甘くて甘い

駄菓子屋の前のベンチでは
二月の寒さもお構い無し、昼寝を決め込む男が一人

『沖田くんさぁ、寒くねーの?こんなとこで昼寝なんてよくできんなぁ』

人を小バカにしたようなアイマスクに話しかけると、それはのっそり起き上がった

『何でィ、誰かと思えば旦那じゃねェですか。昨日はバレンタインデーだったってのに駄菓子屋で糖分補給ですかィ?』

起き抜けに絶妙な嫌み
腹立つ奴

『銀さんだって、昨日は糖分たくさんもらいました〜!4人!今年は4人からもらいました〜』

正確にはチョコは3個
新八と山分けだったけどそれくらいの見栄は張らせてくれ

『へぇ〜旦那ァ、ヤるじゃねぇですか。モテる男は違いまさァ』

あくびまじりの言い種

『…ホントにそう思ってる?なんかイラッてしたんだけど』

馬鹿にしてる
ぜってぇー馬鹿にしてんだろ

『そうゆう沖田くんはどうなんよ』
聞いては見たものの、敗北の予感は否めない

この子はバカでドSで破天荒だけど見た目は甘いマスクの爽やか好青年、ではあるからね

『俺ですかィ、俺は一個でしたけど?』

…マジでか
意外なんですけど

『旦那の勝ちでさァ、おめでとうごぜぇます。ほんと旦那には敵わないぜ』

…思ってないよね
心にも無いこと言ってんのバレバレだからね

…でも、その一個って

『あ、総悟くん!』
行き交う人の波をすり抜けてやって来た女の子

『よぅ、買い物帰りかィ』
スーパーの袋をぶら下げて小走りに駆けてきたエリカちゃん

頬をほんのり赤く染めて
まさに恋する乙女モード
沖田くんの隣に居る俺のことなんて眼中にないようで

あー、軽くへこむんですけど


『…あの、昨日の、どうだった?』
もじもじと上目遣いな仕草
かわいいわ、萌えるわ。
それが俺に向いてたらね

『あぁ、うまかったでさァ。それほどつぶれてなかったぜ』
沖田くんも沖田くんで見たことないような極上スマイル
そんな顔もできんのかよ

それを聞いたエリカちゃんは軽やかな足取りでこの場を後にした

『あ、銀さん!居たんですね、全然気づかなかった!』
そう言い残して

泣いてもいいか、コノヤロー

『沖田くんの一個は、もしかして…エリカちゃんの?』

『ケーキでしたぜ、しかもエリカの手作り』
どや顔でニヤリと微笑むドS王子
さっきの天使のような微笑みはいずこへ

わかってるよ
俺の完敗だ


てか、お前ら…
いいかげん付き合っちまえよ!



特別な一個があれば他はなんにもいりません

ってか


沖田くんも意外とロマンチストなやつだったわけですか駄菓子屋の前のベンチでは
二月の寒さもお構い無し、昼寝を決め込む男が一人

『沖田くんさぁ、寒くねーの?こんなとこで昼寝なんてよくできんなぁ』

人を小バカにしたようなアイマスクに話しかけると、それはのっそり起き上がった

『何でィ、誰かと思えば旦那じゃねェですか。昨日はバレンタインデーだったってのに駄菓子屋で糖分補給ですかィ?』

起き抜けに絶妙な嫌み
腹立つ奴

『銀さんだって、昨日は糖分たくさんもらいました〜!4人!今年は4人からもらいました〜』

正確にはチョコは3個
新八と山分けだったけどそれくらいの見栄は張らせてくれ

『へぇ〜旦那ァ、ヤるじゃねぇですか。モテる男は違いまさァ』

あくびまじりの言い種

『…ホントにそう思ってる?なんかイラッてしたんだけど』

馬鹿にしてる
ぜってぇー馬鹿にしてんだろ

『そうゆう沖田くんはどうなんよ』
聞いては見たものの、敗北の予感は否めない

この子はバカでドSで破天荒だけど見た目は甘いマスクの爽やか好青年、ではあるからね

『俺ですかィ、俺は一個でしたけど?』

…マジでか
意外なんですけど

『旦那の勝ちでさァ、おめでとうごぜぇます。ほんと旦那には敵わないぜ』

…思ってないよね
心にも無いこと言ってんのバレバレだからね

…でも、その一個って

『あ、総悟くん!』
行き交う人の波をすり抜けてやって来た女の子

『よぅ、買い物帰りかィ』
スーパーの袋をぶら下げて小走りに駆けてきたエリカちゃん

頬をほんのり赤く染めて
まさに恋する乙女モード
沖田くんの隣に居る俺のことなんて眼中にないようで

あー、軽くへこむんですけど


『…あの、昨日の、どうだった?』
もじもじと上目遣いな仕草
かわいいわ、萌えるわ。
それが俺に向いてたらね

『あぁ、うまかったでさァ。それほどつぶれてなかったぜ』
沖田くんも沖田くんで見たことないような極上スマイル
そんな顔もできんのかよ

それを聞いたエリカちゃんは軽やかな足取りでこの場を後にした

『あ、銀さん!居たんですね、全然気づかなかった!』
そう言い残して

泣いてもいいか、コノヤロー

『沖田くんの一個は、もしかして…エリカちゃんの?』

『ケーキでしたぜ、しかもエリカの手作り』
どや顔でニヤリと微笑むドS王子
さっきの天使のような微笑みはいずこへ

わかってるよ
俺の完敗だ


てか、お前ら…
いいかげん付き合っちまえよ!



特別な一個があれば他はなんにもいりません

ってか


沖田くんも意外とロマンチストなやつだったわけですか


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