嵐の前のなんとやら

キムチ鍋の真っ赤なスープ
その中に足を滑らせて溺れる夢を見ていた

もがいてもがいて
でも思うように泳げなくて

飲みたくないのにスープを沢山飲んじゃって…

『しかも超辛ッ!』

ガバッと身を起こしたあたしの目の前にまっしろな綿あめ…
じゃなくて銀さんの頭

『おー、やっと起きたかコノヤロー』
何故かあたしは銀さんにおんぶされて夕暮れのかぶき町を歩いているとこだった

『あれ、あたし寝てた?しかもなんでおんぶ?』
自分がなんでこの状況下にあるか全く分からなかった

『エリカちゃんね、気失ってたんだわ…、ものすごいもん食べて』

あ、そういえば…
そうだったっけ…

あんな甘くて辛いもの、もう二度と食べたくないな…
思い出してため息が溢れた

でもあれはもしかしたら沖田家の洗礼みたいなものなのかもしれない

食べれなかったあたしは認めてもらえないとか…
どうしましょう


『…あ、ごめんなさい。重かったよね、もう歩けます』

居心地が良くてしばらく身を預けていた銀さんの背中
慌てて降りようにも銀さんは歩みを止めてくれなくて

『いいからいいから、エリカちゃんの一人や二人おんぶするなんざ赤子の首を捻るより楽チンだから』

『でも…、』

『たまには甘えてちょーだいよ、男は甘えて貰うと嬉しいもんなのよ。それにエリカちゃんにはいつも世話になってばっかだしなァ』
今日の銀さんはなんだかやさしい

こんなこと銀さんに言ったらいつも優しいでしょーが、とか言われそうだけど

今日ばかりはお言葉に甘えて
背中を借りることにします


大きくてあったかい背中

『…お父さんみたい』

『ちょ…、そりゃないんじゃねぇの?せめてお兄ちゃんとか…』

『…zzZ』

『…って寝たの!?お前はのび太くんかァァァッ!』


お父さんの背中に揺られてるといつの間にか寝ちゃうんだよね
小さな頃はいつもそうだった

心地よいゆりかごみたいな




背中から聞こえてくる規則的な寝息
どんだけ安心されてんだよ、俺は

嬉しい反面、全然意識されてないのはつまらなかったりもする

『気持ち良さそうに寝やがって…』

勝手に部屋に上がるわけにもいかないし、起こすのも忍びない

だったらとりあえず家に連れていこう、と万事屋に足を向けたときだった



『旦那ァ』

背後から聞こえたその声は
沖田くんの声だったキムチ鍋の真っ赤なスープ
その中に足を滑らせて溺れる夢を見ていた

もがいてもがいて
でも思うように泳げなくて

飲みたくないのにスープを沢山飲んじゃって…

『しかも超辛ッ!』

ガバッと身を起こしたあたしの目の前にまっしろな綿あめ…
じゃなくて銀さんの頭

『おー、やっと起きたかコノヤロー』
何故かあたしは銀さんにおんぶされて夕暮れのかぶき町を歩いているとこだった

『あれ、あたし寝てた?しかもなんでおんぶ?』
自分がなんでこの状況下にあるか全く分からなかった

『エリカちゃんね、気失ってたんだわ…、ものすごいもん食べて』

あ、そういえば…
そうだったっけ…

あんな甘くて辛いもの、もう二度と食べたくないな…
思い出してため息が溢れた

でもあれはもしかしたら沖田家の洗礼みたいなものなのかもしれない

食べれなかったあたしは認めてもらえないとか…
どうしましょう


『…あ、ごめんなさい。重かったよね、もう歩けます』

居心地が良くてしばらく身を預けていた銀さんの背中
慌てて降りようにも銀さんは歩みを止めてくれなくて

『いいからいいから、エリカちゃんの一人や二人おんぶするなんざ赤子の首を捻るより楽チンだから』

『でも…、』

『たまには甘えてちょーだいよ、男は甘えて貰うと嬉しいもんなのよ。それにエリカちゃんにはいつも世話になってばっかだしなァ』
今日の銀さんはなんだかやさしい

こんなこと銀さんに言ったらいつも優しいでしょーが、とか言われそうだけど

今日ばかりはお言葉に甘えて
背中を借りることにします


大きくてあったかい背中

『…お父さんみたい』

『ちょ…、そりゃないんじゃねぇの?せめてお兄ちゃんとか…』

『…zzZ』

『…って寝たの!?お前はのび太くんかァァァッ!』


お父さんの背中に揺られてるといつの間にか寝ちゃうんだよね
小さな頃はいつもそうだった

心地よいゆりかごみたいな




背中から聞こえてくる規則的な寝息
どんだけ安心されてんだよ、俺は

嬉しい反面、全然意識されてないのはつまらなかったりもする

『気持ち良さそうに寝やがって…』

勝手に部屋に上がるわけにもいかないし、起こすのも忍びない

だったらとりあえず家に連れていこう、と万事屋に足を向けたときだった



『旦那ァ』

背後から聞こえたその声は
沖田くんの声だった


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