friend



『…エリカは晋助さまのなんなんスか』

船内を散策していたら声をかけられた

確か、この娘は…
『また子…ちゃん?』

綺麗な金髪に切れ長の目、露出の多い着物を着ているのにセクシーってよりは可愛いって感じの女のコ

『質問に答えるッス』

あたしが誰なのか
晋助サンの何なのか

ごめんなさい
あたしもよくわかんない

晋助サンがどうゆうつもりであたしを連れてきたのか、どうして居場所を与えてくれたのか…

私も知りたいくらいなの

なかなか答えないあたしにまた子ちゃんは銃口を向けた

…心配なのね

主に仕える従者として

でもそれだけじゃないよね
あたし分かるんだ、そうゆうのに敏感なの

『また子ちゃん、晋助サンのこと好きなんだね』

『なッ…何言ってんスか!』
顔を真っ赤にしたまた子ちゃん
図星だったみたいね
かわいいなぁまた子ちゃん

あたし、また子ちゃんと仲良くなれそうな気がする

『はぐらかさないで欲しいッス!どうなんスか、はっきりするッス!』
すごい剣幕だけど顔を真っ赤にして凄まれても…怖くなかったりして

『あたしはまた子ちゃんと一緒だよ、晋助サンが好きなだけ。だから着いてきたの』

鬼兵隊の皆が晋助サンを慕い集ったのとそう変わらない筈

『居場所をくれた晋助サンの為になんでもいいから力になりたい、それだけ』

晋助サンはどうゆうつもりかわからないけど、あたしはそうゆうつもりだよ


『よろしくね、また子ちゃん』

お友だちができました



『また子殿、新入りは手強かったでござるか?』
ベベンと三味線の弦を弾きながら万斉さんが聞いてきた

『な…何でスか』

『また子殿のリズムが不協和音を奏でているでござるよ』

手強いというか…
調子が狂うッス

あんな素直な娘は初めてッス


(いいお友だちになれそうだよね、あたしたち)


別に嬉しくなんか無いッスよ!同世代で同性の友だちなんか居なくたって…

『そのわりに顔は嬉しそうでござるよ、また子殿』



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