晴れ晴れ

コン、コン、コン

人通りの少ないかぶき町の通りから連続して聞こえてくる軽快な音

『やったぁ、またあたしの勝ち!』

『うぅぅ、エリカさん強すぎですよ』

項垂れる新八くんに迫る墨が滴る筆

『さぁ、新八くん。覚悟はいい?』

『はい、もうこんだけ書かれたらどうにでもなれって感じです…』

既に落書きだらけの新八くんの顔にまた一つ、落書きが増えた

あたしたちはお正月らしく羽根つきをしていた


『だらしねーなァ、ぱっつぁんは』

新八くんから羽子板を奪い取り、銀さんがかっこよさげに構えた

『カッコつけてるみたいですが、そうゆうアンタも顔中墨だらけですからね?』

銀さんの顔も既にお墨付き
(エリカさん、それ、意味違います!)

神楽ちゃんの顔にだって付いている

そう、負け無しなのはあたしだけ


ポトッと銀さんの足元に羽根が転がった

『ぐはァァァッ!また負けたァァァッ!』

羽子板を落とし地面に手をつけて項垂れた銀さん

そんな銀さんの額に『肉』と綺麗に書いてあげた


『おー、ずいぶん楽しそうじゃねェですかィ』

通りの角から抑揚のない声と共に現れた見慣れた真っ黒い制服
久しぶりに顔を見せた、総悟くんにあたしは胸を高鳴らせた


『総悟くん、明けましておめでとう!あ、土方さんも明けましておめでとうございます』
『あぁ、どーも』

きっちりと制服に身を固めた二人はお正月なんて関係なくいつも通り見回り中だった

『人が汗水流して働いてるってのにこんな子供みてぇなおもちゃで遊んでるたぁいい気なもんだな』
『ハァ?汗水?マヨネーズの間違いじゃね〜の』

顔を合わした瞬間睨み合う銀さんと土方さん

『なんだとコラァ』
『やんのかコラァ』

二人は何故かお互い羽子板を持ち

『『勝負だァァァッ!』』

羽根つきで勝負を始めた

お正月の伝統の遊びとは思えない激しい戦いを繰り広げていた

それには全く興味なさそうな総悟くんが言った
『羽子板、もうないのかィ、俺もやりてぇ』

…というわけで

銀さんと土方さんの激しい戦いから少し離れたところであたしたちも遊ぶことに

『うわ、あんま跳ばなそうだなコレ』

『言っとくけどあたし、今日負け無しだから覚悟してね』

『言うじゃねーか、お手並み拝見だねィ』

久しぶりに会っても、相変わらずの総悟くん

今年もかわらず、彼と楽しく過ごせるんだと思ったらなんだか嬉しくてしょうがなかった


『…負けた』

『口ほどにもないねィ』
なんやかんやで総悟くんには三連敗

総悟くんてなんでもできちゃうんだなぁ…
カッコイイなぁ…

ぼんやり総悟くんに見とれていたら、彼は筆を持って来た
『エリカ、ツラ貸しな』

『うぅ〜…やっぱ書くの?書いちゃうの?』

『あたりめーでィ、なんたってこれがやりたかったんだからな』

羽根つきしてたときよりも楽しそうな総悟くん
というか、サディスティックな笑顔に見えるんですけど

ひんやりとした感触に身震いする
なんか気持ち悪いし


『………ちょっと書きすぎじゃない?』

『三連敗だからねィ、これくらいで手を打ってやる』

う〜、悔しい〜

『じゃ、俺は行きまさァ』

『え〜、勝ち逃げするの?』

『もうすぐ昼飯なんでね。まぁアンタの挑戦ならいつでも受けまさァ、待ってるぜ』

ヒラヒラッと手を振り帰って行った総悟くん

見えなくなるまで見送って、まだ激しい戦いを眺めている新八くんの元へ

『あ、エリカさん遂に負けたんですね』
あたしの顔を見るや否や新八くんが口にした

『アハハ、いっぱい書かれちゃったよ、総悟くん容赦なくて…』

あたしの顔の落書きをまじまじと見て新八くんが言ったのは
『…でも、よかったですね』
だった

『…え。なんで…』

不思議に思って鏡を覗いてみたら


(ふりそで にあってる)だった

『…く、口で言ってくれればいいのに、ね』
まさかのメッセージに緩む口元、染まる頬

新年早々サプライズ

まったく、君には敵わない



『エリカさん、照れてるんですか?言葉のわりに嬉しそうですけど』

『うるさい!新八くんの癖に生意気〜ッ!』コン、コン、コン

人通りの少ないかぶき町の通りから連続して聞こえてくる軽快な音

『やったぁ、またあたしの勝ち!』

『うぅぅ、エリカさん強すぎですよ』

項垂れる新八くんに迫る墨が滴る筆

『さぁ、新八くん。覚悟はいい?』

『はい、もうこんだけ書かれたらどうにでもなれって感じです…』

既に落書きだらけの新八くんの顔にまた一つ、落書きが増えた

あたしたちはお正月らしく羽根つきをしていた


『だらしねーなァ、ぱっつぁんは』

新八くんから羽子板を奪い取り、銀さんがかっこよさげに構えた

『カッコつけてるみたいですが、そうゆうアンタも顔中墨だらけですからね?』

銀さんの顔も既にお墨付き
(エリカさん、それ、意味違います!)

神楽ちゃんの顔にだって付いている

そう、負け無しなのはあたしだけ


ポトッと銀さんの足元に羽根が転がった

『ぐはァァァッ!また負けたァァァッ!』

羽子板を落とし地面に手をつけて項垂れた銀さん

そんな銀さんの額に『肉』と綺麗に書いてあげた


『おー、ずいぶん楽しそうじゃねェですかィ』

通りの角から抑揚のない声と共に現れた見慣れた真っ黒い制服
久しぶりに顔を見せた、総悟くんにあたしは胸を高鳴らせた


『総悟くん、明けましておめでとう!あ、土方さんも明けましておめでとうございます』
『あぁ、どーも』

きっちりと制服に身を固めた二人はお正月なんて関係なくいつも通り見回り中だった

『人が汗水流して働いてるってのにこんな子供みてぇなおもちゃで遊んでるたぁいい気なもんだな』
『ハァ?汗水?マヨネーズの間違いじゃね〜の』

顔を合わした瞬間睨み合う銀さんと土方さん

『なんだとコラァ』
『やんのかコラァ』

二人は何故かお互い羽子板を持ち

『『勝負だァァァッ!』』

羽根つきで勝負を始めた

お正月の伝統の遊びとは思えない激しい戦いを繰り広げていた

それには全く興味なさそうな総悟くんが言った
『羽子板、もうないのかィ、俺もやりてぇ』

…というわけで

銀さんと土方さんの激しい戦いから少し離れたところであたしたちも遊ぶことに

『うわ、あんま跳ばなそうだなコレ』

『言っとくけどあたし、今日負け無しだから覚悟してね』

『言うじゃねーか、お手並み拝見だねィ』

久しぶりに会っても、相変わらずの総悟くん

今年もかわらず、彼と楽しく過ごせるんだと思ったらなんだか嬉しくてしょうがなかった


『…負けた』

『口ほどにもないねィ』
なんやかんやで総悟くんには三連敗

総悟くんてなんでもできちゃうんだなぁ…
カッコイイなぁ…

ぼんやり総悟くんに見とれていたら、彼は筆を持って来た
『エリカ、ツラ貸しな』

『うぅ〜…やっぱ書くの?書いちゃうの?』

『あたりめーでィ、なんたってこれがやりたかったんだからな』

羽根つきしてたときよりも楽しそうな総悟くん
というか、サディスティックな笑顔に見えるんですけど

ひんやりとした感触に身震いする
なんか気持ち悪いし


『………ちょっと書きすぎじゃない?』

『三連敗だからねィ、これくらいで手を打ってやる』

う〜、悔しい〜

『じゃ、俺は行きまさァ』

『え〜、勝ち逃げするの?』

『もうすぐ昼飯なんでね。まぁアンタの挑戦ならいつでも受けまさァ、待ってるぜ』

ヒラヒラッと手を振り帰って行った総悟くん

見えなくなるまで見送って、まだ激しい戦いを眺めている新八くんの元へ

『あ、エリカさん遂に負けたんですね』
あたしの顔を見るや否や新八くんが口にした

『アハハ、いっぱい書かれちゃったよ、総悟くん容赦なくて…』

あたしの顔の落書きをまじまじと見て新八くんが言ったのは
『…でも、よかったですね』
だった

『…え。なんで…』

不思議に思って鏡を覗いてみたら


(ふりそで にあってる)だった

『…く、口で言ってくれればいいのに、ね』
まさかのメッセージに緩む口元、染まる頬

新年早々サプライズ

まったく、君には敵わない



『エリカさん、照れてるんですか?言葉のわりに嬉しそうですけど』

『うるさい!新八くんの癖に生意気〜ッ!』


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