占いなんて…



『結野アナのブラック星座占いでございま〜す』

占いなんて興味はねェ

『土方さんの今日のラッキーカラーは黒でさァ』

興味ねェから

『黒を身に付けてたら桃色の誘惑があるらしいですぜ』

…なんだそりゃ

『わざわざ身に付けるまでもねぇじゃないですか、髪も制服も腹ん中も真っ黒ですからねィ』

『腹ん中真っ黒なのはテメェだろ』


『それでは、よい一日を〜』

いや、占いなんて信じてねぇから俺は




『かァーつらァァァ!』

総悟の声と爆音が聞こえてくる

信じてはねぇが占い通り今日はついているみたいだ

指名手配中の桂を路地に追い詰めた

『年貢の納め時だなぁ、桂よ』

『くっ…んまい棒を携帯していない時を狙ってくるとは流石は幕府の犬と行ったところか…』
総悟のバズーカでやられたのか傷だらけの桂は珍しく弱気だ

『観念してお縄につきやがれか、まだ抵抗するってんなら…』
刀に手をかけ、ゆっくりとその身を抜いた

『ここまでか…』
桂が一歩踏み出して来たその時だ

ビルの三階あたりからだろうか
白い塊が降ってきた

『エリザベス!』
桂のペットのオバキューだった

オバキューが持っていたんまい棒とやらを地面に向かって叩きつけた
それと同時に巻き起こる爆風と白煙


しまった!

白煙の隙間からオバキューが桂を連れ出すのが見えた

逃がすか!!
最悪の視界のなか、がむしゃらに手を伸ばした

幸運にも何かを掴んだ
やっぱり今日の俺はついているのか

桂でもオバキューの方でもかまいやしねぇ
逃がしてなるものか


でも…

…ムニムニ

この感触…なんだ?
えらく柔らかくて…弾力があって…ちょっと気持ちいい

『…スケベ』
耳に障った艶のある女の声

そしてうっすら見えたオバキューの影

『初対面の女の乳を揉むなんて…噂通りのスケコマシってわけ』


…え?
この声、このオバキューか?

『…いつまで揉んでんの?セクハラ…もしくはパワハラで訴えちゃってもいいのかな?』

ちょっと待て
この中に居る奴ってオッサンじゃなかったっけ!?

動揺した隙に手を振り払われオバキューは自由の身


『またね、鬼の副長さん』


黄色いくちばしの中からちらり見えた女のちょっと厚い唇

桃色の誘惑



『くそっ…また逃がしちまいやしたね土方コノヤロー』

『…………』

『…?土方死ねよ』

『…………』

『近藤さーん、土方さんがおかしいでさァ』


占いって…
結構当たるもんなのか


 


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