想い、伝う

ガツン、ガツン…
総悟はエリカの願いを聞かず、相変わらずに鎖にコンクリートを打ち付けている

『…総悟くん、お願いだから、早く行って』

一人にしてほしい
怖くて怖くてしょうがなかった
声を上げて泣きわめきたかった

そんな姿を彼に見せる訳にはいかない
エリカは必死で堪えている状態だった

それなのに総悟は一向に動かない

『総悟くんッ!』
『五月蝿ェッ!』
『!!』

はじめてだった
総悟くんがこんなに声を張り上げたのは

『…頼むから、それ以上喋るな』
さっきの怒鳴り声とは違い、それは絞り出すような声だった

冷静沈着とはかけ離れた今の彼の姿

当然だよね
大切な人の命が危険に晒されているんだから

『喋るよ…、だって総悟くんが行かなきゃ真選組のみんなが…』
『俺がこのまま行ったら、エリカはどうなんでィ』

…死んじゃうんだよね、きっと
恐れで体がブルッと震えた

暗がりの中総悟はまっすぐにエリカを見据えていた

エリカの口からは言葉が出てこなかった

『強がってんじゃねーや。怖くてしょうがなくて震え出すのを必死こいて我慢してるくせに』

全部お見通し、だった

『総悟くんには隠し事、できないね…。でも総悟くんが行かなかったら…』

『だからッ!!』
総悟くんはまた声を張り上げた
あたしの言葉を遮るように

『エリカも助けてみんなも救うんでィ、…お前も真選組も失うわけにはいかない大切なもんだから…』

あたしの胸はそのひとことでギュッと締め付けられたみたいだった

あたしも、総悟くんの大切なものの中に入ってたんだ…

今度流れてきた涙は間違いなく嬉し涙だった

『あたし、それが聞けただけで充分だよ…』
涙は流れ続けていたけれど不思議と笑顔で言えた、彼に見えていたかはわからないけれど

『…でもちょっと後悔してるかな、こんなことになるなら…、もっと早く自分の気持ち伝えておくんだったって』
今度は遮らずに黙ってあたしの声に耳を傾けている総悟くん

こんなことに背中を押されて自分の想いを伝えることになるなんて残念すぎるけど、伝えずに終わるくらいなら…

きっかけは何だって構わない

『あたし、総悟くんのこと大好きでした』


もう一緒に居られないなら

せめて君の糧となりたい
(君のためにできること)


thanks!矛盾
ガツン、ガツン…
総悟はエリカの願いを聞かず、相変わらずに鎖にコンクリートを打ち付けている

『…総悟くん、お願いだから、早く行って』

一人にしてほしい
怖くて怖くてしょうがなかった
声を上げて泣きわめきたかった

そんな姿を彼に見せる訳にはいかない
エリカは必死で堪えている状態だった

それなのに総悟は一向に動かない

『総悟くんッ!』
『五月蝿ェッ!』
『!!』

はじめてだった
総悟くんがこんなに声を張り上げたのは

『…頼むから、それ以上喋るな』
さっきの怒鳴り声とは違い、それは絞り出すような声だった

冷静沈着とはかけ離れた今の彼の姿

当然だよね
大切な人の命が危険に晒されているんだから

『喋るよ…、だって総悟くんが行かなきゃ真選組のみんなが…』
『俺がこのまま行ったら、エリカはどうなんでィ』

…死んじゃうんだよね、きっと
恐れで体がブルッと震えた

暗がりの中総悟はまっすぐにエリカを見据えていた

エリカの口からは言葉が出てこなかった

『強がってんじゃねーや。怖くてしょうがなくて震え出すのを必死こいて我慢してるくせに』

全部お見通し、だった

『総悟くんには隠し事、できないね…。でも総悟くんが行かなかったら…』

『だからッ!!』
総悟くんはまた声を張り上げた
あたしの言葉を遮るように

『エリカも助けてみんなも救うんでィ、…お前も真選組も失うわけにはいかない大切なもんだから…』

あたしの胸はそのひとことでギュッと締め付けられたみたいだった

あたしも、総悟くんの大切なものの中に入ってたんだ…

今度流れてきた涙は間違いなく嬉し涙だった

『あたし、それが聞けただけで充分だよ…』
涙は流れ続けていたけれど不思議と笑顔で言えた、彼に見えていたかはわからないけれど

『…でもちょっと後悔してるかな、こんなことになるなら…、もっと早く自分の気持ち伝えておくんだったって』
今度は遮らずに黙ってあたしの声に耳を傾けている総悟くん

こんなことに背中を押されて自分の想いを伝えることになるなんて残念すぎるけど、伝えずに終わるくらいなら…

きっかけは何だって構わない

『あたし、総悟くんのこと大好きでした』


もう一緒に居られないなら

せめて君の糧となりたい
(君のためにできること)


thanks!矛盾



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