『エリカちゃん、明日大仕事があるんだわ…。手伝ってくんない?』
お酒が入っている割りに真剣な表情の銀さん。
そんな切羽詰まった顔で頼まれたら、断るに断れないじゃない…(暇だから断る気は無かったけど)
眠らない街、かぶき町でエリカは一人暮らし
夜はスナックお登勢で働いて、暇なときは万事屋銀ちゃんのお手伝い
結構忙しない日々を送っている。
翌日、万事屋の戸を開くと既に三人は揃っていたが…
様子がおかしい。
エプロン姿に手ぬぐいを頭にまいて(神楽ちゃんは何故か泥棒みたいにかぶり方で)手には叩きやらモップやら雑巾やらを装備していた。
『なに?その恰好…、なにが始まるの?』
『何って大掃除に決まってるでしょーが』
『こんな夏の真っ盛りに?』
外ではセミが鳴いてましたけど
『今年の汚れは今年のうちに落とすアル』
『今年はまだ半分くらい残ってるよ?すぐ汚れちゃうよ?』
すぐ足場が無いくらい散らかしちゃう銀さんと神楽ちゃん
どうせ年末には大掃除しなくちゃならなくなるんだから今しなくても…
『大掃除というより大捜索なんです。銀さんがお登勢さんに渡すはずだった家賃を無くしたとかで…大掃除は名目みたいなもんです』
二人とは若干温度差を感じる新八くんが呆れ顔で呟いた。
…なるほど
『っつー訳だ!始めんぞコノヤロー』
『『『はーい』』』
勢いだけで始まった夏の大掃除
やるからには隅々まで綺麗にしてやるわ!!
うぉおおおおッ!
ゴミ袋を片手に部屋を一周すればすぐにパンパンになった
ソファや銀さんのデスクの回りに散乱するジャンプを束ねればリビングは大分スッキリとした
でもお金らしきものは見つからない
無くした物って意外なとこで見つかりますよね
無くしたーとか言って普通に机んなかにあったりして…
エリカは手が届く引き出しを開けてみた
………。
『銀さん、結構マニアックなのが好きなんですね?』
エッチな本とDVD発見しました。
痴漢プレイ?…なにそれ
『チョットォオオッ!なーに見ちゃってんの!?男の子の机んなか勝手に見るなんて反則!イエローカードですーッ!』
じとー…っとした視線を送る新八くんと神楽ちゃん
『いや、これ、長谷川さんのだから。無理矢理貸してくれたやつ…』
『銀さん、見苦しいわよ』
わざとらしい口調で非難しながら、興味本意でエッチな本を開いてみた
『コラッ!女の子がそんなもん見ちゃだめですー!』
っと奪い返そうと伸びてきた銀さんの手をかわしてパラパラめくってみる
『銀さんえっちー、過激ですー』
とあるページを開いたときにヒラリと白い封筒が落ちた
『…ん?これ…、お金入ってますけど』
中には一万円札が数枚
『あ…』
銀さんの額に冷や汗が浮かんだ
『あ〜、そうだ、こっそり読んでてテメェらが定春の散歩から帰って来たから〜…慌ててはさんじゃったんだ〜。今思い出し、ヘブッ!』
銀さんが言い終わる前に飛んできた神楽ちゃんの鉄拳
『ふざけんなーッ』
新八くんと、定春も加わって銀さんを袋叩き
うん、お金も見つかって一件落着。
『いやいやいや!全然そんなんじゃないんですけどー、タコ殴りでおしまいとか…こち亀の両さんみたいなんですけどー』
『じゃあこの家賃、私からお登勢さんに渡しておきますね』
…今回の報酬分は抜かせていただきますけど
『チョットォッ、なにさりげなく抜いてんの!?』
『だって、いつも曖昧にされて報酬貰えないから』
『だったらわたしも欲しいアルー』
『僕だっていい加減給料欲しいですよー』
『だぁああああッ!』
エリカの手から封筒を奪い返した銀さんは神風の如く
そのまま家を飛び出した
『ババァにサッサと渡しちまうのが得策だッ』
『待つアルーッ!それで酢こんぶ沢山買うアルーッ!』
定春に乗った神楽ちゃんも後を追って部屋を飛び出した
まだ片付けの終わらない部屋に残された新八くんと私
『…お茶でも飲みましょうか』
『そだね、そうしよう』
今日も万事屋は元気です。
.『エリカちゃん、明日大仕事があるんだわ…。手伝ってくんない?』
お酒が入っている割りに真剣な表情の銀さん。
そんな切羽詰まった顔で頼まれたら、断るに断れないじゃない…(暇だから断る気は無かったけど)
眠らない街、かぶき町でエリカは一人暮らし
夜はスナックお登勢で働いて、暇なときは万事屋銀ちゃんのお手伝い
結構忙しない日々を送っている。
翌日、万事屋の戸を開くと既に三人は揃っていたが…
様子がおかしい。
エプロン姿に手ぬぐいを頭にまいて(神楽ちゃんは何故か泥棒みたいにかぶり方で)手には叩きやらモップやら雑巾やらを装備していた。
『なに?その恰好…、なにが始まるの?』
『何って大掃除に決まってるでしょーが』
『こんな夏の真っ盛りに?』
外ではセミが鳴いてましたけど
『今年の汚れは今年のうちに落とすアル』
『今年はまだ半分くらい残ってるよ?すぐ汚れちゃうよ?』
すぐ足場が無いくらい散らかしちゃう銀さんと神楽ちゃん
どうせ年末には大掃除しなくちゃならなくなるんだから今しなくても…
『大掃除というより大捜索なんです。銀さんがお登勢さんに渡すはずだった家賃を無くしたとかで…大掃除は名目みたいなもんです』
二人とは若干温度差を感じる新八くんが呆れ顔で呟いた。
…なるほど
『っつー訳だ!始めんぞコノヤロー』
『『『はーい』』』
勢いだけで始まった夏の大掃除
やるからには隅々まで綺麗にしてやるわ!!
うぉおおおおッ!
ゴミ袋を片手に部屋を一周すればすぐにパンパンになった
ソファや銀さんのデスクの回りに散乱するジャンプを束ねればリビングは大分スッキリとした
でもお金らしきものは見つからない
無くした物って意外なとこで見つかりますよね
無くしたーとか言って普通に机んなかにあったりして…
エリカは手が届く引き出しを開けてみた
………。
『銀さん、結構マニアックなのが好きなんですね?』
エッチな本とDVD発見しました。
痴漢プレイ?…なにそれ
『チョットォオオッ!なーに見ちゃってんの!?男の子の机んなか勝手に見るなんて反則!イエローカードですーッ!』
じとー…っとした視線を送る新八くんと神楽ちゃん
『いや、これ、長谷川さんのだから。無理矢理貸してくれたやつ…』
『銀さん、見苦しいわよ』
わざとらしい口調で非難しながら、興味本意でエッチな本を開いてみた
『コラッ!女の子がそんなもん見ちゃだめですー!』
っと奪い返そうと伸びてきた銀さんの手をかわしてパラパラめくってみる
『銀さんえっちー、過激ですー』
とあるページを開いたときにヒラリと白い封筒が落ちた
『…ん?これ…、お金入ってますけど』
中には一万円札が数枚
『あ…』
銀さんの額に冷や汗が浮かんだ
『あ〜、そうだ、こっそり読んでてテメェらが定春の散歩から帰って来たから〜…慌ててはさんじゃったんだ〜。今思い出し、ヘブッ!』
銀さんが言い終わる前に飛んできた神楽ちゃんの鉄拳
『ふざけんなーッ』
新八くんと、定春も加わって銀さんを袋叩き
うん、お金も見つかって一件落着。
『いやいやいや!全然そんなんじゃないんですけどー、タコ殴りでおしまいとか…こち亀の両さんみたいなんですけどー』
『じゃあこの家賃、私からお登勢さんに渡しておきますね』
…今回の報酬分は抜かせていただきますけど
『チョットォッ、なにさりげなく抜いてんの!?』
『だって、いつも曖昧にされて報酬貰えないから』
『だったらわたしも欲しいアルー』
『僕だっていい加減給料欲しいですよー』
『だぁああああッ!』
エリカの手から封筒を奪い返した銀さんは神風の如く
そのまま家を飛び出した
『ババァにサッサと渡しちまうのが得策だッ』
『待つアルーッ!それで酢こんぶ沢山買うアルーッ!』
定春に乗った神楽ちゃんも後を追って部屋を飛び出した
まだ片付けの終わらない部屋に残された新八くんと私
『…お茶でも飲みましょうか』
『そだね、そうしよう』
今日も万事屋は元気です。
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