02



『これ、つまらないものですが』
お菓子の詰め合わせであろう小綺麗な箱を差し出すミニスカポリスちゃん

銀時のとなりで『きゃほーい』と歓声をあげる神楽と丁寧にお礼を言う新八
銀時はといえば豆鉄砲食らった鳩状態


『…えと、これは一体どうゆうアレなのかな〜』
飲み込めない事態にズバリ単刀直入に問う

顔を上げた彼女とぶつかる視線

ドキッと胸が高鳴った

『昨日はほんとに申し訳ありませんでした!』
言葉と同時に頭を下げた彼女に我が目を疑った
銀時の横で新八も首をかしげていた

『今朝聞いたんです、昨日のアレはあたしの勘違いだったって。誤認逮捕だったって…』
申し訳無さそうに顔を上げた彼女は恐る恐る銀時に目をやった

怯えた子犬みたいなその顔がビックリするくらいかわいくて普段なら弾丸のように飛び出してくるだろう文句が喉の奥に引っ込んだ

なによりホッとした、誤解が解けたことに

『いや、全然気にして無かったし〜?言われるまで忘れてたくらいだし〜?』
ハハハと笑いながらさっきまでの自分と正反対のことを言う

『嘘言わないでください。さっきまでじめじめへこんでたブベラッ!!』
隣でごちゃごちゃ言い出した新八を力ずくで口を塞ぐ
『そうネ、ため息ばっかで鬱陶しかったネ』
神楽の口は封じるどころか返り討ちに遇い殴られた

『いや、ほんと、ぜんぜん気にしてなからー。なんのことやらー』
殴られ鼻血を垂らしながら毅然とした素振りで言ってのけた銀時

それを見て目の前の彼女が
『………プッ、くくくっ』

笑った

『アハハハッ!もうだめ!鼻血拭いてーッ!アハハハッ』
自分の情けない顔を見て笑っている
指を指してまで笑ってる

不名誉なことだ
男としてのポイントはもう昨日の時点で落ちるとこまで落ちているだろう

けれど
今目の前にある満開の笑顔
コレを見れたのだから何も言うことはない
そう思えた

 


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