第一印象は最悪 01



のどかな昼下がり
かぶき町を定春連れてブラブラ歩いている

平和そのもの

いつも望んでもないのに事件が飛び込んできていた万事屋にここしばらく音沙汰無し

事件に巻き込まれたい訳ではないけど、こう平和ボケな毎日を過ごしていると刺激が欲しくなるのも事実で…

そんな中、あくび連発で涙目の視界が定春の異変を捉えた

力んでいる
ヤツは今まさにわんぱく坊主の夢より大きなウ●コを産み落とさんとしている
よりによって道の真ん中で

確かに刺激を欲したが刺激臭は望んでねぇぞ!

『定春ッ!我慢だ!家まで堪えろッ!こんな道の真ん中で産み落とされたらお前…』
言い終わる前に、わんぱく坊主の夢より大きなブツは地面に産み落とされた
その夢はいつもより巨大でいつもより異臭を放っていた(ような気がする)

ああ…
最悪だ

なんで俺がこんな目に遭ってんの
ちゃんと世話するから飼いたい!なんて言ってたのは神楽だろ
ガキはいつだってそうだ
口ではそう言って結局世話すんのは母ちゃんだもんな
っーか俺母ちゃんッ!?

目の前のブツを見つめながらそんなこと考えていたら…

『そこのお兄さん』
鼻にかかったような女の声

…当然か、臭いもんね
鼻つまんでんだよねきっと

銀時は項垂れたまま振り替えった
視界に入ったのは細身の黒いロングブーツ

あ…
ロングブーツって事はもしかしなくてもミニスカ?ショートパンツ?

ゆっくりと視線を上げた銀時はガッツポーズ

イエス!ミニスカ、イエスッ!!

一気に上がったテンションで顔を拝もうと視線を上げた銀時は次の瞬間眉間にシワを寄せた

彼女が羽織っていたジャケット
それはどう見ても…
チンピラ警察と同じものだったからだ

え…真選組に女隊士居たっけ?
隊服ミニスカートって…世の中の男性の心を掴み過ぎだろォォォッ!

物凄くそそるナマ足ではありますが…
真選組の隊士になるような女だ
きっと凶暴なゴリラみたいな女に違いない

それに奴らと関わっていい思いをしたことはない
むしろ散々な目に遇うのがオチだ
テキトーに流しておさらばしよう

そう心に決めて顔を上げた銀時はいましがたの決意など頭からスッぽ抜け、目の前の女に釘付けになった

…ちょ、かわいいんだけど
なにこのかわいい生き物
この子になら捕まってもいいかも
二人っきりで取り調べ…なんつーことになったら犯罪に犯罪重ねちゃいますけど!

身長差から上目遣いになる彼女に良からぬ感情を抱いた銀時
そんな彼の胸の内を察したかのように彼女の眉間にしわが寄った

『お兄さん、いい大人がどんだけデカイウ●コ漏らしてんですか』

……え?
なんか俺が漏らしたことになってね?

『いやいや、俺じゃねーし。家のペットが…』
『…ペットって?』
『こいつだよ、この巨大なワン公が産み落としたでっかい夢なんだって』
背後を指差し弁解しても彼女は訝しげな視線を送り続けてきた

え…なんで?

『そのペットはどこ?』

『だから後ろに…』
振り返ってみたらそこに居たのは定春が産み落としたでっかい夢だけだった

えええええええッ!?
定春くんんんんッ!?

いつの間にかリードを手離していたようで定春はひとりで散歩を続行していたらしい
『もっとましな言い訳は無かったの?お兄さん』
呆れたように笑った彼女の笑顔はこんな状況にもかかわらず俺の胸をときめかせた

そしてクールなミニスカポリスに手錠をかけられた


望んだ通りの刺激的な午後だった
 


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