさ。今日みたいに危険に飛び込んでく様な真似は許さないよ。…解ったなら食べな』


もう、幾松さん大好き


『いただきます』


でもね幾松さん
ごめんなさい

多分危険な場所には飛び込んで行きたくなると思うな


江戸中駆け回る真選組との鬼ごっこ

止められそうにないもの


それに
やられたら、やり返せ

乙女のおっぱい揉んじゃってくれた仕返しはきっちり返させてもらうんだから

待っててね、鬼の副長さん


次に会う日が待ち遠しい





(…ブルブルッ)

『どうした、トシ?風邪でもひいたのか』

『…いや、ちょっと悪寒が』





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