A

『ほっときゃいいのに、あいつらがやり合うなんていつものことだぜ』

部屋を飛び出した神楽を追いかけて走り出したエリカ
それを愛車のスクーターで追いかけてきた銀時はめんどくさそうにそう言った

『そうかもしれないけど…心配なんだもん。神楽ちゃん、あたしがやなことされたみたいに思ってたみたいだし…』

エリカは走りながら息も切れ切れにそう言うと、スクーターで並走していた銀時はニヤニヤとほくそ笑む

どうせまだ冷やかす気満々なんだろう

『いいから乗せてよ銀さん!何のために来たんですか!』


時を同じくして
駄菓子屋の前のベンチには堂々とサボっていた総悟の姿があった
お馴染みのアイマスクを装着して悠々と横になっていた

『オイ、起きろクソガキ』
そこへ現れた神楽は彼にガチャッと傘の先の銃口を向けた

総悟は身動きひとつせず口を開く
『うるせーな母ちゃん、まだ起きるには早ェだろー』

『誰が母ちゃんだッ!ふざけてっとドタマぶち抜くぞコラァッ!』

『…俺もてめえにクソガキなんて言われる筋合いもねェよ』
ゆっくり体を起こし、アイマスクをずらして総悟は神楽を睨み付ける

『おう、兄ちゃん、言葉には気を付けな。お天道様が拝めなくなっても知らないアル!』

柄の悪い物言いで相変わらずの調子の神楽に苛立ちながらも総悟は極めて冷静に対処した
『…で、何の用ですか。俺はお前の機嫌を損ねるようなことした記憶がないんですけど』
体を起こし座り直して神楽と真正面に対峙する

そんな態度が気にくわないのか神楽の怒りの色は増すばかり

『…だから、なんだっつーんだよ』

とうとう怒りの限界を迎えたようで思いっきり胸ぐらを掴まれた
『てめぇッ!エリカを手込めにしておいてその態度許せないアル!打ち首獄門ネ!』

…ああ、もう知られたですかぃ
案外早かったじゃねーか
ぶちギレる神楽を前に総悟は頭の中で悠長にそんなことを考えていた

しかし
どうしたもんかね、この小娘…
総悟がこの後の対処法を考え出したその時だった

『神楽ちゃん!』
スクーターのエンジン音と共に聞こえてきたエリカの声に対峙してた二人は同時に振り向いた

『あ…総悟くん…』
神楽の影に居る総悟に気づいたエリカは途端に頬を染めた

『へい、エリカ。よく眠れたかィ』
神楽に胸ぐらを掴まれたままで飄々とした態度の総悟にエリカは恥ずかしそうに首を縦に振るだけ
そんなエリカの様子に満足そうに笑みを浮かべた総悟

そんな二人の間に流れるほんわかな雰囲気が神楽は気に入らない

『エリカ〜ッ!』
二人の間に割って入り神楽はエリカにしがみつく

『か、神楽ちゃん?』

『こんなドSで性悪なやつに近づいちゃ駄目アル!エリカが不幸になるネ!』

そんな神楽に総悟は不機嫌そうに眉根を寄せた

『銀ちゃんと結婚するヨロシ。銀ちゃんはマダオだけどあたしが幸せにするネ』
『オイ、俺を勝手にダシに使うな!悪い提案ではねぇが』

無茶苦茶なことをいう神楽にエリカは少し申し訳無さそうに微笑んで、言った

『ごめんね、神楽ちゃん。それは無理な話だよ』
『何でアルか?』
『結婚は好きな人じゃないと…できないよ』

ずっとエリカにしがみついていた神楽はゆっくりとその身を離した

『…じゃあエリカはアイツのことは好きアルか?』

神楽の問いにエリカは顔を真っ赤にしながら頷いた

『そうゆうことでさァ』
総悟は強引にエリカの身を引き寄せた

『エリカは俺と離れた方が不幸になっちまうんでさァ』
そして人目を気にせずにそのままエリカに口づけた


今日からは

みんなが公認のふたり


わめきたてる神楽ちゃん
悪態をつく銀さん

囃し立てる町の人たち

恥ずかしさでどうにかなりそう
『こんな人前で、…キ、キスするなんて…』

真っ赤な顔で総悟の顔を見上げれば愉しげにニヤリと笑みを浮かべてこう言った

『それでも俺がいいんだろ?』


ひとの顔がこれ以上赤くなれるのか
エリカは更に熱をもった顔で頷くだけが精一杯だった

thanks!確かに恋だった
『ほっときゃいいのに、あいつらがやり合うなんていつものことだぜ』

部屋を飛び出した神楽を追いかけて走り出したエリカ
それを愛車のスクーターで追いかけてきた銀時はめんどくさそうにそう言った

『そうかもしれないけど…心配なんだもん。神楽ちゃん、あたしがやなことされたみたいに思ってたみたいだし…』

エリカは走りながら息も切れ切れにそう言うと、スクーターで並走していた銀時はニヤニヤとほくそ笑む

どうせまだ冷やかす気満々なんだろう

『いいから乗せてよ銀さん!何のために来たんですか!』


時を同じくして
駄菓子屋の前のベンチには堂々とサボっていた総悟の姿があった
お馴染みのアイマスクを装着して悠々と横になっていた

『オイ、起きろクソガキ』
そこへ現れた神楽は彼にガチャッと傘の先の銃口を向けた

総悟は身動きひとつせず口を開く
『うるせーな母ちゃん、まだ起きるには早ェだろー』

『誰が母ちゃんだッ!ふざけてっとドタマぶち抜くぞコラァッ!』

『…俺もてめえにクソガキなんて言われる筋合いもねェよ』
ゆっくり体を起こし、アイマスクをずらして総悟は神楽を睨み付ける

『おう、兄ちゃん、言葉には気を付けな。お天道様が拝めなくなっても知らないアル!』

柄の悪い物言いで相変わらずの調子の神楽に苛立ちながらも総悟は極めて冷静に対処した
『…で、何の用ですか。俺はお前の機嫌を損ねるようなことした記憶がないんですけど』
体を起こし座り直して神楽と真正面に対峙する

そんな態度が気にくわないのか神楽の怒りの色は増すばかり

『…だから、なんだっつーんだよ』

とうとう怒りの限界を迎えたようで思いっきり胸ぐらを掴まれた
『てめぇッ!エリカを手込めにしておいてその態度許せないアル!打ち首獄門ネ!』

…ああ、もう知られたですかぃ
案外早かったじゃねーか
ぶちギレる神楽を前に総悟は頭の中で悠長にそんなことを考えていた

しかし
どうしたもんかね、この小娘…
総悟がこの後の対処法を考え出したその時だった

『神楽ちゃん!』
スクーターのエンジン音と共に聞こえてきたエリカの声に対峙してた二人は同時に振り向いた

『あ…総悟くん…』
神楽の影に居る総悟に気づいたエリカは途端に頬を染めた

『へい、エリカ。よく眠れたかィ』
神楽に胸ぐらを掴まれたままで飄々とした態度の総悟にエリカは恥ずかしそうに首を縦に振るだけ
そんなエリカの様子に満足そうに笑みを浮かべた総悟

そんな二人の間に流れるほんわかな雰囲気が神楽は気に入らない

『エリカ〜ッ!』
二人の間に割って入り神楽はエリカにしがみつく

『か、神楽ちゃん?』

『こんなドSで性悪なやつに近づいちゃ駄目アル!エリカが不幸になるネ!』

そんな神楽に総悟は不機嫌そうに眉根を寄せた

『銀ちゃんと結婚するヨロシ。銀ちゃんはマダオだけどあたしが幸せにするネ』
『オイ、俺を勝手にダシに使うな!悪い提案ではねぇが』

無茶苦茶なことをいう神楽にエリカは少し申し訳無さそうに微笑んで、言った

『ごめんね、神楽ちゃん。それは無理な話だよ』
『何でアルか?』
『結婚は好きな人じゃないと…できないよ』

ずっとエリカにしがみついていた神楽はゆっくりとその身を離した

『…じゃあエリカはアイツのことは好きアルか?』

神楽の問いにエリカは顔を真っ赤にしながら頷いた

『そうゆうことでさァ』
総悟は強引にエリカの身を引き寄せた

『エリカは俺と離れた方が不幸になっちまうんでさァ』
そして人目を気にせずにそのままエリカに口づけた


今日からは

みんなが公認のふたり


わめきたてる神楽ちゃん
悪態をつく銀さん

囃し立てる町の人たち

恥ずかしさでどうにかなりそう
『こんな人前で、…キ、キスするなんて…』

真っ赤な顔で総悟の顔を見上げれば愉しげにニヤリと笑みを浮かべてこう言った

『それでも俺がいいんだろ?』


ひとの顔がこれ以上赤くなれるのか
エリカは更に熱をもった顔で頷くだけが精一杯だった




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