ひび割れハート

銀さんがやって来た病室は
さっきの重たい雰囲気が嘘のよう

くだらない話で盛り上がっては笑い声が漏れていた

しばらくして検査だとかでミツバさんは看護師さんと病室を出ていった

それでもあたしたちは病室に残っていた

なぜかと言うと

『すぐ終わるから、良かったら待っててくれないかしら。まだ誰かとお話ししていたいわ』
ミツバさんにお願いされたから

シ…ンとする病室

ふとさっきの事を思い出した

土方さんの名前を口にしたときの二人の異変

『ねぇ銀さん、ミツバさんと土方さんて…昔なんかあったのかな』

『ンぁ?何だよ藪から棒に』
ミツバさんへのお見舞いのフルーツを遠慮なく手を付けていた銀さんはその手を止めた

『ちょっと名前出したくらいで微妙な反応するんですもん、二人とも』

土方さんだけなら気のせいで済んだ

けれど、総悟くんの豹変ぶりは気のせいなんかじゃ済まされない

『男と女が出会えば何かが起こる、そうゆうもんだ』

どうゆうもん?

『昔、付き合ってたのかな』

『かもね〜』

『何、その気の無い返事!』

『銀さん人の色恋沙汰なんかに構ってるほど暇人じゃないから』

ムゥ…

なによ、いつもグータラジャンプ読んでるだけの暇人じゃない

『人の事より自分はどーなの』
『はい?』

『だぁーかぁーらぁー、沖田くんとどうなってんの?』

『ンなッ…何がッ!』

『とぼけんな〜コノヤロー』

話が怪しい雲行きに…

『あたしの事よりミツバさんと土方さん!』

『俺はエリカちゃんの話が聞きたいんですけどォ〜』

『俺もエリカさんと隊長の方が気になりますね』

突如会話に入ってきた第三者
けれど病室にその姿はない

…………?
おかしな事にその声は天井から聞こえた気がした

銀さんは黙って木刀に手をかけた

そして大きく振りかぶって

『チェストォォォオッ!!』

放り投げた

洞爺湖がぐっさり天井に突き刺さると同時に

『ギャアアアアッ!!』

天井板と一緒に落ちてきたのは

『山崎さんッ!?』

『しまったァァァッ!つい気になってたから相づちしてしまったァァァ!』

真っ黒な忍装束に身を包んだアフロの山崎さん
その手には真選組ソーセージが握られていた

『テメェはそこで何してンだコノヤロー』

木刀を手に山崎さんに詰め寄る銀さんはヤクザかってくらいすごい剣幕

『真選組ってのは市民の平和を守るためにストーカーする集団か、そうなのか』

『だ、旦那〜、コレにはいろいろと深い訳が…』

『言い訳無用!変態ストーカーには制裁をくわえてやらァ、ちょっと屋上来いや』

『ひぃぃぃッ!』

そう言ってアフロ山崎さんを引きずりながら病室を出ていった


一人きり
残された病室はあまりに静かで

胸の奥
ずっとずっと奥の方にしまってた想い

じわじわと溢れてくる

それは染み出すように


ヨミガエル過去の記憶


独りぼっちになったあの日も

あたしはこうして静かな病室で一人待っていた

戻るはずの無い家族を

冷たい手を握りながら



夢ナラ、早ク醒メテヨ銀さんがやって来た病室は
さっきの重たい雰囲気が嘘のよう

くだらない話で盛り上がっては笑い声が漏れていた

しばらくして検査だとかでミツバさんは看護師さんと病室を出ていった

それでもあたしたちは病室に残っていた

なぜかと言うと

『すぐ終わるから、良かったら待っててくれないかしら。まだ誰かとお話ししていたいわ』
ミツバさんにお願いされたから

シ…ンとする病室

ふとさっきの事を思い出した

土方さんの名前を口にしたときの二人の異変

『ねぇ銀さん、ミツバさんと土方さんて…昔なんかあったのかな』

『ンぁ?何だよ藪から棒に』
ミツバさんへのお見舞いのフルーツを遠慮なく手を付けていた銀さんはその手を止めた

『ちょっと名前出したくらいで微妙な反応するんですもん、二人とも』

土方さんだけなら気のせいで済んだ

けれど、総悟くんの豹変ぶりは気のせいなんかじゃ済まされない

『男と女が出会えば何かが起こる、そうゆうもんだ』

どうゆうもん?

『昔、付き合ってたのかな』

『かもね〜』

『何、その気の無い返事!』

『銀さん人の色恋沙汰なんかに構ってるほど暇人じゃないから』

ムゥ…

なによ、いつもグータラジャンプ読んでるだけの暇人じゃない

『人の事より自分はどーなの』
『はい?』

『だぁーかぁーらぁー、沖田くんとどうなってんの?』

『ンなッ…何がッ!』

『とぼけんな〜コノヤロー』

話が怪しい雲行きに…

『あたしの事よりミツバさんと土方さん!』

『俺はエリカちゃんの話が聞きたいんですけどォ〜』

『俺もエリカさんと隊長の方が気になりますね』

突如会話に入ってきた第三者
けれど病室にその姿はない

…………?
おかしな事にその声は天井から聞こえた気がした

銀さんは黙って木刀に手をかけた

そして大きく振りかぶって

『チェストォォォオッ!!』

放り投げた

洞爺湖がぐっさり天井に突き刺さると同時に

『ギャアアアアッ!!』

天井板と一緒に落ちてきたのは

『山崎さんッ!?』

『しまったァァァッ!つい気になってたから相づちしてしまったァァァ!』

真っ黒な忍装束に身を包んだアフロの山崎さん
その手には真選組ソーセージが握られていた

『テメェはそこで何してンだコノヤロー』

木刀を手に山崎さんに詰め寄る銀さんはヤクザかってくらいすごい剣幕

『真選組ってのは市民の平和を守るためにストーカーする集団か、そうなのか』

『だ、旦那〜、コレにはいろいろと深い訳が…』

『言い訳無用!変態ストーカーには制裁をくわえてやらァ、ちょっと屋上来いや』

『ひぃぃぃッ!』

そう言ってアフロ山崎さんを引きずりながら病室を出ていった


一人きり
残された病室はあまりに静かで

胸の奥
ずっとずっと奥の方にしまってた想い

じわじわと溢れてくる

それは染み出すように


ヨミガエル過去の記憶


独りぼっちになったあの日も

あたしはこうして静かな病室で一人待っていた

戻るはずの無い家族を

冷たい手を握りながら



夢ナラ、早ク醒メテヨ


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