pray

気がつけばすっかり陽も暮れて

診察に来ていた人、面会に来ていた人の姿はなく病院は静まり返っていた

そこに慌ただしく駆けてくる足音が二つ

総悟くんと近藤さんだった

『ど、どうしたの!?その怪我…』

息を切らしてやって来た総悟くんは何故か傷だらけ

『姉上は…ッ!?』

『あ…、今は集中治療室に』

指を指した先では慌ただしくお医者さんと看護士さんがミツバさんに処置を施している

それをガラス越しに見つめたまま黙り込んでしまった総悟くん

あたしの声なんて届いていなかった
…無理もないけど


『すまなかったな、エリカ。もう大丈夫だから帰りなせェ』

ガラスの向こうのミツバさんを見つめたまま総悟くんはいった

『…無理だよ、このまま帰るなんて』

全然大丈夫じゃないじゃない
声が、震えてる

『何言ってんでィ、アレからずっと居たんだろ?』

…その通りです

『でも…』

『エリカちゃん、ごはんもまだなんだろう?』

間に入って来たのは近藤さんだった

『少し外に出て気を落ち着けてくるといい。ずっと気を張ってたんだろ、顔見たらわかるぞ』
ニッカリ笑顔を見せてくれた近藤さん
そう言われては出ざるを得ない状況に

『万事屋だってこんなにグースカねてるじゃないか、人間休息も必要…って何でコイツがここに?』

よだれを滴ながら長椅子でいびきをかきながら眠っている銀さん

その姿を見たらガクッと気が抜けた

たしかに
ほんの数時間の間で気を張り詰めすぎて肩が凝っていたようだ

『じゃあお言葉に甘えて、少しだけ…』

荷物を手にして、この場を離れる前にチラリと盗み見た総悟くんの横顔
ミツバさんを見つめたまま動かない

心配だよ
こんなに力ない表情の総悟くんを見たことがなくて


でも、そばに居たって何をしてあげられる?

あたしにできることなんて…
何もない

あたしは黙ってその場を後にした


病院の外はもう真っ暗で空には星が輝いていた

あたしは祈った
満天の星空で一際輝くあの星に

どうか

ミツバさんを助けてください


あたしにできることは

祈ることだけ
気がつけばすっかり陽も暮れて

診察に来ていた人、面会に来ていた人の姿はなく病院は静まり返っていた

そこに慌ただしく駆けてくる足音が二つ

総悟くんと近藤さんだった

『ど、どうしたの!?その怪我…』

息を切らしてやって来た総悟くんは何故か傷だらけ

『姉上は…ッ!?』

『あ…、今は集中治療室に』

指を指した先では慌ただしくお医者さんと看護士さんがミツバさんに処置を施している

それをガラス越しに見つめたまま黙り込んでしまった総悟くん

あたしの声なんて届いていなかった
…無理もないけど


『すまなかったな、エリカ。もう大丈夫だから帰りなせェ』

ガラスの向こうのミツバさんを見つめたまま総悟くんはいった

『…無理だよ、このまま帰るなんて』

全然大丈夫じゃないじゃない
声が、震えてる

『何言ってんでィ、アレからずっと居たんだろ?』

…その通りです

『でも…』

『エリカちゃん、ごはんもまだなんだろう?』

間に入って来たのは近藤さんだった

『少し外に出て気を落ち着けてくるといい。ずっと気を張ってたんだろ、顔見たらわかるぞ』
ニッカリ笑顔を見せてくれた近藤さん
そう言われては出ざるを得ない状況に

『万事屋だってこんなにグースカねてるじゃないか、人間休息も必要…って何でコイツがここに?』

よだれを滴ながら長椅子でいびきをかきながら眠っている銀さん

その姿を見たらガクッと気が抜けた

たしかに
ほんの数時間の間で気を張り詰めすぎて肩が凝っていたようだ

『じゃあお言葉に甘えて、少しだけ…』

荷物を手にして、この場を離れる前にチラリと盗み見た総悟くんの横顔
ミツバさんを見つめたまま動かない

心配だよ
こんなに力ない表情の総悟くんを見たことがなくて


でも、そばに居たって何をしてあげられる?

あたしにできることなんて…
何もない

あたしは黙ってその場を後にした


病院の外はもう真っ暗で空には星が輝いていた

あたしは祈った
満天の星空で一際輝くあの星に

どうか

ミツバさんを助けてください


あたしにできることは

祈ることだけ



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