▼ちゃんとした白石…じゃなくなった


「ちっ」


「えっなんやの出会い頭に舌打ちって」


「いえ別に」



その後謙也に絡まれてまた舌打ちしとった。謙也は半泣きで消えた。
機嫌悪すぎやろ…。いつも俺と極少数にしか舌打ちせんのに…。
顔が小春の休んどる時のユウジみたいや。



「名前ちゃん顔怖なっとるで。いつもみたいに笑ってた方がかわええよ」



あ。やばい。睨まれた。
どうもこの子は俺に優しくされんのが嫌いらしい。クラスの子なんかはこう言ったら聞いてよーなんて言うて愚痴りだすんやけど…。
せやからちょっと意地悪してみても嫌がられる。どっちやねん。



「それで私が白石先輩の聞きたくもない愚痴をつらつら喋ってスッキリシタアリガトウって言えば満足ですか。」


「……いや、俺は」


「そんで全然ええよーとか言うんですね、自分の愚痴みたいなもんは言わないくせに…。」



そう言ってまた舌打ちをした彼女。
そうやった、この子は俺にトドメ刺そうとしとるんやった。
完璧な俺を崩そうとしとるんやった。
言葉と態度は刺だらけやけどその奥、むっちゃ奥にアホかっちゅーくらいの優しさがある。
でも俺は崩されへん。





「名前ちゃん」


「……何ですかこんちくしょう」


「おいで、甘やかしたるから」

「……」


笑って手を差しのべてたらあぐらかいた所に背中からアタックかまされて数秒伸びてしもた。頭に顎が当たった。なんなんこの子。この子の甘えかたハードすぎひん?


「……あぁもう、どうしてこうなるかな…、白石先輩が無駄なことしやがるからこうなるんです。……………………ごめんなさい。」


「……名前ちゃん、だったらもうちょいこのままでええ?」


「はっ?」


「小春ばっかずるいやん、もうちょいこのままがええ」


「………足、痺れても知りませんから」



後ろから抱きしめるのとか、めっちゃ好きかもしれへん











 
「……白石先輩髪吸わないで下さいなにしてんですか」


「いやええ匂いやなぁって」


「ぎゃあああああ!ユウジ先輩エクスタシーがエクスタシィイイ!」





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