かぜ薬

春の陽気に誘われて
巡回ルートを逸れた総悟が足を止めたのは河原
昼寝ポイントのひとつだ
いつもなら駄菓子屋のベンチで横になるのだが何故か今日は子供が多く騒がしい
眠れる気がしないからここまで足を伸ばしたのだった

土手に横になり愛用のアイマスクを装着した
あとはもう何も考えずに寝るだけ

『あ、沖田さん』
…寝るだけ、眠るだけ
『税金ドロボー、今日も優雅にサボりですか』

『何です?人の職務の邪魔しねぇでくだせぇよお二人さん』
総悟は体を起こしアイマスクを外して声のする方をを見上げた
そこには銀時と新八の二人が立っていた

『職務って…明らかに昼寝ですよね?』
『人聞きの悪いことを言うんじゃねぇよ、寝てるふりして辺りを警戒してんでさァ』
『屁理屈いってんじゃねーよコノヤロー』
聞けば二人はこれから依頼先に仕事をしに行くところだと言う

『チャイナはどうしたんでィ姿が見えませんが』
いつもなら我先にと絡んでくるうるさいのがいないことに気づいた

『あぁ神楽ちゃんでしたらエリカさん家です、看病するって張り切って出ていきましたけど』
『…看病?看病ってエリカの?』
聞き捨てならない言葉に総悟は眉を潜めた
『何だよ、知らなかったのか?エリカちゃん今日は寝込んでるぜ、元気だったら仕事手伝ってもらうんだったんだけどよ』

『…へぇ』

総悟はケータイを開き今朝届いたエリカからのメールを見直したが風邪をひいたなんてことは書いてなかった
…なんで言わねーんでィ、と思ってみたものの自分の時のことを思い出し不満は胸にしまいこんだ
心配かけたくないなんて思ってるんだろう

『旦那ァチャイナはあとからそっちに向かわせまさァ』
総悟は徐に立ち上がり歩きだす
行き先はもちろんエリカの部屋

『沖田くーん、熱っぽいエリカちゃんがなんかエロいからって手はだすなよー今日はおあずけな〜』
『ドスケベな旦那といっしょにしないでくだせぇ』


ピンポーン

インターホンを押して待つことわずか
『何しにしやがったサド野郎』
『見舞いに来たに決まってんだろーがクソチャイナ』
エリカの部屋から顔を出した神楽とにらみ合うことになった

自分が面倒見ると聞かない神楽に総悟は300円渡してお引き取り願った
『エリカにへんなことしやがったらただじゃおかないアル、覚えておけよ』
そんな捨て台詞を残して

『エリカー、来てやったぜィ』
いつもの調子で上がり込みベッドへ歩み寄る
そこには額に熱ヒヤシートを貼り付けてぐったり横たわるエリカが居た
総悟が来たことにも気づかずに眠っているようだ
上気した肌に少しだけ荒い呼吸
そんなつもりはなかったけれど銀時の言ってたいたことに妙に納得してしまった

『……確かにエロいでさァ』

総悟の呟きは静かな部屋に溶けるように消えた
春の陽気に誘われて
巡回ルートを逸れた総悟が足を止めたのは河原
昼寝ポイントのひとつだ
いつもなら駄菓子屋のベンチで横になるのだが何故か今日は子供が多く騒がしい
眠れる気がしないからここまで足を伸ばしたのだった

土手に横になり愛用のアイマスクを装着した
あとはもう何も考えずに寝るだけ

『あ、沖田さん』
…寝るだけ、眠るだけ
『税金ドロボー、今日も優雅にサボりですか』

『何です?人の職務の邪魔しねぇでくだせぇよお二人さん』
総悟は体を起こしアイマスクを外して声のする方をを見上げた
そこには銀時と新八の二人が立っていた

『職務って…明らかに昼寝ですよね?』
『人聞きの悪いことを言うんじゃねぇよ、寝てるふりして辺りを警戒してんでさァ』
『屁理屈いってんじゃねーよコノヤロー』
聞けば二人はこれから依頼先に仕事をしに行くところだと言う

『チャイナはどうしたんでィ姿が見えませんが』
いつもなら我先にと絡んでくるうるさいのがいないことに気づいた

『あぁ神楽ちゃんでしたらエリカさん家です、看病するって張り切って出ていきましたけど』
『…看病?看病ってエリカの?』
聞き捨てならない言葉に総悟は眉を潜めた
『何だよ、知らなかったのか?エリカちゃん今日は寝込んでるぜ、元気だったら仕事手伝ってもらうんだったんだけどよ』

『…へぇ』

総悟はケータイを開き今朝届いたエリカからのメールを見直したが風邪をひいたなんてことは書いてなかった
…なんで言わねーんでィ、と思ってみたものの自分の時のことを思い出し不満は胸にしまいこんだ
心配かけたくないなんて思ってるんだろう

『旦那ァチャイナはあとからそっちに向かわせまさァ』
総悟は徐に立ち上がり歩きだす
行き先はもちろんエリカの部屋

『沖田くーん、熱っぽいエリカちゃんがなんかエロいからって手はだすなよー今日はおあずけな〜』
『ドスケベな旦那といっしょにしないでくだせぇ』


ピンポーン

インターホンを押して待つことわずか
『何しにしやがったサド野郎』
『見舞いに来たに決まってんだろーがクソチャイナ』
エリカの部屋から顔を出した神楽とにらみ合うことになった

自分が面倒見ると聞かない神楽に総悟は300円渡してお引き取り願った
『エリカにへんなことしやがったらただじゃおかないアル、覚えておけよ』
そんな捨て台詞を残して

『エリカー、来てやったぜィ』
いつもの調子で上がり込みベッドへ歩み寄る
そこには額に熱ヒヤシートを貼り付けてぐったり横たわるエリカが居た
総悟が来たことにも気づかずに眠っているようだ
上気した肌に少しだけ荒い呼吸
そんなつもりはなかったけれど銀時の言ってたいたことに妙に納得してしまった

『……確かにエロいでさァ』

総悟の呟きは静かな部屋に溶けるように消えた



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