『スゴい、パトカーって丈夫なんだね!』
総悟のぶちかましたバズーカによって大破したパトカーはなんとか屯所に到着した
それとほぼ同時に玄関から飛び出してきたのはゴリラ…もとい真選組局長・近藤勲
『トシッ、遅かったじゃないか!エリカちゃんは…って嘘ォォォッ!なにコレェェッ!』 見るも無惨なパトカーを見て頭を抱え悲鳴を上げた
『これ始末書もんよ?またとっつぁんにどやされるってコレェェッ!』
『…スマン、近藤さん』
『ごめんで済んだら俺らはいらな…ってうわァァァッ!』 頭を下げた十四郎の後ろから飛び出してきた影が勲に飛びかかり尻餅をつかせた
『近藤さァァんッ!久しぶりですゥゥゥ』 『ぅぅ…エリカちゃん、見事なタックルだ…元気そうでなにより…』 当たりどころが悪かったのかうめく勲に構わずしがみつき彼の胸に擦り寄った
『うぅん、このオジサン臭さもたまんない』 『嘘ォッ!それ違うからね!俺の加齢臭じゃなくて松平のとっつぁんだわ!さっきまでいっしょだったから』
『…随分熱烈な挨拶だねィ』 自分の時より激しく喜ぶエリカをみて総悟は呟いた
…近藤さんはエリカにとっても特別か
総悟はそう理解しながらもちょっとだけ胸の辺りがモヤモヤっとしたのに気づかないふりをした
その隣では同じように十四郎が眉間にシワを寄せじゃれ合う二人を眺めて…と言うより睨み付けるかのような視線を送っていた
『副長、もしかして局長に妬いてるんですか?』 ニヤニヤしながら尋ねてきた退がこのあとボコボコにされたのは言うまでもない
『おい、何だあの可愛い女の子は』 『副長の妹だって』 『マジかよ、全然似てねぇ』
勲と十四郎、エリカの三人が話している部屋の外では退を含めた数人の隊士が中を覗いていた
中の様子はというと
『近藤さん、あたしなんかを真選組に迎え入れていただきありがとうございます』 エリカは正座をし深々と頭を下げた
『ガッハハハ!そうかしこまらんでくれよエリカちゃん』 目の前にある勲の笑顔にエリカは一層安心感を覚えた
これからはまたみんなで一緒にくらせるんだ
『そうだ、松平のとっつぁんからエリカちゃんの隊服預かってきてるんだ』 『え、あたしの?あたしも隊服着れるの?』 『もちろんだ、エリカちゃんも今日からは真選組の一員だからな』 そう言って背後に置いてあった包みの中から一着の隊服を広げて見せた
『うわ、カッコいい〜♪』
それと同時に上がる十四郎の声
『駄目だッ!!』 あまりの大声に隣のエリカは豆鉄砲をくらった鳩のようにキョトンと十四郎を見つめた
『トシ?どうした?何が駄目なんだ?』 広げた隊服をしげしげと見つめながら不思議そうに尋ねる勲
隊服に可笑しなところなど無い 自分達が着ているものとそう変わりはない
…ジャケットの方は。
『そんな丈の短いスカートなんかエリカに履かせられるかッ!』
そう、エリカの為に用意されていた隊服はミニスカートだったのだ
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