君のために

※未来予想図の前日のお話

『料理は愛情〜ッ!』
『ど…どうしたの?神楽ちゃん』

朝からどこかに出掛けていた神楽は声高らかにスナックお登勢の戸を開いた

『今日はあねご達と料理教室行ってきたネ!そこで教わってきたアル』
誇らしげに神楽は胸を張って言った

『え、料理教室?いいな〜あたしも誘ってくれればよかったのに〜』
料理をするのは結構好きでエリカは料理教室なるものに興味はあった
でも一人ではなかなか入りずらいもので行けずにいたのだった

『エリカは料理は美味しいからそんな必要ないネ!』
『そ、そうかな?ありがと』
誘ってもらえなかったことは残念だったけど誉められて悪い気はしない
エリカの口許が心なしか弛んでいた

『だから今日はこの限りない愛を料理に突っ込んで奴らに食わせてやるネ』
ご機嫌な様子で帰っていった神楽を見送ったあとお登勢が呟くようにいった

『…心配だから見てきてくれないかい?ガス爆発でも起こされちゃたまんないからね』

『アハハ、いくらなんでもそれは…』

…無いとも言い切れない

『ちょっと行ってきますね』

なんやかんやで神楽ちゃんと買い物へ行き万事屋の台所に立つ


『じゃあ神楽ちゃんは野菜切ってもらえる?』
『ハイヨー』
『………ああッ神楽ちゃんッ!野菜切るのは皮を剥いてからだよッ!』
『ハイヨー』
『………ああッ神楽ちゃんッ!危ない!コレッ、ピーラー使って』
『ハイヨー』

予想以上にドタバタしながらも二人でなんとかハンバーグを作った

『できたね、あとは焼くだけだよ』
『キャッホー!ハンバーグアル!おかずアル!』

完成目前のハンバーグを見て喜ぶ神楽
その様子を見ていたら心がほかほかしてくる

口ではマダオだとか足臭いとかメガネだとか言いながらも二人の為に奮闘している神楽ちゃんは可愛らしかった
それになにより楽しそうだった

『うまくいったね』
『エリカが手伝ってくれたからネ』
『料理も結構楽しいでしょ』
『…まあまあアル』
そっけない言い種でも神楽の様子はどこか満足げだった

ふたりの為にごはんをつくってあげてる神楽ちゃんを見ていたら自分も何かしてあげたくなって…


『お登勢さん、この重箱ひとつかりてもいいですか?』
『いいよ、使ってないから。…なんだい、弁当でも作ってやんのかい?例の彼氏に』

『…はい』
『なんも照れることないじゃないか、まぁ頑張りな』

『ありがとうございます』店じまいしてスナックお登勢を出たのが午前2時頃
それから24時間営業のスーパーに寄って材料を調達

帰った頃にはもう3時

普段なら疲れてふとんにばたんきゅ〜

けれどあたしは台所に立っている
疲れて眠いはずだけど、それをも凌駕するあたしのやる気

それはただ、

君の喜ぶ顔が見たいから

それだけなんだ※未来予想図の前日のお話

『料理は愛情〜ッ!』
『ど…どうしたの?神楽ちゃん』

朝からどこかに出掛けていた神楽は声高らかにスナックお登勢の戸を開いた

『今日はあねご達と料理教室行ってきたネ!そこで教わってきたアル』
誇らしげに神楽は胸を張って言った

『え、料理教室?いいな〜あたしも誘ってくれればよかったのに〜』
料理をするのは結構好きでエリカは料理教室なるものに興味はあった
でも一人ではなかなか入りずらいもので行けずにいたのだった

『エリカは料理は美味しいからそんな必要ないネ!』
『そ、そうかな?ありがと』
誘ってもらえなかったことは残念だったけど誉められて悪い気はしない
エリカの口許が心なしか弛んでいた

『だから今日はこの限りない愛を料理に突っ込んで奴らに食わせてやるネ』
ご機嫌な様子で帰っていった神楽を見送ったあとお登勢が呟くようにいった

『…心配だから見てきてくれないかい?ガス爆発でも起こされちゃたまんないからね』

『アハハ、いくらなんでもそれは…』

…無いとも言い切れない

『ちょっと行ってきますね』

なんやかんやで神楽ちゃんと買い物へ行き万事屋の台所に立つ


『じゃあ神楽ちゃんは野菜切ってもらえる?』
『ハイヨー』
『………ああッ神楽ちゃんッ!野菜切るのは皮を剥いてからだよッ!』
『ハイヨー』
『………ああッ神楽ちゃんッ!危ない!コレッ、ピーラー使って』
『ハイヨー』

予想以上にドタバタしながらも二人でなんとかハンバーグを作った

『できたね、あとは焼くだけだよ』
『キャッホー!ハンバーグアル!おかずアル!』

完成目前のハンバーグを見て喜ぶ神楽
その様子を見ていたら心がほかほかしてくる

口ではマダオだとか足臭いとかメガネだとか言いながらも二人の為に奮闘している神楽ちゃんは可愛らしかった
それになにより楽しそうだった

『うまくいったね』
『エリカが手伝ってくれたからネ』
『料理も結構楽しいでしょ』
『…まあまあアル』
そっけない言い種でも神楽の様子はどこか満足げだった

ふたりの為にごはんをつくってあげてる神楽ちゃんを見ていたら自分も何かしてあげたくなって…


『お登勢さん、この重箱ひとつかりてもいいですか?』
『いいよ、使ってないから。…なんだい、弁当でも作ってやんのかい?例の彼氏に』

『…はい』
『なんも照れることないじゃないか、まぁ頑張りな』

『ありがとうございます』店じまいしてスナックお登勢を出たのが午前2時頃
それから24時間営業のスーパーに寄って材料を調達

帰った頃にはもう3時

普段なら疲れてふとんにばたんきゅ〜

けれどあたしは台所に立っている
疲れて眠いはずだけど、それをも凌駕するあたしのやる気

それはただ、

君の喜ぶ顔が見たいから

それだけなんだ


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