魔法にかけられてA

ニャー

不安な思考を打ち消してくれたひと声

お腹空いたーと言わんばかりにキッチンで座って此方を見つめている猫

…ほんと
あたしにお構い無しなところは誰かさんソックリね

焼き魚とご飯
お粗末な猫まんま

『ゴメン、こんなものしか無かった』
そう言って猫の前に差し出すとすぐには食べずチラリと私を一瞥した

コレだけじゃ不満だとでも言うように

『ありがたく思ってよねー、それ明日食べるはずだったあたしのオカズだったんだから』

それでようやく食べはじめた
食べ出せば満足いかないご飯も美味しそうに口にしてる

余程お腹空いてたんだね

『君さぁ、どっかで総悟くん見てないかな』
猫の柔らかい毛を撫で付けながら呟くように問いかけた

猫は言葉が顔を上げた

まるで言葉が通じているかのように思わせる

『自由奔放で好き勝手してるような人なんだ、君にソックリなの…』

ニャー

猫は構わずご飯を食べ始める

わかるはず無いよね
いくら彼が猫っぽいからって猫が彼を知るわけがない

『ごめん変なこと、聞いちゃった』

明日、この子の飼い主探しと一緒に総悟くんのことも頼もう

…お金はあんまりないけど

あーもう
お風呂入って寝よう

湯槽に湯を張っている間に
猫の体を洗ってあげた
猫は濡れるのが嫌いだと聞いていたのにこの子は為すがままおとなしく洗われている

不思議な子

あたしがお風呂に入るとき浴室から追い出すと名残惜しそうに此方をみていたし

まさか湯船につかりたかったわけじゃ無いよね

寝るときも当然のように布団に潜り込んできた
やっぱりこの子飼い猫なのかな

『オヤスミ、ネコちゃん』

猫の鼻先にオヤスミのキスをして
あたしは眠りについた

肌寒い晩秋の夜
体温が高い猫の温もりが心地よかった

眠れないくらい不安を感じてたと思っていたけど、不思議と眠りは深かったようで


外から聞こえる鳥の囀ずりに朝を迎えたことを知らされた

微睡みの中、僅かに息苦しさを憶えうっすら目を開けた

しかし視界は真っ黒で

『アレ…もう朝じゃ…』
もぞもぞと布団から顔を出すと目に写る景色に絶句した

『…今日は日曜だろォ、まだ寝かせてくれィ』

…な、…な、

『何でェェェ!』

隣で寝ていた猫が
ものすごく大きな猫に変わってました

『何でィ、煩せェな…。…アリ?元に戻ってら』
自分の手をしげしげと眺めながら訳のわからないことを言う総悟くん

『な…なんで総悟くんが此処で寝てんの!?猫は?え!?何これ!』

『昨日の猫は俺だ、何の因果か二日前の晩に気づいたら猫になってたんでィ』

ちょっとまって
頭が破裂しそう

『神社の猫虐めて遊んでたのが悪かったんかな』

『いやいや、そんなことって…』

『しかし、エリカがあんなに俺のことを心配してるたァ思いもしやせんでしたねィ』
ニヤリと笑みを浮かべた総悟くん

『俺が猫みたいに自由奔放で好き勝手な奴だって?』

それは…
あたしがあの猫に呟いた独り言

『嘘、ほ、ホントの話なの?』

『マジでさァ』

今度は恥ずかしさで頭がどうにかなりそう

だって…
あたし、フツーに着替えたりしちゃったじゃないのよォォォ!

『恥ずかしがることはねぇでさァ、スタイルは悪くな…』
『バカァァァァ!!』

エリカの大声の後に響き渡った乾いた音



『あ、沖田くんこんなに早く朝帰り?…てかほっぺた赤くね?』
同じく朝帰りらしい旦那に遭遇

『何でかわかんねーけど追い出されやした』
エリカのやつ、思いっきりひっぱたきやがって…
まだジンジンしてらァ

『何?どぎついプレイでもした?ってか君、行方不明って聞いたけど』

『ちょっくら猫になってましてね、色々大変だったんでさァ』

なんで猫になったかわかんねーけど…

それほど悪くなかった


君の本音が見えたから


ニャー

不安な思考を打ち消してくれたひと声

お腹空いたーと言わんばかりにキッチンで座って此方を見つめている猫

…ほんと
あたしにお構い無しなところは誰かさんソックリね

焼き魚とご飯
お粗末な猫まんま

『ゴメン、こんなものしか無かった』
そう言って猫の前に差し出すとすぐには食べずチラリと私を一瞥した

コレだけじゃ不満だとでも言うように

『ありがたく思ってよねー、それ明日食べるはずだったあたしのオカズだったんだから』

それでようやく食べはじめた
食べ出せば満足いかないご飯も美味しそうに口にしてる

余程お腹空いてたんだね

『君さぁ、どっかで総悟くん見てないかな』
猫の柔らかい毛を撫で付けながら呟くように問いかけた

猫は言葉が顔を上げた

まるで言葉が通じているかのように思わせる

『自由奔放で好き勝手してるような人なんだ、君にソックリなの…』

ニャー

猫は構わずご飯を食べ始める

わかるはず無いよね
いくら彼が猫っぽいからって猫が彼を知るわけがない

『ごめん変なこと、聞いちゃった』

明日、この子の飼い主探しと一緒に総悟くんのことも頼もう

…お金はあんまりないけど

あーもう
お風呂入って寝よう

湯槽に湯を張っている間に
猫の体を洗ってあげた
猫は濡れるのが嫌いだと聞いていたのにこの子は為すがままおとなしく洗われている

不思議な子

あたしがお風呂に入るとき浴室から追い出すと名残惜しそうに此方をみていたし

まさか湯船につかりたかったわけじゃ無いよね

寝るときも当然のように布団に潜り込んできた
やっぱりこの子飼い猫なのかな

『オヤスミ、ネコちゃん』

猫の鼻先にオヤスミのキスをして
あたしは眠りについた

肌寒い晩秋の夜
体温が高い猫の温もりが心地よかった

眠れないくらい不安を感じてたと思っていたけど、不思議と眠りは深かったようで


外から聞こえる鳥の囀ずりに朝を迎えたことを知らされた

微睡みの中、僅かに息苦しさを憶えうっすら目を開けた

しかし視界は真っ黒で

『アレ…もう朝じゃ…』
もぞもぞと布団から顔を出すと目に写る景色に絶句した

『…今日は日曜だろォ、まだ寝かせてくれィ』

…な、…な、

『何でェェェ!』

隣で寝ていた猫が
ものすごく大きな猫に変わってました

『何でィ、煩せェな…。…アリ?元に戻ってら』
自分の手をしげしげと眺めながら訳のわからないことを言う総悟くん

『な…なんで総悟くんが此処で寝てんの!?猫は?え!?何これ!』

『昨日の猫は俺だ、何の因果か二日前の晩に気づいたら猫になってたんでィ』

ちょっとまって
頭が破裂しそう

『神社の猫虐めて遊んでたのが悪かったんかな』

『いやいや、そんなことって…』

『しかし、エリカがあんなに俺のことを心配してるたァ思いもしやせんでしたねィ』
ニヤリと笑みを浮かべた総悟くん

『俺が猫みたいに自由奔放で好き勝手な奴だって?』

それは…
あたしがあの猫に呟いた独り言

『嘘、ほ、ホントの話なの?』

『マジでさァ』

今度は恥ずかしさで頭がどうにかなりそう

だって…
あたし、フツーに着替えたりしちゃったじゃないのよォォォ!

『恥ずかしがることはねぇでさァ、スタイルは悪くな…』
『バカァァァァ!!』

エリカの大声の後に響き渡った乾いた音



『あ、沖田くんこんなに早く朝帰り?…てかほっぺた赤くね?』
同じく朝帰りらしい旦那に遭遇

『何でかわかんねーけど追い出されやした』
エリカのやつ、思いっきりひっぱたきやがって…
まだジンジンしてらァ

『何?どぎついプレイでもした?ってか君、行方不明って聞いたけど』

『ちょっくら猫になってましてね、色々大変だったんでさァ』

なんで猫になったかわかんねーけど…

それほど悪くなかった


君の本音が見えたから





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