甘い誘惑



誕生日、朝一番に会った沖田さんが柄にもなくプレゼントをくれた

『え…、何コレ』

『見てわかんねェの?エプロンだろーが』

いや、それはどんなバカが見たって解りますよ

俺はなんでエプロンなんかくれたのか知りたい

しかも…

『これ、明らかに女の子用ですよね』

真っ白なフリルがかわいいエプロン
こんなの女の子でも新妻くらいしか着ないんじゃないかな

『たりめーでィ、そんなのザキが着たら犯罪級の気持ち悪さだろーが』

『じゃあどうゆうつもりですかこれー』
いくら誕生日プレゼントとはいえ意図のわからない贈り物には苦笑い

まったく沖田さんの行動は破天荒で意味不明

いつものことだから慣れたけど

『着るのはエリカでィ』

は?俺の彼女へのプレゼント?
俺へのプレゼントじゃないんですかァァァッ!?

『裸エプロンのエリカが俺からのプレゼントでさァ』

ちょっとこの人何勝手なこといってんのォォォッ!?

『嬉しいだろ、このムッツリが』

そりゃあ裸エプロンとか男なら一度はムラムラ妄想しただろう

でもあんなの男の妄想の賜であって、エロ本とかエロDVDとかでしか成立しないもんだよ


エリカちゃんが着てくれるわけ…


『…いいよ、退くんのためならあたしは…』

…って

ええええええッ!

地味な俺の誕生日を祝いに屯所を訪ねてくれたエリカちゃん
彼女は沖田さんがくれたエプロンに興味津々

いきさつを話せばそんな事を言い出す始末

『誕生日だもん、あたし恥ずかしいけどひと肌脱いじゃう』

ちょっと…
ひと肌どころか全部脱いでもらっちゃうんですけど


男・山崎退、調子にのりますよ

エロ本でみたあんなポーズやこんなポーズ
更にはそんな格好のエリカちゃんにあんなことやこんなことをしちゃう俺

…なんて最高の誕生日なんだ

もう思い残すことは
ありません






『退くん退くん!どうしたの!?』

彼氏が鼻血を流して倒れました

『ムッツリめ、自分の妄想で卒倒してんじゃねーよ』

タイミングよく現れた沖田さん
もしかして覗いてました?


『エロい妄想で鼻血たらして倒れるって中学生でもしねぇぜィ』

『…でも幸せそうな顔して気を失ってますね』

覗き込んだ退くんの顔は血塗れながらも笑みを浮かべて眠っていた

『幸せそうってかエロそうな顔でさァ、夢の中で妄想を実現してやがらァ』


退くんが目を覚ましたら
正夢にしてあげる

だから早く起きてね、ダーリン

2/6 HappyBirthday!



back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -