嵐の前のなんとやら

『エリカちゃん、彼氏いるの?』

最近よく顔を出す実業家っぽいお客さん
お金持ってそうな人だからこんな小さなスナックよりキャバクラとかが似合いそうなのに…

『そんなのいませんよ〜』
彼氏と呼べるものはもうもう何年も居なかった
寺子屋に通ってた頃に告白されて付き合ったりしてみたけど幼かったこともあり恋人同士みたいなお付き合いをする前になんやかんやでお別れをした

江戸に出てきてからそんな暇なく慌ただしく過ごしていた

…そんな中でも
彼氏になってほしい人ならできましたけど

『そうなんだ、かわいいのに意外だなぁ』
『そんなこと言ったってサービスしませんよ』
『ははは、お世辞なんかじゃないのになぁ』

この人こうゆうの慣れてるんだろうなぁ、と思うばかりで自分のことのように思えなかったりして

でもかわいいと言われて悪い気はしない

総悟くんに言われたら泣いて喜ぶかもしれない…って、それはちょっと大袈裟かもしれないけど

仕事中にふと思い出した彼のこと
…今、何してるのかな
最近飲みに来てくれないな、忙しいのかな

『あれ、エリカちゃん?どうしたの、ボンヤリして』
目の前にお客さんの小刻みに振られた手が現れた

『彼氏はいないってほんとは嘘?今、男のこと考えてたでしょ』

この人、鋭い

『いませんって!ちょっと寝不足でボーッとしちゃっただけです、スイマセン』

お客さんの横でボンヤリしてしまうなんてあたしってばサイテー、気合い入れなきゃ!

『ホントに居ないんだったらさ』
さっきまでのおどけたようなしゃべり方ではなく落ち着いたトーンで紡がれた言葉

お客さんはあたしの方に向き直りこう言った


『俺の彼女にならない?』


彼のこのひとことで巻き起こる人波乱
このときのあたしは知るよしもなかった
『エリカちゃん、彼氏いるの?』

最近よく顔を出す実業家っぽいお客さん
お金持ってそうな人だからこんな小さなスナックよりキャバクラとかが似合いそうなのに…

『そんなのいませんよ〜』
彼氏と呼べるものはもうもう何年も居なかった
寺子屋に通ってた頃に告白されて付き合ったりしてみたけど幼かったこともあり恋人同士みたいなお付き合いをする前になんやかんやでお別れをした

江戸に出てきてからそんな暇なく慌ただしく過ごしていた

…そんな中でも
彼氏になってほしい人ならできましたけど

『そうなんだ、かわいいのに意外だなぁ』
『そんなこと言ったってサービスしませんよ』
『ははは、お世辞なんかじゃないのになぁ』

この人こうゆうの慣れてるんだろうなぁ、と思うばかりで自分のことのように思えなかったりして

でもかわいいと言われて悪い気はしない

総悟くんに言われたら泣いて喜ぶかもしれない…って、それはちょっと大袈裟かもしれないけど

仕事中にふと思い出した彼のこと
…今、何してるのかな
最近飲みに来てくれないな、忙しいのかな

『あれ、エリカちゃん?どうしたの、ボンヤリして』
目の前にお客さんの小刻みに振られた手が現れた

『彼氏はいないってほんとは嘘?今、男のこと考えてたでしょ』

この人、鋭い

『いませんって!ちょっと寝不足でボーッとしちゃっただけです、スイマセン』

お客さんの横でボンヤリしてしまうなんてあたしってばサイテー、気合い入れなきゃ!

『ホントに居ないんだったらさ』
さっきまでのおどけたようなしゃべり方ではなく落ち着いたトーンで紡がれた言葉

お客さんはあたしの方に向き直りこう言った


『俺の彼女にならない?』


彼のこのひとことで巻き起こる人波乱
このときのあたしは知るよしもなかった



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