ハニーリップ



お誕生日おめでとう!!


お妙さんに呼び出され志村家にやって来たエリカ

戸を開けた瞬間飛び出してきたのは…
万事屋のみんな、パーティー用の派手な三角の帽子に鼻眼鏡でご機嫌な恰好

お妙さんと、当然のように隣にいる着流し姿の近藤さんは殴られたような痣をつけている…

そんな皆に祝福されて

プレゼントも両手で抱えきれないよ

新八くんからはお通ちゃんの最新アルバム
お妙さんからは食べきれない程のハーゲンダッツ
近藤さんからは食べきれない程のバナナ
神楽ちゃんからは食べきれない程の酢こんぶ
銀さんからは食べきれない程の甘いもの

…個性溢れるセレクション

『みんな、ありがとう』

こんなに嬉しい誕生日、他はに無いよ


『よぅ、エリカ。』
お妙さんの家には珍しい人も居た。

真撰組の制服を着て少し離れた所で壁にもたれ掛かっているのは…

『総悟くん!』

犬猿の仲の神楽ちゃんの攻撃をヒョイッとかわし私の側までやって来た。

そして差し出された小さくて可愛い包み

『俺からのプレゼントでさァ』『あ、…可愛い』
中身はハチミツ色のリップグロス

『ちょっとちょっと…沖田くんらしからぬ贈り物じゃない?』

『そうだな、総悟なら絶対首輪とか鞭とか贈るはずだ』

『奇怪な行動ネ、コレはきっと槍でも降るネ』

皆が色々いっていたけどそんなのは耳には届いていなくて、エリカは嬉しさで胸が一杯だった。

『ありがとう、総悟くん。大事に使うね』

意中の彼から貰ったものだ
正直もったいなくて使えないかも…

『そうかィ、じゃあ早速使ってみなせェ』

『え?…今?』

コクりと頷く総悟くん
『まだあるんでィ、プレゼントが』

理由はわからないけどエリカは総悟がいう通り、皆が怪訝そうに見つめる中、グロスを塗ってみることにした。


キャップを外せば甘い香りが漂った。

見た目も香りもハチミツその物…おいしそう。


『どうかな、似合う?』

総悟くんに見せようと振り返れば視界はぼんやり暗くて驚いた。

そして唇にはあたたかくて柔らかな感触

そして甘いハチミツ香り

明るくなった視界が捉えたのは総悟くんの顔
唇にはハチミツ色のリップグロスがついていた

…うそよ、まさか…

働かない思考回路で巡らせた考えは全て同じとこにたどり着く

『もしかして…ちゅー、した?』


ニヤリと笑みを浮かべた総悟くんは自分の唇をペロッと舐めた

『そのリップグロス、ホントにハチミツの味がしまさァ』


甘いキスはいかが



『『ちょっとォッ!!総悟くんなにしちゃってんのォオッ!』』
声を揃えて詰め寄る銀さんと近藤さん

『何って、他にない素敵なプレゼントを…』

『プレゼントされたのはむしろテメェだろ!?良い思いしたのはテメェだけだろぉお?ずりィよ馬鹿!』
『そうです!ムラムラは二十歳を過ぎてからって近藤さんはいつもいってるでしょーが!まったく不意打ちで無理矢理接吻するなど…(うらやましい)!』


『そんなことないですぜ、なぁ?エリカ』



(もちろんです。…でもそんなこと言えるわけないじゃない)




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