恋しちゃいました



遠足や運動会の前日
興奮して眠れなくなるガキ
それとそう代わり無い今の俺

仕事があるわけでもない
何てことない、ただの月曜日
ジャンプが発売されるだけの、ただの月曜日

時計の針は早朝6時を指していた


ジャンプを買うのは毎週楽しみだ
休刊日はルーのかからないカレーライスくらい物足りない

だが、眠れなくなる程楽しみにしてたことはない

原因はジャンプじゃない

眠れなかった原因は…


『いらっしゃいませ〜』
今日も笑顔で客を迎えるあの女の子のせいだ

『オイ、てめー何してンの?邪魔なんだけど』

聞き慣れた不快な声と共に、俺のデリケートな尻に衝撃が走る
そして俺は自動ドアを通り抜け店内に派手にスライディング

『ぎゃああああッ!てめェ何しやがる!』
不本意ながら月曜には決まって顔を会わすいけ好かないヤロー、白髪頭のジャンプ侍

喚く俺に構わず雑誌の棚に向かったアイツ

何コレ、放置プレイ?
俺は猿飛と違ってそうゆう趣味は無いんだけど?

『いらっしゃいませ…、あ。』
バッチリと目があった
レジに居る醜女ではないのにやけに笑顔が眩しい店員さん

『…どうも』
つい応対したものの尻を押さえながら会釈する俺ってどうよ?

自分の情けない姿にガッカリする
そんな俺にはお構い無し、ジャンプ侍はさっさとお目当てのものを持ってレジへやって来る

『いらっしゃいませ、一点お買い上げで240円になります』

接客する店員さんに俺は釘付けだった

なに、この気持ち
彼女の笑顔見る度に高鳴るこの胸はどうしちゃったわけ?

ムラムラ?
いや、ちがう

そう、ドキドキだ
見てるだけで呼吸の仕方すら忘れてしまうくらいで

『いつもありがとうございます、またお待ちしてます』
笑顔で彼女はジャンプ侍を見送る

その笑顔が自分だけに向いているわけじゃないことが少し、いや、かなり悔しく思う自分に気づく

…これって、もしかして
やきもちとか言わねぇ?

いやいやいや!
それは無いだろ
好みのタイプと全くの正反対だし?
だいたい俺はこの子のことよく知らないし…好きとか、そうゆう結論を出すには早いな、そう、恋愛っていうのは順序を踏んで…

『恋に順序があるなら、まず何から始めればいいですか?』

『ああ、まずはお近づきになってお友だちから…って俺ってこんな堅物だったか?……あれ?』

気がつけば目の前に居た店員さん
上目使いで見上げてくるとか反則だから、男ってそうゆうのに弱いもんだからね

…てか俺、口に出してたのか?

『だったら、あたしとお友だちになってくれますか?』


お付き合いを前提に


『あたしはいつも見てましたよ、貴方のこと』

男に二言はない…っていうけれど
前言撤回

順序なんてクソ食らえ、だ

thanks!矛盾



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