fragile

公園のベンチで
隣に座っていた総悟くんは副長さんの電話で呼び出され渋々仕事に戻っていった

それと入れ替わるように

『あら、エリカさん?久しぶりね』

いつかの江戸見物以来の再会、ミツバさんだった

『ひとりかしら?総ちゃんは?』

『あ、今仕事に戻ったとこで…』

『あら、そうだったの』
少し残念そうな顔を見せたミツバさんはあたしのとなりに腰かけた

『ところでエリカさん、なにかいいことあった?』
『え?』

突拍子もなく尋ねてきたミツバさんにあたしは目を丸くするしかできなくて

『嬉しそうな顔でぼんやりしてたから…、総ちゃんとなにかあったとか?』

ミツバさん、あなたはエスパーですか?

『付き合うことになったとか?』
『ままままさかッ!!あたしたち全然そんな感じじゃなくて…』
『そうかしら、回りから見たら結構いい感じだと思うのに…』

……マジでか

そんなこと言われたらあたし、調子に乗っちゃいますけど

『総ちゃんが江戸で元気で楽しくやってるみたいで本当によかった』
ニコッと笑みを浮かべたミツバさん

総悟くんの話をする彼女は姉である以上に母のような優しげな顔をする

『ああゆう子だから人とうまく付き合っていけるか心配で…でも坂田さんみたいなお友だちとかエリカさんみたいなかわいい彼女が居るとわかって、本当に安心したのよ』

『か、彼女じゃないですからね?あたし…』

そりゃ、そうなればいいなって思ってはいるけど…

『わたしは安心してお嫁に行けるわ』
結婚式が控えてるミツバさん

そう呟く顔はさぞかし幸せに満ち溢れているのだろう
覗き込んだその顔は憂いを帯びた切な気な顔だった

儚くて
今にも消えそうな笑顔


それはとても綺麗で
でもそれ以上に切なくなる
そんな笑顔だった


その夜だった
ミツバさんが倒れて、入院したと知らされたのは公園のベンチで
隣に座っていた総悟くんは副長さんの電話で呼び出され渋々仕事に戻っていった

それと入れ替わるように

『あら、エリカさん?久しぶりね』

いつかの江戸見物以来の再会、ミツバさんだった

『ひとりかしら?総ちゃんは?』

『あ、今仕事に戻ったとこで…』

『あら、そうだったの』
少し残念そうな顔を見せたミツバさんはあたしのとなりに腰かけた

『ところでエリカさん、なにかいいことあった?』
『え?』

突拍子もなく尋ねてきたミツバさんにあたしは目を丸くするしかできなくて

『嬉しそうな顔でぼんやりしてたから…、総ちゃんとなにかあったとか?』

ミツバさん、あなたはエスパーですか?

『付き合うことになったとか?』
『ままままさかッ!!あたしたち全然そんな感じじゃなくて…』
『そうかしら、回りから見たら結構いい感じだと思うのに…』

……マジでか

そんなこと言われたらあたし、調子に乗っちゃいますけど

『総ちゃんが江戸で元気で楽しくやってるみたいで本当によかった』
ニコッと笑みを浮かべたミツバさん

総悟くんの話をする彼女は姉である以上に母のような優しげな顔をする

『ああゆう子だから人とうまく付き合っていけるか心配で…でも坂田さんみたいなお友だちとかエリカさんみたいなかわいい彼女が居るとわかって、本当に安心したのよ』

『か、彼女じゃないですからね?あたし…』

そりゃ、そうなればいいなって思ってはいるけど…

『わたしは安心してお嫁に行けるわ』
結婚式が控えてるミツバさん

そう呟く顔はさぞかし幸せに満ち溢れているのだろう
覗き込んだその顔は憂いを帯びた切な気な顔だった

儚くて
今にも消えそうな笑顔


それはとても綺麗で
でもそれ以上に切なくなる
そんな笑顔だった


その夜だった
ミツバさんが倒れて、入院したと知らされたのは


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