メランコリー01

『もうやだぁぁぁッ!』

万事屋の応接間のテーブルに突っ伏してわめき散らす娘が一人
一応彼女は仕事の依頼主としてここに居た

『何がそんなにやなの?幸せ過ぎて怖いの?』

『昨日はあの新聞のお陰で顔合わすみんなに冷やかされるんですよ〜お客さんも店のみんなも!キャサリンさんなんてなんか知らないけど冷たいし!』
不満をひたすら吐き出すエリカ

『いーじゃねーの。どうせ幸せなんだから。これがウンコもらした〜とか裸さらさせた〜じゃないんだから別に落ち込むこたぁねぇじゃん』
向かいに座りジャンプを読みながら話を聞き流していた銀時は相変わらずのテキトーな調子で答えた

『良くない!全ッ然良くないッ!恥ずかしくて死んじゃうゥゥゥッ!』
半泣き状態のエリカは突っ伏しながらテーブルを叩いた

今ここには家主の銀時とエリカしかいない
騒がしいエリカの声を除けば穏やかな昼寝にもってこいの静かな万事屋だった
エリカの登場でそれは叶わなかった訳だけれど

めんどくさいと思いつつ、いつも世話になってるかわいいご近所さんがこまっているとあれば無下に出来るわけもなく…
あくびで滲んだ目を擦りながら銀時はエリカに問う

『じゃあ何?万事屋銀ちゃんに何お願いしにきた訳?』

『みんなの記憶を消して欲しいの』

『無理言うな』

『銀さん万事屋でしょ?万事屋ってなんでもしてくれるんでしょ?』

『そうゆうことは猫型ロボットに頼みなさい』

『…使えない』

『ちょっとエリカちゃん!?やさぐれるにも程かあんだろーが』

エリカは拗ねたように口を尖らせそっぽを向いた
その様子はまるで子供だ

『ったく、しょーがねぇなァ』
頭をボリボリ掻き乱しながら銀時は徐に立ち上がった
そして机の引き出しをがさがさと漁り出し、小さな小箱を取り出した

『そんなエリカちゃんには特別にチョコやるよ、銀さんの取って置きだぞコノヤロー』
コレはパチ屋の景品で神楽には内緒にしていた有名店のわりと高級な代物だ

『これうまいんだぞ〜特別だからな〜!神楽には内緒にしてな』

こんな物で機嫌が取れるとは思っていなかった銀時だったけれど、エリカはその箱を見て一瞬ぱぁっと表情が明るくなった

けれどすぐにまた不貞腐れた顔に戻る

『…チョコくらいじゃあたしの気は治まりません』
なんて可愛くない言葉も添えて

『あっそう、じゃあ銀さん一人で食べちゃおっかなぁ〜』
わざとらしく言ってみると目にも止まらぬ早さでチョコを持つ手を掴まれた

『銀さんが糖尿になっちゃうといろいろ大変だから手伝いますよ』

どんだけ食べたいんだよこの子は
手首は痛みを感じるくらい掴まれていた

その時

ピンポーン

万事屋のインターホンが鳴った

『銀さん、お客さんです。チョコは任せて』
『全部食うなよ』

銀時はしぶしぶチョコの箱を渡し玄関へ向かった

その間にも待ちきれなかったお客さんはインターホンを鳴らし続けていた

『はいはーい、今でますよ〜っと』
ガラガラとゆっくり戸を開けると…

『どうもでさァ、旦那』
真っ黒でキッチリした制服に身を包んだエリカちゃんの噂の彼氏、沖田くんの登場だ


只今江戸で話題の二人が万事屋に揃ったのだった『もうやだぁぁぁッ!』

万事屋の応接間のテーブルに突っ伏してわめき散らす娘が一人
一応彼女は仕事の依頼主としてここに居た

『何がそんなにやなの?幸せ過ぎて怖いの?』

『昨日はあの新聞のお陰で顔合わすみんなに冷やかされるんですよ〜お客さんも店のみんなも!キャサリンさんなんてなんか知らないけど冷たいし!』
不満をひたすら吐き出すエリカ

『いーじゃねーの。どうせ幸せなんだから。これがウンコもらした〜とか裸さらさせた〜じゃないんだから別に落ち込むこたぁねぇじゃん』
向かいに座りジャンプを読みながら話を聞き流していた銀時は相変わらずのテキトーな調子で答えた

『良くない!全ッ然良くないッ!恥ずかしくて死んじゃうゥゥゥッ!』
半泣き状態のエリカは突っ伏しながらテーブルを叩いた

今ここには家主の銀時とエリカしかいない
騒がしいエリカの声を除けば穏やかな昼寝にもってこいの静かな万事屋だった
エリカの登場でそれは叶わなかった訳だけれど

めんどくさいと思いつつ、いつも世話になってるかわいいご近所さんがこまっているとあれば無下に出来るわけもなく…
あくびで滲んだ目を擦りながら銀時はエリカに問う

『じゃあ何?万事屋銀ちゃんに何お願いしにきた訳?』

『みんなの記憶を消して欲しいの』

『無理言うな』

『銀さん万事屋でしょ?万事屋ってなんでもしてくれるんでしょ?』

『そうゆうことは猫型ロボットに頼みなさい』

『…使えない』

『ちょっとエリカちゃん!?やさぐれるにも程かあんだろーが』

エリカは拗ねたように口を尖らせそっぽを向いた
その様子はまるで子供だ

『ったく、しょーがねぇなァ』
頭をボリボリ掻き乱しながら銀時は徐に立ち上がった
そして机の引き出しをがさがさと漁り出し、小さな小箱を取り出した

『そんなエリカちゃんには特別にチョコやるよ、銀さんの取って置きだぞコノヤロー』
コレはパチ屋の景品で神楽には内緒にしていた有名店のわりと高級な代物だ

『これうまいんだぞ〜特別だからな〜!神楽には内緒にしてな』

こんな物で機嫌が取れるとは思っていなかった銀時だったけれど、エリカはその箱を見て一瞬ぱぁっと表情が明るくなった

けれどすぐにまた不貞腐れた顔に戻る

『…チョコくらいじゃあたしの気は治まりません』
なんて可愛くない言葉も添えて

『あっそう、じゃあ銀さん一人で食べちゃおっかなぁ〜』
わざとらしく言ってみると目にも止まらぬ早さでチョコを持つ手を掴まれた

『銀さんが糖尿になっちゃうといろいろ大変だから手伝いますよ』

どんだけ食べたいんだよこの子は
手首は痛みを感じるくらい掴まれていた

その時

ピンポーン

万事屋のインターホンが鳴った

『銀さん、お客さんです。チョコは任せて』
『全部食うなよ』

銀時はしぶしぶチョコの箱を渡し玄関へ向かった

その間にも待ちきれなかったお客さんはインターホンを鳴らし続けていた

『はいはーい、今でますよ〜っと』
ガラガラとゆっくり戸を開けると…

『どうもでさァ、旦那』
真っ黒でキッチリした制服に身を包んだエリカちゃんの噂の彼氏、沖田くんの登場だ


只今江戸で話題の二人が万事屋に揃ったのだった


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