言の葉

『場所を変えるぜ』
そう言われて連れていかれた部屋は用意した自愚蔵が言ってた通りにキレイだった

さっきまで監禁されていた廃屋のような部屋とは比べ物にならないくらいキレイだった

たしかにキレイだった

でも、ちょっとコレ…
『どこのラブホテルッ!!?』

部屋の真ん中に大きな天涯付きの丸いベッド、そして壁は鏡張り
それにエキゾチックな雰囲気をかもし出す間接照明

自愚蔵のセンスを疑った

総悟に手を引かれ中に入ることを促されたがエリカは踏み留まった

『こっ…こんな部屋には入れません!』
『何でィ照れてんのかィ?』
『てっ…そんなんじゃなくてッ!!』

照れてない、と言ったら嘘になる
というかすっごく恥ずかしい

でもそんなことより説明してもらわなきゃならないことがある

『今日のこと、どうゆうことか説明して』
部屋の外から彼をまっすぐ見つめて言った

総悟くんはあたしをまっすぐ見つめ返してこう言った

『お察しの通り、全部俺の仕組んだことでさぁ』
悪びれもなくいってのける総悟

『…なんでこんなことしたの?あたし、ほんとに…怖かったんだから!』
怒りも入り交じり口調は少々強くなる

あの時エリカが感じた恐怖や絶望感を思ったら総悟の何の冗談かわからない悪ふざけは許せるものじゃなかった

涙は必死で堪えながら、エリカは総悟から目を離さずに答えを待った

しばしの沈黙

そして先に口を開いたのは少しだけ気まずそうな総悟くんだった
『…エリカに好きって言わせる為でさァ』

『…は?』

『エリカがなかなか言い出さねぇからちょっと背中を押してやったんでィ』

『はぁぁッ!?』
もう怒りとか憤りとかそういった感情はどこかへ行ってしまった

そんなことの為にこんな大がかりな仕掛けを?迫真の演技を?

『…あ、呆れた』
呆れすぎて力が抜けた
抜けすぎて腰が抜けてエリカはその場にへたりこんだ

あたしは本当に怖くて、総悟くんともう二度と逢えなくなるのが悲しくて頭がどうにかなりそうだったのに

その場で項垂れたあたしの体がフワリと宙に浮いた
『うわぁッ!』

視界一杯に総悟くん
な、なんかお姫様だっこされてる!?

そしてテラテラと艶かしく光を反射させるシーツの上に身を投げ出された
『うひゃあッ!』

『もっと色っぽい声は出せねぇのかィ』
良いながら白いスカーフをほどく仕草が色っぽくてかっけよくてあたしの胸は高鳴った

『ちょっと…なに、…するの』
『何って…ナニでさァ』
ジャケットもベストも脱ぎ捨て軽装になった総悟もベッドに上がりエリカににじり寄る

『な…ナニって…』
わたしも子供じゃない
それがどういうことかが分からない訳じゃないけど…

これ、マジですか?

『好き合った男と女が二人っきり。やることはひとつしかないでさァ』

…マジですか?
好き合ったって言いました?

総悟くんもおんなじ気持ちなの?

『…抵抗すんならもっとハッキリしなせぇよ。嫌がる女を無理矢理なんて…性には合ってるけどエリカにはそんなことしたくねーし』

普段はあたしのことなんてお構いなしなのに、今日はずいぶんしおらしい
そんなギャップにかわいいなんて思ってしまう

『別に嫌じゃない、よ?…でも』
それはほんとの気持ち

『…でも、何?』

でもたしかなものが欲しい
ハッキリとした言葉で聞きたい

『総悟くんの気持ち、言葉にして』

そう思うのはふつうのこと、だよね
だけど自分から好きって言って、みたいなことを言うなんて死ぬほど恥ずかしい

さっきからあたしの頭は沸騰しっぱなし
顔も真っ赤なんだろうな

『エリカ』
静かな声で名前を呼ばれ、弾かれるように顔をあげた

ぶつかる視線、心臓は苦しいくらい高鳴っていた

『同じことは何度も言いやせん。だからしっかり聞きなせェ』

うなずくエリカの目をまっすぐに見つめて総悟はハッキリと口にした

エリカが欲しかった言葉を


『好きだ』

この言葉がこんなに嬉しいものだったなんて、今まで気付きもしなかった


(これで満足かィ)
(…うん)
(あ、そう。じゃあいただきます)

このあとエリカはおいしくいただかれましたとさ
『場所を変えるぜ』
そう言われて連れていかれた部屋は用意した自愚蔵が言ってた通りにキレイだった

さっきまで監禁されていた廃屋のような部屋とは比べ物にならないくらいキレイだった

たしかにキレイだった

でも、ちょっとコレ…
『どこのラブホテルッ!!?』

部屋の真ん中に大きな天涯付きの丸いベッド、そして壁は鏡張り
それにエキゾチックな雰囲気をかもし出す間接照明

自愚蔵のセンスを疑った

総悟に手を引かれ中に入ることを促されたがエリカは踏み留まった

『こっ…こんな部屋には入れません!』
『何でィ照れてんのかィ?』
『てっ…そんなんじゃなくてッ!!』

照れてない、と言ったら嘘になる
というかすっごく恥ずかしい

でもそんなことより説明してもらわなきゃならないことがある

『今日のこと、どうゆうことか説明して』
部屋の外から彼をまっすぐ見つめて言った

総悟くんはあたしをまっすぐ見つめ返してこう言った

『お察しの通り、全部俺の仕組んだことでさぁ』
悪びれもなくいってのける総悟

『…なんでこんなことしたの?あたし、ほんとに…怖かったんだから!』
怒りも入り交じり口調は少々強くなる

あの時エリカが感じた恐怖や絶望感を思ったら総悟の何の冗談かわからない悪ふざけは許せるものじゃなかった

涙は必死で堪えながら、エリカは総悟から目を離さずに答えを待った

しばしの沈黙

そして先に口を開いたのは少しだけ気まずそうな総悟くんだった
『…エリカに好きって言わせる為でさァ』

『…は?』

『エリカがなかなか言い出さねぇからちょっと背中を押してやったんでィ』

『はぁぁッ!?』
もう怒りとか憤りとかそういった感情はどこかへ行ってしまった

そんなことの為にこんな大がかりな仕掛けを?迫真の演技を?

『…あ、呆れた』
呆れすぎて力が抜けた
抜けすぎて腰が抜けてエリカはその場にへたりこんだ

あたしは本当に怖くて、総悟くんともう二度と逢えなくなるのが悲しくて頭がどうにかなりそうだったのに

その場で項垂れたあたしの体がフワリと宙に浮いた
『うわぁッ!』

視界一杯に総悟くん
な、なんかお姫様だっこされてる!?

そしてテラテラと艶かしく光を反射させるシーツの上に身を投げ出された
『うひゃあッ!』

『もっと色っぽい声は出せねぇのかィ』
良いながら白いスカーフをほどく仕草が色っぽくてかっけよくてあたしの胸は高鳴った

『ちょっと…なに、…するの』
『何って…ナニでさァ』
ジャケットもベストも脱ぎ捨て軽装になった総悟もベッドに上がりエリカににじり寄る

『な…ナニって…』
わたしも子供じゃない
それがどういうことかが分からない訳じゃないけど…

これ、マジですか?

『好き合った男と女が二人っきり。やることはひとつしかないでさァ』

…マジですか?
好き合ったって言いました?

総悟くんもおんなじ気持ちなの?

『…抵抗すんならもっとハッキリしなせぇよ。嫌がる女を無理矢理なんて…性には合ってるけどエリカにはそんなことしたくねーし』

普段はあたしのことなんてお構いなしなのに、今日はずいぶんしおらしい
そんなギャップにかわいいなんて思ってしまう

『別に嫌じゃない、よ?…でも』
それはほんとの気持ち

『…でも、何?』

でもたしかなものが欲しい
ハッキリとした言葉で聞きたい

『総悟くんの気持ち、言葉にして』

そう思うのはふつうのこと、だよね
だけど自分から好きって言って、みたいなことを言うなんて死ぬほど恥ずかしい

さっきからあたしの頭は沸騰しっぱなし
顔も真っ赤なんだろうな

『エリカ』
静かな声で名前を呼ばれ、弾かれるように顔をあげた

ぶつかる視線、心臓は苦しいくらい高鳴っていた

『同じことは何度も言いやせん。だからしっかり聞きなせェ』

うなずくエリカの目をまっすぐに見つめて総悟はハッキリと口にした

エリカが欲しかった言葉を


『好きだ』

この言葉がこんなに嬉しいものだったなんて、今まで気付きもしなかった


(これで満足かィ)
(…うん)
(あ、そう。じゃあいただきます)

このあとエリカはおいしくいただかれましたとさ



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