メランコリー03

お茶の入った湯呑みを受け取り三人でお饅頭を口にした

銀時が口いっぱいの饅頭を飲み込んで真っ先に言葉にしたのは饅頭の感想ではなく…
『いやぁ、それにしてもエリカちゃんが処女だったとはね』

ゲホッゴホッ!
エリカは饅頭を喉につまらせ咳き込んだ

『はじめてが沖田くんで大丈夫だった?ひどいことされなかった?』
『俺もさすがにハナからSMプレイはしませんよ。極めてノーマルに…』
『ちょっとォォォッ!いい加減にしてよ!』
どう考えても昼下がりにお茶をすすりながらする話ではなくエリカは二人の会話を精一杯遮った

下ネタだけなら構わないけど自分の話は恥ずかしすぎて耐えられない

『エリカちゃんははじめてだった訳だけど…沖田くんの方はどうなわけ?』
『んー俺ですかィ』

そういえば…あたしは初めてだったけど総悟くんはどうだったのかな

気になってつい動きを止めて耳を澄ませる

『俺はいつだったっけなぁ…』
総悟は腕を組み首をかしげて思い出そうと考え込んだ

ああ、総悟くんははじめてじゃないんだ
そうだよね、なんかそうゆう雰囲気じゃ無かったし…なんか慣れてるっぽかったし…

『エリカちゃんどした?フリーズしちゃって』
ニヤニヤと楽しげな顔を向ける
この顔の銀さんは嫌いだ、絶対に冷やかしてくるから

『え、何?エリカもそうゆうの気になんの?』
隣の総悟も黒い笑み

そりゃあちょっとは…てか凄く気になる
でも…

『…別に』
口を尖らせエリカは饅頭に手を伸ばす

『またまたぁ〜強がっちゃってさぁ!聞いちゃいなよ、思い切ってさぁ』

ますます盛り上がる銀時に苛立ちを隠せず声を荒げた
『気にしてない!知らなくていいの!』

『んだよ、素直じゃねーんだから』

『そ、そりゃ全く気にならないっていったら嘘だけど…』
呟くようなエリカの言葉に今度は二人が耳を済ます

彼の過去はそりゃあ気になる
根掘り葉堀り全部聞き出したい気持ちはたしかにあたしの中に存在する

でも…

『…あたしはこれからの総悟くんだけ知っていければいいから』
なんて強がりなひとことを溢す

過去にこだわる女なんて…ウザイとか思われたくないし…

『………』
『………』
『ちょっと…なんで二人して黙るの!?あたし変なこと言った?』

羞恥に負けず口にした恥ずかしい台詞、それに全く反応がない二人
エリカの恥ずかしさは臨界点を越えそうなほど顔を赤くした

そんなエリカの横で総悟はおもむろに立ち上がり彼女の手を取った

『旦那ァ、のこりの饅頭は差し上げるんで俺たちは帰りやす』
『マジでか!沖田くん太っ腹ァ』
銀時はまだ大半が残る饅頭の箱を見て喜び浮かれた

『え、ちょっと。俺たちってあたしもなの?』
構わずエリカの手を引いて帰ろうとする総悟に及ばずながら抵抗を試みる

『ったりめーでぃ、彼氏ほったらかしにして旦那と二人っきりですごしてーのか?エリカは』
『そ、そんなことない!でもあたしこれからお店出なきゃならないし…だいたい総悟くんも仕事中でしょ!』
『何でィ俺より仕事をとるのかィ』
『彼氏と仕事は同じ天秤にはかけられないよ!…どっちも大事だもん』

銀時は玄関の方から聞こえてくる痴話喧嘩?を耳にしながら残りの饅頭を頬張っていた
(こうしてっとエリカちゃんの方が大人だな)

聞き耳を立てている訳ではなかったが聞こえてしまう会話が気になってしょうがなかった

『…エリカはほんと真面目だねィ』
溜め息混じりの総悟の呟き

『総悟くんが不真面目なの!』
惚れた弱味かドSで破天荒な彼が彼女に圧されてる様子はかなり貴重だと思った

『わかった、見廻りに戻りまさァ…だからキスくらいさせなせェ』

『何いって…んッ!』
途切れた反論にエリカの唇が奪われたのがわかる

『…ん』
キスの合間に漏れる吐息が見えない分想像を掻き立てる
(エロいね〜…なんか)

虚しくなってテレビでも付けようかとリモコンに手を伸ばした

それとほぼ同時
玄関の戸が開かれた音がした

『だだいまヨ〜…って貴様ァッ!ひとん家でエリカに何してるアルかァッ!』
神楽と新八のお帰りだ

『何って見たらわかんだろーが、空気読めチャイナ』
『なんだとテメェ!』

『『ちょ…ふたりとも…』』

相変わらず顔を合わせばケンカを始める二人

そこからは何ら変わりない万事屋の騒がしさが戻ったのだった


『ったくしょうがねぇなぁ』
ため息をつきながらもケンカを止めにいく銀時

心なしか彼はいつになく柔らかい表情を浮かべていた


うるさくても
騒がしくても
たまに下品でも

こんな日常がいとおしい
お茶の入った湯呑みを受け取り三人でお饅頭を口にした

銀時が口いっぱいの饅頭を飲み込んで真っ先に言葉にしたのは饅頭の感想ではなく…
『いやぁ、それにしてもエリカちゃんが処女だったとはね』

ゲホッゴホッ!
エリカは饅頭を喉につまらせ咳き込んだ

『はじめてが沖田くんで大丈夫だった?ひどいことされなかった?』
『俺もさすがにハナからSMプレイはしませんよ。極めてノーマルに…』
『ちょっとォォォッ!いい加減にしてよ!』
どう考えても昼下がりにお茶をすすりながらする話ではなくエリカは二人の会話を精一杯遮った

下ネタだけなら構わないけど自分の話は恥ずかしすぎて耐えられない

『エリカちゃんははじめてだった訳だけど…沖田くんの方はどうなわけ?』
『んー俺ですかィ』

そういえば…あたしは初めてだったけど総悟くんはどうだったのかな

気になってつい動きを止めて耳を澄ませる

『俺はいつだったっけなぁ…』
総悟は腕を組み首をかしげて思い出そうと考え込んだ

ああ、総悟くんははじめてじゃないんだ
そうだよね、なんかそうゆう雰囲気じゃ無かったし…なんか慣れてるっぽかったし…

『エリカちゃんどした?フリーズしちゃって』
ニヤニヤと楽しげな顔を向ける
この顔の銀さんは嫌いだ、絶対に冷やかしてくるから

『え、何?エリカもそうゆうの気になんの?』
隣の総悟も黒い笑み

そりゃあちょっとは…てか凄く気になる
でも…

『…別に』
口を尖らせエリカは饅頭に手を伸ばす

『またまたぁ〜強がっちゃってさぁ!聞いちゃいなよ、思い切ってさぁ』

ますます盛り上がる銀時に苛立ちを隠せず声を荒げた
『気にしてない!知らなくていいの!』

『んだよ、素直じゃねーんだから』

『そ、そりゃ全く気にならないっていったら嘘だけど…』
呟くようなエリカの言葉に今度は二人が耳を済ます

彼の過去はそりゃあ気になる
根掘り葉堀り全部聞き出したい気持ちはたしかにあたしの中に存在する

でも…

『…あたしはこれからの総悟くんだけ知っていければいいから』
なんて強がりなひとことを溢す

過去にこだわる女なんて…ウザイとか思われたくないし…

『………』
『………』
『ちょっと…なんで二人して黙るの!?あたし変なこと言った?』

羞恥に負けず口にした恥ずかしい台詞、それに全く反応がない二人
エリカの恥ずかしさは臨界点を越えそうなほど顔を赤くした

そんなエリカの横で総悟はおもむろに立ち上がり彼女の手を取った

『旦那ァ、のこりの饅頭は差し上げるんで俺たちは帰りやす』
『マジでか!沖田くん太っ腹ァ』
銀時はまだ大半が残る饅頭の箱を見て喜び浮かれた

『え、ちょっと。俺たちってあたしもなの?』
構わずエリカの手を引いて帰ろうとする総悟に及ばずながら抵抗を試みる

『ったりめーでぃ、彼氏ほったらかしにして旦那と二人っきりですごしてーのか?エリカは』
『そ、そんなことない!でもあたしこれからお店出なきゃならないし…だいたい総悟くんも仕事中でしょ!』
『何でィ俺より仕事をとるのかィ』
『彼氏と仕事は同じ天秤にはかけられないよ!…どっちも大事だもん』

銀時は玄関の方から聞こえてくる痴話喧嘩?を耳にしながら残りの饅頭を頬張っていた
(こうしてっとエリカちゃんの方が大人だな)

聞き耳を立てている訳ではなかったが聞こえてしまう会話が気になってしょうがなかった

『…エリカはほんと真面目だねィ』
溜め息混じりの総悟の呟き

『総悟くんが不真面目なの!』
惚れた弱味かドSで破天荒な彼が彼女に圧されてる様子はかなり貴重だと思った

『わかった、見廻りに戻りまさァ…だからキスくらいさせなせェ』

『何いって…んッ!』
途切れた反論にエリカの唇が奪われたのがわかる

『…ん』
キスの合間に漏れる吐息が見えない分想像を掻き立てる
(エロいね〜…なんか)

虚しくなってテレビでも付けようかとリモコンに手を伸ばした

それとほぼ同時
玄関の戸が開かれた音がした

『だだいまヨ〜…って貴様ァッ!ひとん家でエリカに何してるアルかァッ!』
神楽と新八のお帰りだ

『何って見たらわかんだろーが、空気読めチャイナ』
『なんだとテメェ!』

『『ちょ…ふたりとも…』』

相変わらず顔を合わせばケンカを始める二人

そこからは何ら変わりない万事屋の騒がしさが戻ったのだった


『ったくしょうがねぇなぁ』
ため息をつきながらもケンカを止めにいく銀時

心なしか彼はいつになく柔らかい表情を浮かべていた


うるさくても
騒がしくても
たまに下品でも

こんな日常がいとおしい



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